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滞在時間がSEOに与える影響
自社のウェブサイトを運営するうえで、滞在時間の指標がすべてではありません。ただし、滞在時間が長ければ、ユーザーがウェブサイトやページをじっくりと閲覧しており、関心度が高いと判断ができます。
SEOにおいては、サイト内のユーザー行動が重要とされていることから、滞在時間を重要視している方も少なくありません。
2016年にGoogle Webmaster セントラルにて滞在時間について言及がありました。そこではGoogleに勤める、ジョンミュラー氏から滞在時間を含めるユーザー行動のデータは、アルゴリズムの評価に用いられていますが、検索結果に影響を与えることはない、という旨を公表しています。
とはいえ上記の発表は2016年ということもあり、2024年現在では変化がある可能性も考えられます。SEOではユーザーに有益なコンテンツを提供することが最も重要であり、滞在時間の長いウェブサイトはユーザーのニーズを満たしているといえるでしょう。
そのため、いつ評価項目に追加されても困らないよう、滞在時間の数値が悪い場合は改善することを視野に入れましょう。
ウェブサイトがユーザーのニーズを満たしているかどうかは、以下のようなユーザー行動指標から分析できます。
ユーザー行動指標 | 説明 |
ページ/セッション | 1セッション当たりにユーザーが閲覧するページ数。高いほどユーザーがウェブサイトに興味を持っていることを示す |
平均セッション時間 | ユーザーがウェブサイトに滞在する平均時間。長いほどコンテンツがユーザーにとって有益である可能性が高い |
直帰率 | ユーザーが最初のページを見て離れる割合。高い場合はユーザーが期待していた情報と一致していない可能性がある |
Googleアナリティクスで滞在時間を調べる方法
Googleアナリティクスでは、滞在時間に関する以下の指標を調査できます。
・平均セッション時間
・平均ページ滞在時間
・平均エンゲージメント時間(GA4)
それぞれの調べ方や指標の意味について、詳しく解説します。
平均セッション時間の調べ方
平均セッション時間は以下の手順で確認できます。
1.「ユーザー」セクションを開く 2.「概要」レポートを開く |
平均セッション時間は、ユーザーのウェブサイト滞在時間の平均値です。
全ユーザーの総滞在時間÷セッション数で算出され、ユーザーがどれだけウェブサイトに関心を持っているかを示します。
例えば、平均セッション時間が極端に短い場合は、ユーザーが必要な情報を見つけられずにすぐに離脱している可能性があります。
平均ページ滞在時間の調べ方
平均ページ滞在時間は以下の手順で確認できます。
1.「行動」セクションを開く 2.「サイトコンテンツ」メニューを開く 3.「すべてのページ」レポートを開く |
平均ページ滞在時間は、各ページにおけるユーザー滞在時間の平均値です。
全ページの総滞在時間÷総閲覧ページ数で算出され、ユーザーが1つのページにどれくらい集中して閲覧しているかを示します。
例えば、平均ページ滞在時間が長い場合、ウェブサイトのコンテンツがユーザーにとって有益である可能性が高いです。
逆に平均ページ滞在時間が短い場合は、コンテンツの内容が不十分で、ユーザーの期待に応えられていない可能性があります。
平均エンゲージメント時間(GA4)の調べ方
平均エンゲージメント時間は以下の手順で確認できます。
1.Googleアナリティクス4(GA4)の「エンゲージメント」セクションを開く 2.「概要」レポートを開く |
平均エンゲージメント時間は、ユーザーがウェブサイト操作(スクロールやクリック、フォームの入力など)をしている時間の平均値です。
GA4から登場した新しい指標で、平均セッション時間とは異なり、ユーザーがアクティブにウェブサイトを操作している時間のみを計測します。
例えば、ユーザーがページを開いたまま放置した場合、その時間はエンゲージメント時間としてカウントされません。
そのため、平均エンゲージメント時間ではユーザーのコンテンツに対する関心度をより正確に把握できます。
滞在時間の平均はコンテンツの種類によって異なる
ウェブサイトの滞在時間は、コンテンツの種類によって大きく異なります。
基本的に、ユーザーは必要な情報を見つけて問題を解決した時点で離脱するためです。
例えば、辞書サイトでは数十秒で目的の単語を調べ終わることが多いです。一方で、動画配信サイトでは滞在時間が1時間以上になることも珍しくありません。
一般的なウェブサイトの滞在時間は、以下が目安となります。
ウェブサイトの種類 | 滞在時間の目安 |
文章が中心のウェブサイト | 1,000文字当たり2分 |
通販サイト | 訪問者:10分 購入者:30分 |
企業サイト | 5~10分 |
動画配信サイト | 30~90分 |
辞書サイト | 数十秒程度 |
上記の滞在時間はあくまで目安です。効果的な施策を見つけるためには、施策の前後で滞在時間の変化を分析することが大切です。
滞在時間を伸ばす方法
滞在時間を増やす方法は以下の5つです。
・ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツにする
・読みやすく理解しやすいコンテンツにする
・内部リンクを見直して回遊率を上げる
・ウェブサイトのユーザビリティを改善する
・ページの読み込み速度を改善する
それぞれ、詳しくみていきましょう。
ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツにする
ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを作成することで、ウェブサイトの滞在時間を効果的に伸ばせます。
ユーザーが求める情報を提供することで興味を引き、より長くサイトに滞在してもらえるからです。
具体的には、以下の手順でコンテンツを作成します。
1.キーワード調査でユーザーが検索するキーワードを特定する 2.競合分析やユーザーインタビューでキーワードの検索意図を把握する 3.タイトルや見出しにキーワードを含め、検索意図に沿ったコンテンツを作成する 4.コンテンツ公開後も分析と改善を続ける |
こうしてユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを提供することで、ユーザーの満足度を高め、サイトの滞在時間を伸ばせます。
読みやすく理解しやすいコンテンツにする
ウェブサイトの滞在時間を伸ばすには、読みやすく理解しやすいコンテンツ作りが重要です。
読みづらい、わかりにくいコンテンツはユーザーのストレスとなるため、離脱につながります。
コンテンツ作成の際は以下の点に注意しましょう。
・情報を整理し、論理的な流れになるように構成する ・難しい専門用語を避け、中学生でも理解できる言葉を使う ・誤字脱字のない正確な文章を心掛ける ・画像や動画などの視覚情報を活用する |
これらの点を意識することでユーザーの離脱が減り、結果的にウェブサイトの滞在時間が伸びることにつながります。
内部リンクを見直して回遊率を上げる
内部リンクを見直すことで、ユーザーをウェブサイト内のほかのページへ誘導し、滞在時間を伸ばせます。
内部リンクは、関連性の高いページへ設定することが重要です。ユーザーが興味をもつ内容にリンクを貼ることで、次のページも閲覧してもらえるようになります。
内部リンクを見直す際は、以下のポイントを意識しましょう。
・「こちらをクリック」ではなく、「〇〇の詳細を見る」という文言を使用する ・記事の途中や文末に自然な形で内部リンクを配置する ・関連する記事や商品ページへのリンクを設置する ・タグやカテゴリーページへのリンクを追加する |
これらのポイントを意識して内部リンクを見直すことで、サイト内の回遊率が上がり、結果として滞在時間が増えます。
ウェブサイトのユーザビリティを改善する
ユーザビリティを改善し、ユーザーが使いやすいウェブサイトにすることで、滞在時間を伸ばせます。
使いにくいウェブサイトはユーザーが情報を見つけづらいため、離脱につながります。
以下は具体的な改善策の例です。
・シンプルで分かりやすいデザインを採用する ・レスポンシブデザインでスマートフォンやタブレットに対応する ・分かりやすいメニューやカテゴリーを設定する ・検索機能を設置する ・ヒートマップツールを活用してユーザーの行動を分析する ・ユーザーから直接フィードバックを集める |
これらの施策を取り入れることで、ウェブサイトのユーザビリティが向上し、ユーザーの滞在時間が増えます。
ページの読み込み速度を改善する
ページの読み込み速度を改善することで、ユーザーの滞在時間を大幅に伸ばせます。
読み込み速度が遅いページは、ユーザーがページの表示を待たずに離れてしまう可能性が高いからです。
以下の方法で、ページの読み込み速度を改善しましょう。
・画像を圧縮する ・CSSやJavaScriptを圧縮する ・ブラウザキャッシュを活用する ・不要なプラグインを無効化する ・サーバーのレスポンスを改善する |
これらの対策を講じることで、ページの読み込み速度が向上し、ユーザーの滞在時間が増えます。
まとめ
滞在時間はSEOの直接的なランキング要因ではありませんが、ユーザーの満足度を示す重要な指標であることは間違いありません。
滞在時間を伸ばすにはユーザーのニーズに沿った、読みやすく使いやすいウェブサイトを作成することが大切です。
ユーザーの満足度を高めることで滞在時間が伸び、結果的に検索結果の順位向上につながります。