目次
検索エンジンとは
検索エンジンとは、ユーザーが入力したキーワードに応じて関連性の高い情報を表示する仕組みです。「サーチエンジン」とも呼ばれ、GoogleやYahoo!、Bingなどが代表的な例です。
検索窓にキーワードを入力すると、検索エンジンは膨大なデータベースから関連情報を含むウェブページや画像、動画などを抽出して表示します。表示の際、検索アルゴリズムがコンテンツの内容や品質を評価し、結果の表示順位を決定します。
検索エンジンとブラウザの違い
検索エンジンとブラウザは、いずれもインターネット利用時に欠かせないツールでありますが、それぞれ異なる役割を持っています。両者は混同してしまいがちですが、より効率的にインターネットを活用するためにも、違いを明確にしておきましょう。
検索エンジンは、インターネット上の膨大な情報から関連性の高い結果を検索し、一覧として表示するシステムです。ユーザーが入力したキーワードに基づき、ウェブサイトや画像、動画などの情報を検索し提供します。
一方、ブラウザはインターネット上の情報を閲覧するためのソフトウェアです。ブラウザを使用することで、検索エンジンで取得したウェブページを表示したり、ウェブアドレス(URL)を直接入力して特定のページにアクセスしたりできます。
ブラウザにはデフォルトの検索エンジンを設定する機能があり、アドレスバーから直接検索することも可能です。
以下は、代表的なブラウザとデフォルトの検索エンジンの例です。
ブラウザ | 検索エンジン |
Google Chrome(グーグルクローム) | |
Firefox(ファイアフォックス) | |
Safari(サファリ) | |
Microsoft Edge(マイクロソフト エッジ) | Bing |
なお、デフォルトの検索エンジンはブラウザの設定から変更することもできます。
検索エンジンは情報を「探す」ため、ブラウザはその情報を「表示」するためのツールといえます。
日本・世界の検索エンジンのシェアランキング
日本と世界における検索エンジンのシェアを、ランキング形式でみてみましょう。
順位 |
日本 |
世界 |
||
検索エンジン |
シェア率 |
検索エンジン |
シェア率 |
|
1位 |
|
79.58% |
|
89.98% |
2位 |
Yahoo! |
9.52% |
bing |
3.94% |
3位 |
bing! |
8.93% |
YANDEX |
2.4% |
4位 |
YANDEX |
0.59% |
Yahoo! |
1.24% |
5位 |
DuckDuckGo |
0.57% |
Baidu |
0.81% |
出典:Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
出典:Search Engine Market Share Worldwide| Statcounter Global Stats
※表中の数値は2024年11月時点のデータ
国内外ともに、Googleは検索エンジン市場のトップシェアを誇り、日本国内ではGoogleとYahoo!を合わせて約9割のシェアを占めています。
Yahoo!はGoogleの検索エンジンを採用しているため、Googleで上位表示されるページは、Yahoo!でも同様に上位表示されます。
そのため、SEO(Search Engine Optimization 検索エンジン最適化)対策を行う際には、Googleでの上位表示を目指すことが重要です。
主要な検索エンジン一覧
日本で主に利用されている、以下3つの検索エンジンの特徴を解説します。
・Google(グーグル)
・Yahoo!(ヤフー)
・Bing(ビング)
それぞれ詳しくみていきましょう。
Google(グーグル)
Googleは世界最大のシェアを誇る検索エンジンで、「ググる」という言葉が定着するほど日本でも広く使われています。
人気の理由は、膨大なデータベースと高精度な検索アルゴリズムにより、関連性の高い検索結果を迅速に提供できる点です。
検索結果の表示では、ユーザーの検索意図や情報の関連性を重視した独自のアルゴリズムが使われています。アルゴリズムは継続的に改善されているため、ユーザーは常に最適な情報にアクセスできます。
なお、Googleがコンテンツの評価に用いるアルゴリズムの詳細は公表されていません。一方で、Googleは経営理念の「Googleが掲げる10の事実」のなかで「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と示しています。
Googleの理念は、ユーザーの有用性を第一に考える「ユーザーファースト」という言葉で知られ、検索エンジンで上位表示を狙う際の基本的な考え方として定着しています。
また、検索体験(ユーザーエクスペリエンス)の向上にも注力しており、ユーザーはストレスのない直感的な操作が可能です。
さらに、Googleは多言語対応を強化しており、異なる言語で検索した場合でも、最適な情報を得られます。
出典:Google が掲げる 10 の事実 – Google
Yahoo!(ヤフー)
Yahoo!は、検索エンジンとポータルサイト機能を兼ね備えたサービスです。検索だけでなく、オークションやメール、ニュース配信、ショッピングなどの豊富なサービスも提供しています。
検索機能はGoogleのアルゴリズムを使用しており、Yahoo!独自のサービスと組み合わせることで、検索結果に付加価値を生みだしているのが特徴です。
例えば、「Yahoo!ニュース」や「Yahoo!知恵袋」などのYahoo!独自のサービスが検索結果に統合されています。ユーザーは検索と同時に関連ニュースや多様な視点を簡単に得られます。
なお、Yahoo!は2025年3月にGoogleとの契約を終了し、新たな検索エンジン体制への移行を予定していました。
しかし、移行先の選定に時間を要するため、Googleとの契約を2年延長し、2027年までGoogleの検索エンジンを使用することが決定しました。
Bing(ビング)
Bingはマイクロソフト社が提供する検索エンジンで、世界ではGoogleに次ぐシェアを誇ります。Googleとは別の検索技術を使用しているため、検索結果の順位も異なります。
Bingには生成AI「Copilot(コパイロット)」が統合されており、会話形式で情報収集できるのが特徴です。この機能により、複雑な質問でも対話を通じて回答を得られます。
また、Microsoft Office製品との連携もBingの強みといえるでしょう。WordやExcel内でテキストを右クリックするだけで、関連情報を直接検索できます。
このように、Bingは検索エンジンとしての基本的な機能に加えて、日常業務を支えるツールとしても活用可能です。
検索エンジンの仕組み
Googleの検索エンジンがどのように検索結果のランキングを決定するのか、以下の3つのステップで解説します。
1.クロール
2.インデックス登録
3.ランキング
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.クロール
検索エンジン内部では「クローラー」というロボットが稼働し、インターネット上のウェブページを巡回して情報を集めています。クロールは検索エンジンの第一段階であり、Googleでは「Googlebot」がこの役割を担っています。
クローラーの特徴は、既知のページを辿りながら新しいページを発見し、リンク構造を解析してウェブサイト全体の構造や内容を把握することです。
ただし、ウェブサイトの構造が複雑すぎたり、リンクが適切に設定されていない場合、クローラーがページにアクセスできません。対策として以下の方法が有効です。
・XMLサイトマップ(各ページの情報をクローラーに伝えるXML形式のファイル)を作成 ・ファイルサイズの圧縮などによりページの表示速度を高め、クローラーの負担を軽減 ・内部リンクを設計し、クローラーの巡回を促進 |
ユーザーだけでなくクローラーが巡回しやすいサイトを設計して、検索エンジンからの評価を高めましょう。
2.インデックス登録
インデックスは、クロールされたページの内容を解析し、検索エンジンのデータベースに格納するプロセスです。Googleは、インデックス登録時にページ内容の関連性と品質を評価し、検索キーワードとの関連性に基づいて効率的に取り出せるよう情報を整理します。
検索ユーザーにとって価値があると判断されたコンテンツがインデックスされる仕組みです。一方で、コンテンツの品質が低い場合は、ページがインデックスされないことがあります。
なお、コンテンツをできるだけ早くインデックス登録させたい場合、Google Search Consoleを使用すれば、検索エンジンにURLのインデックス化を直接依頼できます。
Google検索結果でのサイトの掲載順位を監視、管理、改善するのに役立つGoogleが提供する無料ツールのこと。
3.ランキング
ランキングは、インデックスされた情報をもとに検索結果の順位を決定するプロセスです。
Googleのランキングアルゴリズムは、数百以上の要素を使用して検索キーワードを解析し、ユーザーの検索意図を理解した上で最適なページを選定します。
ランキングアルゴリズムは常に更新されているため、Googleの公式SNS「Google Search Central」で最新の動向を把握し、変更点を踏まえて対策することが重要です。
検索エンジンでランキング上位を狙うには
検索エンジンでランキング上位を獲得する方法を2つ紹介します。
・SEO(検索エンジン最適化)
・リスティング広告(検索連動型広告)
それぞれ詳しくみていきましょう。
SEO(検索エンジン最適化)
SEOは、ユーザーが特定のキーワードで検索した際に、自社のコンテンツがより多く見つかるように自社のウェブサイトを上位に表示させるための手法のことです。SEO対策とも呼ばれ、オーガニック流入の増加や、ターゲット層の認知獲得に繋がるでしょう。
具体的に、SEOには「内部対策」と「外部対策」の2つに分けられます。
内部対策 | ・サイト内の構造やコンテンツを最適化し、検索エンジンとユーザーが利用しやすい状態に整える施策 ・「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」の2種類がある ・「テクニカルSEO」には、ページの表示速度向上、タイトルタグの最適化、見出しの改善などがある ・「コンテンツSEO」は、ユーザーのニーズに応じた専門性の高いコンテンツを作成すること |
外部対策 | ・他サイトからの評価を高め、サイトの信頼性を向上させる施策 ・具体的には、被リンク(他サイトからのリンク)の獲得や、サイテーション(サイト名や企業名などが、他サイトに掲載されること)を増やすことが含まれる |
関連記事:テクニカルSEOとコンテンツSEOの違いとは?優先すべき施策も解説
これらのSEO対策を実施することで、検索順位の向上が期待できます。また、上位表示を維持できれば、広告費をかけずに長期的な集客が可能となり、コストパフォーマンスの高いマーケティング施策となります。
ただし、検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に変更されるため、一度上位に表示されても、ランキングが下がるリスクは考慮しなければなりません。そのため、SEO対策は一度実施するだけではなく、継続的なモニタリングとアップデートが不可欠です。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて表示される広告手法です。
検索結果の上部や下部に「スポンサー」として表示され、クリック課金制が採用されています。広告がクリックされることで課金され、表示だけでは費用が発生しません。
リスティング広告は、キーワードや広告文を設定すれば、即座に広告を配信できるというメリットがあります。人気のキーワードは入札価格が高騰しやすいため、費用対効果を慎重に検討することが重要です。
まとめ
検索エンジンは、インターネット上の情報を効率的に検索し、ユーザーに最適な結果を提供するシステムです。日本ではGoogleとYahoo!が約9割のシェアを占めており、とくにGoogleの検索エンジンに対応した対策が重要です。
検索結果で上位表示を実現するためには、SEO対策やリスティング広告の活用が欠かせません。検索エンジンのアルゴリズム変更に対応しながら、価値の高いコンテンツを提供し続けることで、より効果的にユーザーへ情報を届けられるでしょう。