目次
コンテンツとは
コンテンツとは、英語の「contents」に由来しており、主に「情報の中身」や「内容」を指します。情報を伝えるための中身を意味するため、テキスト、動画、画像など、さまざまな形式がコンテンツとして取り扱われます。
一般的には、広告を除く「価値のある情報」を指し、マーケティングにおいても非常に重要な役割を果たします。
コンテンツの形式は多種多様で、以下のようにさまざまな形で表現されます。
・テキストコンテンツ:記事、ブログ投稿、FAQなど ・動画コンテンツ:YouTube動画、説明会、広告動画など ・画像コンテンツ:インフォグラフィック、バナー広告、SNS投稿用の画像など ・音声コンテンツ:ポッドキャスト、音声ガイドなど |
また、コンテンツという言葉は幅広く用いられており、業界ごとに意味合いや使われ方が変わってきます。
例えば、メディア関連では「番組や記事」、マーケティング関連では「企業・事業・商材を広めるためのプロモーション素材」、エンタメ関連では「映画や音楽」といった形で利用されます。
コンテンツの主な種類と例
コンテンツは用途や形式によってさまざまに分類できますが、特に注目すべき4つの種類があります。それぞれの形式がどのようなものかを、具体的な例とともに解説します。
デジタルコンテンツ
デジタルコンテンツとは、デジタル化されたデータとして配信・共有されるコンテンツを指します。
インターネットやデジタルデバイスを介してアクセス可能な形式で提供されるため、主にオンラインメディアやソフトウェア、モバイルアプリなどで使用されます。
・動画配信サービス(Netflix、YouTube など) ・電子書籍(Kindle、Google Books など) ・ストリーミング配信(Spotify、Apple Music など) |
デジタルコンテンツはその即時性とアクセスのしやすさから、非常に多くのジャンルで利用されています。
ウェブコンテンツ
ウェブコンテンツとは、インターネット上のウェブサイトやオンラインプラットフォームに掲載されるコンテンツを指します。
ユーザーがインターネットを通じてアクセスでき、情報提供やエンターテイメント、教育などさまざまな目的で利用されます。
具体的なコンテンツ | 活用例 |
ブログ記事 | 企業や個人が発信する情報や知識、体験談などを記した記事。検索エンジン経由で読者を引き寄せるため、SEOを狙うこともできます。 |
YouTube動画 | 企業のPR動画、商品レビューなど、視覚と聴覚で情報を伝えられます。ユーザーが簡単にアクセスできるため、広範な認知拡大が期待できます。 |
SNS投稿 | Facebook、Instagram、Xなどで投稿されるテキスト、画像、動画。ユーザーとの双方向のやりとりが可能で、リアルタイムでの反応を得やすい形式です。 |
ウェブコンテンツの大きな利点は、インターネット環境さえあれば、世界中のユーザーが簡単にアクセスできるため、ビジネスシーンにおいて非常に強力なツールとして活用されています。
また、デジタルコンテンツとの主な違いは、配信方法です。
ウェブコンテンツはインターネットを介してウェブブラウザ上でアクセスされる一方、デジタルコンテンツは動画や音楽、アプリなど、デジタルデバイスを利用した多様な形式で提供されることが特徴です。
モバイルコンテンツ
モバイルコンテンツとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで閲覧・利用できるデジタルコンテンツを指します。
スマートフォンの普及に伴い、その利用が急速に拡大しており、日常生活やビジネスに欠かせない存在となっています。
具体的なコンテンツ | 活用例 |
モバイルアプリ | ショッピングアプリ、ニュースアプリ、ツールアプリなど、特定の目的を持ったアプリケーション。 |
メッセージアプリ | LINEやWhatsAppなど、リアルタイムでメッセージをやり取りできるプラットフォーム。 |
モバイルゲーム | スマートフォン向けのゲームアプリ。エンターテイメントの一環として広く利用されています。 |
総務省の「令和5年通信利用動向調査」によれば、インターネット利用においてスマートフォンの使用率は72.9%と、PCの47.4%を大きく上回っています。
特に20〜59歳の年齢層では、スマートフォン利用率が約9割に達しており、モバイルコンテンツの需要が非常に高いことが分かります。
時間や場所を問わず、気軽に情報が閲覧できるモバイルコンテンツを活用すれば、より多くのユーザーに情報を届けられます。
アナログコンテンツ
アナログコンテンツとは、物理的な形で存在する従来型のコンテンツを指します。これらはデジタル化が進む現代においても、特定の場面では依然として重要な役割を果たしています。
・DVD ・紙の書籍、雑誌 ・CD ・ポスター、フライヤー |
近年では、デジタル化が進む一方で、あえてアナログコンテンツを使ったマーケティングが注目されています。
例えば、展示会でのカタログ配布や、店舗でのポスター掲示など、リアルな場でのアプローチにより、特定のターゲット層に強い印象を与えることが可能です。
アナログコンテンツは、デジタルコンテンツにはない魅力を持つツールとして、今後も特定のシーンで利用され続けるでしょう。
コンテンツの大きな役割
コンテンツの役割は、「認知」「集客」「育成」の3つに分けられます。認知や集客の段階では、企業やブランドの存在をユーザーに知らせ、興味を持ってもらうことが目的です。
一方、育成の段階では、見込み顧客との関係を深め、信頼を築くことで購買や契約といったアクションにつなげる役割を果たします。
これらの目的に応じた多様なコンテンツを設計し、それぞれを効果的に連携させることで、ユーザーが自然と次のステップへ進む仕組みを作るのが「コンテンツマーケティング」です。この手法を通じて、見込み顧客を効率よく育成し、最終的な成約や成果に結びつけることが可能になります。
「コンテンツ」をマーケティングに活かすには?
現代のマーケティングにおいて、コンテンツはユーザーとの信頼を築き、企業や商品の認知を広めるために大切な手段といえます。
なぜコンテンツが重要視されるのか?それは、ユーザーが自身の課題を解決するために自発的に情報を探し求めるようになったためです。
自分の課題や興味にぴったり合う情報を得られることで、ユーザーはその情報を提供している企業やブランドに対して自然と信頼感を抱きます。
特に現代では、単なる広告よりも、具体的で役立つ情報を発信するコンテンツが重宝され、ユーザーとの良好な関係構築に大きく寄与するでしょう。
このように、コンテンツは単なる情報提供にとどまらず、認知拡大から購買行動の促進までを支えるマーケティングの要となっているのです。ここでは、マーケティングに活かすためのポイントを解説します。
目的を明確にする
コンテンツを制作する前に、その目的を明確にすることが重要です。認知拡大を目指すのか、リード獲得を目指すのか、あるいは既存顧客との関係強化を図るのかによって、制作するコンテンツの形式や内容が異なります。
ターゲットに適したコンテンツを選ぶ
ターゲットのニーズや行動に合った形式のコンテンツを選択します。例えば、若年層にはSNSや動画、ビジネス層にはホワイトペーパーやウェビナーが効果的です。
効果測定と改善を行う
コンテンツを発信した後は、閲覧数やコンバージョン率を分析し、効果を測定します。その結果をもとに内容や配信方法を改善し、より高い効果を目指します。
マーケティングに活用できるコンテンツの例
ここでは、マーケティングに活用できる具体的なコンテンツの例と特徴を紹介します。
記事コンテンツ
記事コンテンツとは、オウンドメディアやブログで発信される、テキストを主体としたコンテンツを指します。
自社独自の知識やノウハウをもとに、ユーザーに有益な情報を提供することで、認知度を高め、信頼を獲得する役割を果たします。
活用事例:オウンドメディア「暮らしのクリップ」
株式会社桃屋は、「ごはんですよ!」や「花らっきょう」などで知られる食品メーカーです。同社では、ホームページ内の「かんたんレシピ」へのアクセスが伸び悩むという課題がありました。
その解決策として、オウンドメディア「暮らしのクリップ」を開設し、オリジナルレシピの公開や、日常生活に役立つ情報を記事化し、幅広いユーザー層にアプローチしました。
2023年11月時点で「暮らしのクリップ」の月間アクセス数が20万以上に達し、「かんたんレシピ」への流入も約2万件に増加。これにより、商品への認知拡大とファン層の拡大に貢献しました。
SNS
SNSコンテンツは、X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどのプラットフォームを活用し、情報を発信・共有する形式のコンテンツです。
リアルタイムで情報を発信できるため、短期間で多くのユーザーに自社の情報や魅力を届けられるのが特徴です。
活用例:プレゼントキャンペーン
SNSを活用したプレゼントキャンペーンは、企業が短期間で注目を集める効果的な方法です。
・フォローとリポストを条件としたキャンペーンを実施。 ・ユーザーがキャンペーン情報を拡散することで、新たな潜在顧客にも情報が届きやすくなる。 |
このような企画は、既存フォロワーのエンゲージメントを高めるだけでなく、新規フォロワーの獲得にもつながります。
動画投稿
動画投稿は、YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームを活用し、自社の商品やサービスを視覚的・聴覚的に訴求するコンテンツ形式です。
動画はテキストや画像では伝えきれない情報をわかりやすく表現できるため、ユーザーの理解を深めるだけでなく、記憶に残りやすいという特徴があります。
活用例:ライブコマース
動画投稿の一形態として、アパレル業界で人気のライブコマースが挙げられます。ライブコマースの利点としては以下が挙げられます。
・即時性が高く、視聴者との直接的なやり取りでエンゲージメントを向上。 ・ユーザーからのフィードバックをその場で反映し、信頼感を醸成。 |
視聴者のコメントにリアルタイムで応じながら、商品を紹介し、デザインやサイズ感を動画で具体的に伝えることで、ユーザーの購買意欲を高めます。
プレスリリース
プレスリリースは、新商品やサービス、イベント情報などをメディアに向けて発表する公式なコンテンツです。企業の重要な情報を広く伝える手段として、多くの企業で活用されています。
メディアを通じて情報が拡散されることで、認知拡大や企業の信頼度向上に寄与します。
ランディングページ
ランディングページ(LP)は、特定の商品やサービスの特徴や自社の強みをわかりやすくアピールし、ユーザーに購入や問い合わせといったコンバージョン(利益につながるアクション)を促すための専用ページです。
狭義ではこのような目的で作られる1ページ完結型のページを指し、広義ではユーザーが最初に訪問するページ全般を指すこともあります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、自社の商品やサービスに関する専門知識、活用方法、導入事例など、ユーザーにとって価値のある情報をまとめた資料です。
特にBtoBマーケティングにおいて、詳細で信頼性の高い情報提供を通じてリード獲得を支援する有効なコンテンツとして広く活用されています。
活用例:リード獲得
ホワイトペーパーはリードジェネレーションにおいて非常に効果的な手段です。
ダウンロード時に取得したリード情報(企業名や担当者の連絡先など)をもとに、フォローアップメールを送るなど、見込み顧客と継続的なコミュニケーションを図ることができます。
活用例:ブログやSNS、メルマガとの連携
ホワイトペーパーのダウンロードページをブログやSNS、メルマガで紹介することで、ターゲット層に効率的にアプローチすることが可能です。
このような連携によって、より多くのユーザーにリーチし、ダウンロード数を増やすことが期待できます。
セミナー・説明会
セミナー・説明会は、顧客へ商品情報などを伝えるためのプレゼンテーション形式のイベントです。参加者と直接やり取りすることで反応を見ながらフォローでき、顧客との信頼関係を築きやすいのが特徴です。
一般的には、自社商品やサービスのスペックや事例紹介、業界トレンドの解説などの情報を提供し、リードやリピーターの獲得を目指します。
ウェブ上で行われるオンライン形式のウェビナーであれば、場所を問わず多数の参加者へ情報を届けられます。セミナーや説明会をアーカイブとしても配信でき、当日参加できなかった顧客にもアプローチ可能です。
メールマガジン・ニュースレター
メールマガジンやニュースレターは、ユーザーに役立つ情報を定期的に発信するコンテンツ形式のひとつです。継続的な配信を通じて顧客との関係を強化し、購買意欲を高めることができます。
企業がターゲットに合わせた内容を発信することで、信頼感を築きながら、商品やサービスの販促にもつなげられます。
メルマガテーマの代表例は以下です。
イベントの案内 | 地域ごとのイベント情報やセミナーの案内などを発信します。 |
登録者限定の情報発信 | ユーザーにとって関連性の高い情報やノウハウを発信して、興味関心を醸成させます。 |
購買促進のキャンペーン | 新商品の割引情報や案内を配信し、購買意欲を刺激します。 |
メールマガジンやニュースレターは、企業と顧客をつなぐ重要なコミュニケーションツールです。戦略的に活用することで、顧客のエンゲージメントを高め、長期的なビジネス成果に結びつけることができます。
導入事例のページ
導入事例のページは、自社製品やサービスを導入した企業の課題とその解決プロセスを具体的に紹介するコンテンツです。
導入後の効果や顧客の評価を客観的に示すことで、同様の課題を抱える見込み顧客に共感を与え、購入や契約を後押しする重要な役割を果たします。
主な活用例としては、以下のようなものがあります。
ウェブサイトでの掲載 | 賞品やサービスの詳細ページとリンクさせて、見込み顧客が導入事例を確認しやすい導線を設計しましょう。 |
営業資料としての活用 | 営業担当者が提案時に活用することで、説得力を高めます。 |
SNSやメールでの紹介 | 新たな成功事例をSNSやメールで共有し、認知を広げます。 |
そのほかにも詳細やインタビュー記事の作り方については以下の記事でも紹介しています。ぜひご参考になさってください。
成果が出やすいコンテンツのポイント
成果が出やすいコンテンツを作るには、ユーザーが抱える課題を的確に把握し、自社独自の情報やノウハウを活用して解決に導くことが重要です。これにより、メディアや自社への信頼感を高め、ユーザーの購買行動を促すことが可能になります。
しかし、他のサイトで既に書かれている内容を繰り返すだけでは説得力に欠け、行動変容にはつながりません。
コンテンツには、自社にしかない経験や知見、独自のデータをもとにした具体的な数値や事例を取り入れることで、独自性と信頼性を強化できます。
例えばメーカーの場合、商品を使用した実体験や、担当者の開発エピソードを紹介することで、自社ならではの情報を提供できます。
もし人材や時間といったリソースが不足している場合は、コンテンツ制作会社に外注することも有効な選択肢です。専門的な知識やスキルを持つ外部リソースを活用することで、効率的に質の高いコンテンツを制作できるでしょう。
まとめ
コンテンツをマーケティングに活用する際には、各コンテンツの特徴を把握したうえで自社のターゲットに訴求できるものを選択することが必要です。
自社独自のノウハウを盛り込み、ユーザーの課題や悩みを解決できるような価値のあるコンテンツを作成することで、成果が出やすくなります。
ターゲットに応じて適切にコンテンツを使いわけ、認知向上やリード獲得、顧客育成につなげましょう。