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商品を売るには必須のストーリーブランディングとは
自社の商品を売るには、ストーリーブランディングに取り組むことが必須となります。ストーリーブランディングとはいったい何なのでしょうか。
ストーリー ブランディングとは
ストーリーブランディングとは、ストーリーブランド戦略のことを指します。ストーリーブランド戦略は、企業が提供する商品やサービスが持つ「ストーリー(物語性)」を顧客に伝えるブランディングの手法です。
ストーリーブランディングにおけるストーリーとは、消費者(聞き手側)の共感や理解を得られやすいエピソードとなります。たとえば、どんな人が、どんなきっかけで、どんなところにこだわって作ったものなのか、などをターゲットが共感しそうな文言を使って表現することが多いです。
もちろん、そのストーリーはノンフィクションである必要があります。企業が本当に取り組んだことや開発秘話などをエピソードに取り入れることで、より多くのターゲットの共感を得られるのです。
ストーリーに共感したターゲットは、その企業のほかの製品やサービス、経営理念などにも共感し、リピーターになる可能性が高くなります。製品やサービス、企業自体のファンを獲得していくのです。
なぜストーリーブランディングなのか
では、なぜ企業にはストーリーブランディングが必要なのでしょうか。これには、主に2つの理由があります。
一つ目は、競合との差別化が必要な世の中になった点です。多様化する社会のニーズに対応するために、同じ商品でも多くの種類のものが購入できるようになっています。似たようなさまざまな商品が数多く存在するため、商品価値や価格では勝てなくなっているのです。
また、情報社会である現代では、消費者自身が日々膨大な情報に触れています。膨大な情報の中で生活しているため、インパクトのある情報や興味のある情報以外は、消費者の目に留まりにくくなっているのです。
消費者の目に止まりにくい状況の中でも、自社の製品やサービスを選んでもらうには、消費者側の心に訴えかける企業ならではのストーリーを広告やSNS、HPなど様々なツールから打ち出し、共感してもらうことでまずは商品を手に取ってもらい、後にファンになってもらう必要があります。
二つ目は、情報発信が容易になっている点です。SNSやスマホの普及によって、現在は人々が気軽に無料で情報発信をすることができるようになりました。
消費者は、自身が感動した企業のストーリーや買ってよかった商品などを見つけると、気軽に全世界に向けて発信できます。
発信しやすい世の中だからこそ、ストーリーブランディングを通して、自社製品のユーザーに製品や企業の価値を発信してもらい、認知度を高めることが必要なのです。
ストーリーブランディングのメリットとコツ
ストーリーブランディングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ストーリーブランディングのメリットと取り組むときのコツについて解説します。
ストーリー ブランディングのメリット
ストーリーブランディングのメリットは主に3つあります。
まずは、メッセージが伝わりやすいという点です。ストーリーは、専門用語を並べて製品の価値を羅列するよりも聞き手の心に残るため、企業側が伝えたい価値やメッセージが伝わりやすくなります。
企業側のメッセージが正しく伝わるため、消費者が購入・利用したあとでも、製品への最初のイメージとの相違がなくなり、リピート客になる可能性もあるのです。
次に、共感を生みやすいという点もあります。消費者側の「こういうのが欲しかった!」という共感を生むことができ、「髪の毛がまとまらないあなたへ」、「冷え性の方に」などのターゲットも明確なので、消費者が自分のことに置き換えて考えやすく、より共感を得ることができます。
次に、宣伝っぽさが生まれないという点です。ストーリーでは、「この製品は社長が〇〇のようなことを考えながらできたものです」、「このサービスは、〇〇な人の〇〇という声を聞いて生まれたものです」など、宣伝ではなく事実が伝えられます。
そのため、宣伝っぽさが薄まり、消費者がよりストーリーに入り込みやすくなるのです。宣伝色が強い広告には消費者に見逃されやすいため、宣伝っぽさがなくなるストーリーブランディングは効果が高いといえます。
進めていくコツ
ストーリーブランディングを進めるには、どのようなコツがあるのでしょうか。
まずは、聞き手の潜在的なニーズに応えることが非常に重要です。聞き手の共感を得るには、聞き手のニーズに応える広告でなければなりません。
そのためにもまずは顧客がどんなニーズを持っているか、どんなソリューションを提供してほしがっているかについて詳しく調査する必要があります。すべてのブランディングの元になるのはニーズなので、まずはニーズの把握に努めましょう。
次に、失敗を元に日常→失敗→教訓の流れでストーリーを伝えることです。失敗は企業のイメージダウンにつながるのではという懸念があることも理解できますが、実際には失敗こそ人の共感を得られるメソッドとなります。
大切なのは、失敗を教訓にどのような成功を導くのかということであり、失敗が大きければ大きいほど成功したときの聞き手の感動も大きくなるのです。
ストーリーブランド戦略において成功している企業は、ほとんどがこの失敗→教訓の流れでストーリーを組み立てています。そのため、失敗を隠すのではなく、成功を盛り上げる要素として上手に取り入れることが必要なのです。
ストーリーブランディングの運用手順
ストーリーブランディングはどのような手順で運用すれば良いのでしょうか。ここでは、ストーリーブランディングの運用手順について紹介します。
どうやってストーリーを構築するのか
まずは、ストーリーの主人公を設定しましょう。主人公なくしてストーリーは成り立ちません。しかも、企業側のストーリーに寄りすぎると宣伝っぽさが濃くなってしまうため、消費者側のニーズを反映できる主人公を作りましょう。
次に、問題の特定と導き手の登場です。ユーザーのニーズを問題として登場させ、そのニーズに応えるには何をどうすれば良いのかを提案する導き手が必要となります。そこで、企業側が消費者側に提供するソリューションを伝えるのです。
続いて、回避したい失敗とそれに伴った計画設計を行います。消費者にとって「買う」という行為は意外とハードルが高く、特に金額が高ければ高いほど慎重になるのが普通です。
購入した結果「合わなかった」という結論が出るのが、いちばん回避したい失敗ですよね。試用期間を設ける、返品制度を充実させるなど、「買ったけれどダメだった」という事態を避けるための計画設計を行いましょう。
最後に成功するエンディングを用意します。実際に使ってみたら悩みが解決した、また使ってみたい、人に教えたいなどの感情を抱いてもらえるには、確実に良い製品を作らなければなりません。成功のエンディングを迎えるためには、相応の企業努力が必要なのです。
まとめ
今回は、ストーリーブランディングのメリットや効果、進め方のコツについて解説しました。たくさんの情報にあふれている現代だからこそ、消費者の心深くに訴えかけるストーリーが刺さります。ストリーブランディングを活用して、より顧客の心に寄り添った製品やサービスを届けましょう。