【第二新卒】企業が考える、第二新卒を採用する強み・弱みとは? 作成日 : 2020.06.30 / 最終更新日 : 2020年10月22日 第二新卒の転職準備 Tweet 新卒採用で就職した企業から、数年以内になんらかの理由で転職するとき「第二新卒」としてカテゴライズされます。 企業の求人募集を見ていても「第二新卒歓迎」「第二新卒優遇」などと記載されており、第二新卒者を積極的に募集しているところが多くあります。 「第二新卒」に該当する人材は企業にとっても魅力的であり、転職活動の際にアピールポイントとして活用することができます。 この記事では、第二新卒の需要や、企業が採用を行うメリット・デメリットに加え、強みとして転職活動に活かすためのポイントについて紹介しています。 この記事は約7分で読み終わります。 目次1 第二新卒の需要2 第二新卒を採用するメリット・デメリット3 転職しやすくなるためのポイントとは?4 まとめ 第二新卒の需要 業種問わず第二新卒には需要があり、年々その数も増加してきています。ここでは、第二新卒と呼ばれる基本的な定義や、第二新卒者の需要推移について見ていきましょう。 第二新卒とは? 第二新卒は一概とした定義がない言葉で、基本的には「新卒で入社してから3年未満の求職者」を指すとされています。 4年生大学卒業者であれば25~26歳ごろまで、大学院卒業者であれば27~28歳ごろまでが該当します。 厚生労働省が出している定義には、次のように記されています。 ここでの「第二新卒者」とは、それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね 3年以内の者とした(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)。 引用:厚生労働省「若年者雇用を取り巻く状況」より https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000065181.pdf 企業によって定義が異なることもあるため、年齢はおおよその目安として考えていただければと思います。 データを元に見る第二新卒の需要 新卒で就職後3年以内に離職した割合は、平成28年度卒業者の約32%にのぼります。約3人に1人程度が離職を経験しており、第二新卒として転職活動を行う人材がとても多いことがわかります。 参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)」より https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00002.html 求人募集を行っている企業側でも第二新卒者を採用する動きが活発化しており、卒業後1~3年以内の若い世代に向けて求人を出すところも年々増加しています。 厚生労働省の調査によると、2014年には約6割の企業で第二新卒者を募集していたことがわかっています。 新規学卒者採用枠で既卒者を募集した事業所は2014年調査で約60%となっている。 新卒者の採用枠で既卒者を受け入れる場合の応募可能な卒業後の経過期間が、2~3年以内とする事業所は 2010年には12%であったが、その後急速に増え、半数以上となっている。 引用:厚生労働省「若年者雇用を取り巻く状況」より https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000065181.pdf 第二新卒者は、新卒採用枠と同様の扱いになるため求める人物像が似ている一方で、実務経験などをより求める傾向も見られています。 また、コミュニケーション力や意欲・熱意を重視する企業も多く、就職経験者としての実績・経験、若い世代のフレッシュなやる気を求めていることがわかります。 企業によって求めている人材の特徴には差があり、企業規模が大きくなるほどコミュニケーションを重視し、規模が小さいほど熱意・意欲を重視する傾向にあります。 求人募集を行っている企業は豊富にある一方、ライバルが多くいるのも特徴で、自己PRや志望動機などで差別化を図る必要があると考えられます。 目次へ 第二新卒を採用するメリット・デメリット 企業が第二新卒の採用に力を入れている理由には、利点となる要素が多くあることが挙げられます。 一方で、第二新卒枠での採用は良い面ばかりではなく、企業側にとって懸念材料となるデメリットがあることも事実です。 ここでは、第二新卒を採用する企業側にとってのメリット・デメリットについて見ていきましょう。 第二新卒を採用するメリット 企業が第二新卒を採用するメリットには、以下のようなものがあります。 ・新卒の採用予定人数に満たないときでも採用人数の確保ができる 新卒採用は近年売り手市場とされており、企業間での人材確保における競争率が激化しています。 採用を予定していた人数に満たなかった場合や、急激な業績アップや事業領域拡大による人手の確保が可能になる利点があります。 ・新卒学生と比較して社会人経験があるため戦力化しやすい 第二新卒は新卒学生と比較して一度就職した経験があるため、社会人としてのマナーや基本的なスキルが身に付いています。 そのため、一からマナーや基本的なPC操作などの研修が必要なく、採用直後から業務の指導に入ることができ、育成コストが抑えられるメリットがあります。 ・企業に従事していた期間が短いため、既卒よりも特定の企業文化に染まりきっていない 第二新卒は企業で採用されてから退職までの期間が短く、十数年以上働いてきたような既卒者と比較すると、企業文化に染まりきっていない特徴があります。 そのため、自社のやり方や社内風土に順応しやすい利点があると考えられます。 ・一度就職した経験があるからこそ、目標がはっきりしており熱意もある 第二新卒者は新卒就職後3年以内の退職であるため、企業側とのミスマッチによって離職が発生しているケースもあるのではないでしょうか。 そのため、第二新卒者は自分の意思を伝えることができ、やりたいことや目標がはっきりしているなど、自分の希望に合う企業に就職したいという熱意があります。 熱意を採用基準の中で重要視している企業は多くあるため、第二新卒者の雇用は企業と雇用者のミスマッチを防ぐうえでも役立つと考えられます。 第二新卒を採用するデメリット 企業が第二新卒を採用するデメリットには、以下のようなものがあります。 ・第二新卒には即戦力スキルは求められない 第二新卒者は業務経験も浅く、熟練の既卒者・中途採用者と比較すると、経験やスキルが中途半端な状態です。 社会人としての一般的なマナーが身に付いていたとしても、業務に関しては一から指導していく必要があります。 ・勤続年数が短いため、定着しないリスクがある 勤続年数が短いため、ミスマッチによる退職だけでなく、忍耐力のなさから企業に定着しない人もいます。 採用選考の段階では見抜くことが難しい場合もあるため、第二新卒者を採用しても早期離職するリスクは常にあると考えられます。 ・人気の企業や大手企業では第二新卒者を敬遠する傾向にある 人気の企業や大手企業では優秀な人材からの応募が多く集まるため、伸びしろの大きい新卒や優れた知識やスキルを持つ中途採用に力を入れています。 わざわざ早期離職リスクを取ってまで第二新卒者を採用しようとしないため、それだけの懸念材料が第二新卒採用にあることも事実です。 目次へ 転職しやすくなるためのポイントとは? 第二新卒であることの強みを活かして転職活動を行う際には、転職を成功させるためのポイントを把握しておく必要があります。 ここでは、第二新卒の転職が成功しやすくするためのポイントや、サポートが充実している転職エージェントの活用方法について紹介します。 第二新卒が転職しやすくするためのポイント 第二新卒の転職を成功させるためのポイントについて見ていきましょう。 ・実務経験を期待されているため、過去の成果を具体的にアピールする 第二新卒者に求められているのは、新卒者にはない実務経験です。「◯◯の業務を担当していた経験があります」などの抽象的な表現ではなく、具体的な成果についてアピールしていく必要があります。 「作業効率の効率化について提案したことが取り入れられ、前年比◯%増収に貢献しました」などの数字を盛り込んだエピソードが重要になります。 ・転職理由・目的について前向きに話す 早期離職した事実について、前向きなフォローを入れることも大切です。企業の採用担当者は、自社に就職してもまた早期離職するのではないか、という懸念をもっています。 「◯◯の業務について、さらに専門的な技術を持つ貴社で働きたいと考えています」などのような前向きな退職理由を伝えるのもポイントの一つです。 まとめ 第二新卒として就職・転職活動を行う際には、自分の強み・弱みに加えて、企業側の利点やリスクについても考えておく必要があります。 自分が企業の求める人物像にマッチしていること、貢献できると考える理由、早期離職のリスクがないことなどを積極的にアピールしていきましょう。 シェアするツイートする