目次
ウェブページの表示速度はSEOに影響
ウェブページの表示速度が速いサイトはSEOに影響を与えています。Googleは以下のようにウェブページの表示速度の速さがランキング要素に関係すると述べています。
検索ユーザーはできるだけ早く質問に対する答えを見つけたいと考えています。研究によると、ユーザーはページの読み込み速度を非常に気にかけています。読み込み速度これまでもランキング シグナルとして使用されていましたが、デスクトップ検索を対象としていました。そこで 2018 年 7 月より、ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用することになりました。
またサイトの表示速度はユーザーのUX(ユーザーエクスペリエンス)に直結します。Googleはユーザー体験を重要視している傾向があります。表示速度が遅いと、ユーザーはページの閲覧までに時間がかかり、ストレスを感じてサイトを離れてしまうおそれがあるため、表示速度が極端に低下しているサイトは検索上位に位置することは難しくなるでしょう。
さらに、Googleは2020年に新しく「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」という指標を発表し、これを検索ランキングの決定要素のひとつとしています。
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)は、ウェブページのユーザーエクスペリエンスを評価するための主要な指標のことです。これらの指標は、Googleがウェブサイトのパフォーマンスを評価し、検索順位に影響を与える要素として重要視しています。具体的な指標は以下の通りです。
LCP(Largest Contentful Paint ) | ・画像や動画など、ウェブページで最も大きいコンテンツの表示にかかる時間のこと ・Googleは読み込みから2.5秒以内の表示を推奨している |
INP(Interaction to Next Paint) | ・クリックやタップなど、ユーザーのアクションに対するウェブページの応答速度 ・数値が200ミリ秒以下だと良好とされる |
CLS(Cumulative Layout Shift) | ・サイトのレイアウトに関する視覚的な安定性のこと ・理想のスコアは0.1未満 |
このように新しい評価指標が作られるほど、ユーザーへの満足度は重視されています。そのため、検索結果で上位表示を目指すならページの表示速度を速くし、ユーザビリティを上げることが必要なのです。
ウェブページの表示速度はCVRにも関係する
ウェブページの表示速度が遅いと、ユーザーは使いにくさを感じ、サイトから離れる可能性が高くなります。その結果、離脱率が上がり、コンバージョン率(CVR)が低下するリスクがあります。
アメリカの大手ネットワーク事業者Akamaiが公表した調査結果では、モバイル機器使用の場合、ページの表示速度が1秒遅くなると、CVRが20.5%低下するといわれています。
企業成長を左右するため、ページの表示速度を改善することは重要だといえるでしょう。
出典:2017年春 オンラインリテールの現状-パフォーマンス|Akamai
ウェブページの表示速度をチェックできるおすすめツール2選
ウェブページの表示速度を簡単にチェックできる、おすすめの無料ツールを2つご紹介します。
・PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)
・Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
順番にみていきましょう。
PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)
PageSpeed Insightsは、Googleが提供している無料の計測ツールです。PCとモバイル両方の分析結果を、一度で表示できます。
改善方法も提案してくれるため、提示された箇所を修正すればサイトのパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
サイトパフォーマンスのチェック方法は以下のとおりです。
1.PageSpeed Insightsにログイン後、検索窓にチェックしたいサイトのURLを入力する 2.入力したら、右側の青い「分析」ボタンをクリックする 3.サイトの表示速度に関する測定結果と改善案が表示される |
一番低い赤の項目から、優先的に改善していくといいでしょう。
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
Google Search ConsoleもGoogleが提供している、無料のツールです。
ページの読み込み速度のチェック以外にも、ページの平均掲載順位や表示回数も調べることができます。
サイトの管理や改善に役立つ機能が豊富に用意されているので、まだ使用していない方は登録しておくことをおすすめします。
表示速度の確認方法は以下のとおりです。
1.Googleサーチコンソールにログインする 2.「ウェブに関する主な指標」をクリックする |
問題のあるURLは「レポートを開く」をクリックすると、詳細を確認できるので適宜修正していくといいでしょう。
ウェブページの表示速度を改善する方法5つ
ウェブページの表示速度を改善する方法を、5つご紹介します。
・画像ファイルの最適化
・ブラウザキャッシュの利用
・不要なプラグインを削除する
・ソースコードを軽量化する
・AMPを取り入れる
順番に確認しましょう。
画像ファイルの最適化
画像や動画のサイズが大きいと、ページの読み込みが遅くなります。
ファイル形式や画像の大きさによっても容量は変わってくるので、自社のサイトに合った形に最適化することでページの表示速度も速くなるでしょう。
画像ファイルの種類は以下のようなものがあります。
ファイル形式 | 特徴 | 用途 |
JPEG | ・1677万色まで表現できる ・一度画像を圧縮すると元に戻せない |
色数が多い写真のような画像に適している |
PNG | ・1677万色まで表現できる ・透過処理も可能で、画像の再圧縮もできるがファイルサイズは少し大きめ |
画像の背景を透過処理したいときに向いている |
GIF | 色数は256色と少ないが、パラパラマンガのようなアニメーションが作れる | ロゴやアイコン、イラストなどの画像におすすめ |
Googleでは、1ページのファイル容量を1,600KB以下にするように推奨しています。画像を圧縮できるツールを3つ紹介しますので、画像のサイズが大きい場合はぜひ活用してみてください。
特徴 | 高度な画像圧縮ツールで、画像の品質を最大限に保ちながらファイルサイズを大幅に削減します。 |
対応範囲 | JPEG、PNG、GIF、SVG |
特徴 | 高度な画像圧縮ツールで、画像の品質を最大限に保ちながらファイルサイズを大幅に削減します。 |
対応範囲 | JPEG、PNG、GIF、SVG |
特徴 | 高度な画像圧縮ツールで、画像の品質を最大限に保ちながらファイルサイズを大幅に削減します。 |
対応範囲 | JPEG、PNG、GIF、SVG |
出典:膨大なネットワーク ペイロードを避ける|Chrome for Developers
また、WebP(ウェッピー)という画像ファイル形式への変換も有効です。WebPは、2010年にGoogleが開発・発表した画像ファイル形式で、拡張子は「.webp」です。従来のJPEGやPNGよりも、画像の劣化を最小限に抑えながらサイズを軽量化できる特徴があります。
不要なプラグインを削除する
CMSを使用しているサイトでは、不要なプラグインがサイトのパフォーマンスを下げている場合があります。CMS(Contents Management System)とは、専門知識がなくてもウェブサイトを簡単に作成・管理できるシステムです。
プラグインは、サイトをカスタマイズするための拡張機能であり、簡単に導入できますが、内部では複雑なプログラミング言語が使用されています。使っていないプラグインを放置すると、無駄なソースコードが増え、サイトの処理に時間がかかるようになります。
そのため、機能が重複しているプラグインや、使っていないプラグインを停止することで、サイトの表示速度が向上します。停止したプラグインを更新する手間を避けるためにも、使わないプラグインは思い切って削除することをおすすめします。
プラグインを削除する際は、表示や機能に不具合が出た場合に備えて、あらかじめデータのバックアップを取っておきましょう。
ソースコードを軽量化する
サイトのソースコード(HTML、JavaScript、CSSなど、ウェブサイトの構築に使われるプログラミング言語で書かれたテキストファイル)に使っていないコードや無駄な改行があると、ページの読み込み時間に影響が出ます。無駄なソースコードを削除することで、ページの表示速度を向上させることができます。
ソースコードの軽量化や改善には、ラッコツールズがおすすめです。効率的にソースコードを軽量化し、サイトの表示速度を速くすることができます。
AMPを取り入れる
AMP(Accelerated Mobile Pages)は、モバイルデバイスでWebコンテンツを高速表示するためのフレームワークです。AMPを導入すると、モバイルでのページ表示速度が向上します。Googleによると、AMPの導入によりページ表示速度が最大で4倍に向上することがあります。
まとめ
ウェブページの表示速度は、SEOに影響する要素のひとつです。ページの表示速度は、この記事で紹介した無料の計測ツールを使えば簡単にチェックができます。
サイトのCVRにも関係するため、できるだけ高いパフォーマンスを維持したいところですが、表示速度の改善は手間がかかります。
なかにはプログラミングの知識が必要な方法もあるので、自社で対応が難しい場合は外注を検討するといいでしょう。