中小企業がSEOに注力すべき2つの理由
今や事業規模に関係なく、ウェブサイトによる集客が重視されています。中小企業もウェブサイトを活用して、効率的にターゲットユーザーへアプローチすることが重要です。
ただし、ウェブサイトを運営するだけでは効果的な集客はできません。SEOでウェブサイトやウェブページの検索順位を上げ、集客力を向上させる必要があります。
中小企業が集客手法として、SEOに注力すべき理由は、次の2つです。
理由1.ゼロから自社やサービスの認知拡大ができる
立ち上げて間もない事業部や、BtoB取引に特化している企業などは、知名度が高くない傾向にあります。ウェブサイトでSEOに注力すれば幅広い層へ認知拡大でき、ターゲットユーザーを広げられます。
自社サイトが検索結果の1ページ目に表示されれば、ユーザーの流入率(集客率)は各段にアップするでしょう。仮にウェブサイトへの流入まで漕ぎつけなかったとしても、検索結果でユーザーの目に触れれば、自社商品や社名などの認知拡大につながります。
SEOとは、検索エンジンで自社サイトのページが検索順位の上位に表示されるようにする施策のことです。
理由2.予算を抑えて売上アップや顧客の獲得が狙える
中小企業が集客を行う上でネックとなりやすいのが、予算の問題です。広告ではキャンペーンの規模によっては、かけられる予算も限られます。
SEOには、自社で内製化すればコストを抑えられる施策も複数あります。無料ツールを使用したり社内の担当者にコンテンツ作成を任せたりと、工夫次第で予算を抑えつつウェブサイトの検索上位を目指せます。
オンラインでの集客はインターネット広告を打ち出す方法もありますが、やり方を間違えると莫大なコストが生じかねません。SEO施策なら、予算が極端に跳ね上がるリスクもなく、認知拡大および売上アップや顧客の獲得を狙えます。
【大手に勝つ】中小企業がSEOを成功させる3つのポイント
認知度の低い中小企業が、誰もが知っている大企業と同じ手法をとっても、競争力で負けてしまうためです。大手よりも認知度が低い中小企業がSEOを成功させるためには、次の4つのポイントが重要です。
ポイント1.自社の商品・サービスの強みを棚卸する
まず行うべきことは、自社の商品・サービスの強みを明確化することです。競合になくて自社商品やサービスにある魅力は何か、どのようなユーザーに好まれているか、強みを棚卸しましょう。自社商品の強みを探る方法は、下記のとおり複数あげられます。
・ユーザーの来店・購入動機
・ユーザーが自社商品を知ったきっかけ
・アクセスが多い検索キーワード
ポイントは、自社の強み(全面的に押し出したい)が、必ずしもユーザーから認識されているとは限らないことです。
ウェブサイトを立ち上げて間もない中小企業の場合、商品の知名度は0といっても過言ではありません。ユーザー目線で客観的に探ることが重要です。
もちろん、自社がアピールしたい強みを棚卸しておくことも、コンテンツ作成の方向性を決めるうえで必要な作業です。とはいえ、SEOを成功させるためには、ユーザー側から見た自社の強みを理解して、競合との差別化を進めることも重視しましょう。
ポイント2.ユーザーが専門性が高いと分かるサイトにする
SEOにおいて、コンテンツで重要なのは量ではなく質です。オリジナリティがあり、正確で最新の情報が掲載されているウェブサイトは、ユーザーからも「このサイトなら最新情報が見つかる」とリピート訪問してくれます。
ユーザーから高い信頼を集めるには、専門性の高さを証明するサイト作りが欠かせません。ウェブサイトの専門性をアピールする主な方法は、次のとおりです。
・執筆者・監修者が専門家であることを明記する
・運営者情報(企業名など)を明記する
・実績や評判を証明する内容を盛り込む
・ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを作る
クリニックや健康系サイトなどを見ると、執筆者や監修者として医療従事者の名が記載されています。専門家がコンテンツ作成に関わっていることを明記すると、掲載している情報の信憑性が高まり、ユーザーからの信頼につながります。
企業名や資本金、設立時期など運営者情報の明記も重要です。商品・サービスに関する過去の実績や評判も分かると、より説得力が増します。評判は、ユーザーへのインタビュー記事や口コミ情報などを活用しましょう。
ユーザーの検索意図を考慮したコンテンツ作りも専門性のアピールにつながります。
集客したいターゲットユーザーがどのような検索意図をもっているか分析したうえで、適切な内容のコンテンツを作成することが、ウェブサイトの専門性を高めることとなります。
ポイント3.信頼できるサイトから被リンクを受ける
信頼できる他ウェブサイトからの被リンクを可能な限り増やすことも、重要な施策のひとつです。被リンクとは、他のウェブサイトから自社サイトへのリンクを張ってもらうことを指します。
Googleが公表しているウェブサイトを評価する指標として、ガイドラインでアナウンスしているのが「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の4つの要素です。
その中の(権威性:Authoritativeness)は、信頼できるサイトから被リンクを得ることで向上できます。
Googleのガイドラインを参考にすると、検索順位の上位に表示されるウェブサイトは、E-E-A-Tのスコアが総合的に高いことが分かります。しかし、E-E-A-Tの具体的な評価基準やスコアは、開示されていません。
一方で、他のウェブサイトからリンクを張られているコンテンツやウェブサイトは質が良いという考え方をもっており、高品質な被リンクは評価に良い影響が期待できます。
注意すべきポイントは、安易に被リンクを増やさないことです。
信頼できるウェブサイトからの被リンクでなければ、SEOとしての効果は発揮されません。場合によっては低品質なリンクの影響で悪質なスパムと判断され、ペナルティを受けるおそれもあります。
ポイント4.口コミや導入インタビューを集める仕組みを作る
自社の認知拡大やコンバージョンの後押しとなるのが、口コミや導入インタビューです。自社サイト内にインタビューページを作成する他、外部サイトでも口コミが集まるような仕組みを作りましょう。
Googleマップやランキングサイト、ポータルサイトなどに口コミを掲載してもらう他、SNSの活用も効果的です。社名や商品名、サービス名が多く取り上げられると、サイテーションによるSEO効果が期待できます。
サイテーションとはリンクは張られていないものの、社名や商品名、サービス名などが言及されている状態のことです。SNSを活用してファンを増やしたり、インフルエンサーとのコラボ企画を立ち上げたりと、サイテーションや口コミを集められる仕組み作りもおすすめです。
今すぐ無料で取り組めるSEO施策5選
SEOの重要性を理解していても、積極的に取り組めるような資金的余裕はないと悩んでいる方は、無料で取り組める施策から試してはいかがでしょうか。
ここからは、無料ですぐに取り組めるSEO施策5つを紹介します。
施策1.titleタグや見出しタグにキーワードを含める
SEOの観点からすると、title(タイトル)タグと見出しタグには可能な限り、狙ったキーワードを盛り込む必要があります。デバイスごとに検索結果で表示されるタイトルの文字数は異なるため、重要なキーワードは前半部分へ入れるのがおすすめです。
titleタグと見出しタグの違いは、表示される場所です。titleタグはウェブページごとのタイトルとして、検索結果に表示されます。一方の見出しタグは記事の上部や本文に表示されるテキストのことで、各段落にどのような内容が記載されているのかをユーザーに伝えるためのものです。
キーワードが含まれていない場合は、ユーザーの興味を引きにくく、検索エンジンからも「関連性が低いコンテンツ」と判断され、順位が上がらないおそれがあります。
また、見出しタグの中にキーワードを含めると、ユーザーと検索エンジンをサポートします。
キーワードが含まれていれば、どの位置にどのような内容が書かれているのか分かりやすく、ユーザーの利便性向上につながるためです。
ただし、不自然にキーワードを含めるのは避けましょう。あくまで可能な範囲でキーワードを盛り込み、ユーザーが理解しやすい見出しをつけることが重要です。
施策2.ウェブサイトの状況を把握できる無料ツールの導入
ウェブサイト全体の質を高めたり、集客状況を正しく把握するためには、ツールを活用した分析が不可欠です。SEO会社が使用しているような、有料ツールを導入する必要はありません。無料ツールでも最低限の分析はできます。
代表的な無料ツールとしてあげられるのが、GoogleのSearch Consoleです。無料でウェブサイトの検索順位や各ページの状況などを分析できます。
Search Console以外では、Google Analyticsもユーザー動向を分析するのに便利な無料ツールです。ウェブ広告を出稿している場合は、キャンペーンのコンバージョンも分析できます。
他にも人気の無料ツールは多数リリースされています。自社や担当者に合ったツールを活用してください。
施策3.Googleビジネスプロフィールに登録する
地域ユーザーへのアプローチも視野に入れているのであれば、Googleビジネスプロフィール(旧: Google マイビジネス)への登録もおすすめです。
予約システムとの連携ができるほか、住所、電話番号、営業時間、事業内容、最新のキャンペーン情報、画像などを掲載可能です。無料で何度でも更新できるため、イベント情報のPRにも活用できます。
また、ユーザーからの口コミ情報も掲載されます。リアルな声を収集でき、商品開発や課題の洗い出し・改善に利用したり、コメントを返信して企業イメージ向上を狙ったりできるのが魅力です。
BtoB取引がメインの企業でも、Googleビジネスプロフィールは利用できます。近隣地域の潜在顧客にアピールできたり、取引先から口コミを得られたりするため、まずは登録してみてはいかがでしょうか。
無料で会社や店舗の情報を掲載できるサービスのことです。検索結果はもちろん、Googleマップにも登録内容が表示できます。
施策4.自社に関係する協会や団体に登録する
業界が組織した協会や団体は、積極的に登録することをおすすめします。協会や団体とは、事業の発展やサービスの普及、関係者の安全意識向上などを目的に立ち上げられた組織のことです。
たとえば、複数のリノベーション事業者が立ち上げた『一般社団法人リノベーション協議会』も、品質基準を定めることで優良な施工サービスへの理解や普及を目指しています。
自社に関係する協会や団体へ登録するメリットは、下記のとおり複数あげられます。
・認知拡大に役立つ
・集客力アップが期待できる
・権威性の高い被リンクを獲得できる
協会や団体に登録すると、同業他社やユーザーに対する認知拡大が見込めます。これまでリーチできていなかったユーザーに対して、協会や団体のホームページに掲載された自社の会員情報でアプローチできます。
協会・団体の会員情報ページは各社のウェブサイトにリンクが張られていることが多く、ユーザーの流入や被リンク獲得にもつながります。
中には政府機関から登録や認可されている協会・団体もあり、ウェブサイトには高い権威性がある点もメリットのひとつです。会員登録するだけで、権威性が高いウェブサイトからの被リンクを1件獲得できます。
施策5.他ウェブサイトに名前が出る際はリンクを貰う
SEO施策のひとつに、被リンクを増やすことがあげられます。特に公的機関や大企業のオウンドメディアなど、権威性が高いウェブサイトからの被リンクは、検索順位の上昇や自社サイトのドメインパワーを高めます。
被リンクを積極的に獲得するためには、リンク営業が効果的です。関連性の高いウェブサイトに営業メールを送る方法もあります。確実に被リンクを獲得するなら、自社サイトや商品・サービスの名前を出してくれたウェブサイトに依頼するのがおすすめです。
他ウェブサイトに名前が出るケースは、たとえば以下の状況があげられます。
・商品・サービスに関するレビュー
・他社商品・サービスとの比較
・自社サイトに掲載している情報の引用
自社サイトで掲載した情報を引用しているウェブサイトがあれば、引用元としてリンクを張ってもらうチャンスです。あらかじめ自社サイトに引用時は自社サイトへのリンクを張ってほしいと条件を提示しておくのもおすすめです。
権威性が高いウェブサイトから積極的にリンクをもらい、自社サイトのドメインパワー強化に活用しましょう。
まとめ
中小企業は、プロモーションにかけられる人員数やコストが限られています。一方で、時代に合った集客方法を取り入れなくてはなりません。
ウェブサイトは、パソコンやスマートフォンでの情報収集が主流となった現代において、不可欠です。中小企業でもSEO施策を行うことで、コストを最小限に抑えつつ効果的な集客ができるようになります。
未知株式会社では、「これからウェブサイトを作りたいが何をすれば良いか分からない」「自社サイトはあるがSEOのやり方が分からない」とお悩みの方へ、目的に合ったサポートを提供します。ターゲット像にマッチしたコンテンツ作りも行っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。