SSL化(https)がSEOに与える影響とは?SSL証明書の種類や注意点などわかりやすく解説

ウェブサイト運営において、検索上位への表示やユーザーの離脱率を抑えることは重要です。SEOに努めるものの、なかなか効果が出ず悩んでいる企業担当者は多いのではないでしょうか。 そこで、まずは自社ウェブサイトがSSL化しているか確認してみましょう。SEO対策において、ウェブサイトのSSL化は重要です。ウェブサイトのURLが「http」から始まっているのであれば、SSL化を進めていきましょう。 本記事ではSSL化とSEOの関係性や、SSL証明書の種類、SSL化後にすべきSEO対策などを解説します。この機会にSSL化について理解し、自社ウェブサイトのSEO対策にぜひご活用ください。

SSL化とは

SSL化とは、インターネット上のデータ通信を暗号化することです。ウェブサイトのセキュリティ強化を目的としています。なお、「SSL証明書」や「SSLサーバー証明書」を発行する、とも言い換えられます。

SSL化されているウェブサイトはURLの冒頭が「https」になっているため、見た目での判断が簡単です。一方でSSL化されていない場合は「http」と表示されています。

Googleが推奨するSSL化とSEOの関係性

SSL化とSEOは重要な関係をもっています。GoogleはウェブサイトがSSL化されているかどうかを重視しており、検索順位にも影響すると公表しているためです。

Google はランキング シグナルとして HTTPS を使用することにしました。現在のところは、ウェブマスターが HTTPS に切り替えるための移行期間として、このシグナルのウェイトを非常に小さく設定しています(グローバル クエリの 1% 未満にしか影響せず、高品質のコンテンツなど他のシグナルよりウェイトが小さい)。しかし、誰もがウェブを安全に利用できるよう、すべてのウェブサイトの所有者に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えているため、今後このウェイトは大きくする予定です。

引用:ランキング シグナルとしての HTTPS|Google検索セントラルブログ

SSL化をしたことで、劇的に順位が伸びることはありませんが、SSL化することで検索エンジンに表示されやすくなります。

これは、httpsのページが優先的にインデックス(データベースに含まれて検索されるようになること)に登録されやすくなることが関係しています。インデックスが早ければ、検索エンジンに表示されるのも早くなるのです。

一方、SSL化していないページには警告文が表示されるようになっています。ウェブページに警告文が出てしまい、ウイルス感染を招く危険なサイトではないかとユーザーが警戒し離脱につながりかねません。

目次へ

なぜSSL化が重要視される?

そもそもSSL化は、SEOが関係せずとも企業がウェブサイトを運営していく上で重要な役割を担っています。ここではSSL化の重要性について、主な2点を解説します。

セキュリティを強化するため

SSL化が重要視されるポイントは、SSL化によってウェブサイトのセキュリティを強化できる点にあります。万が一、第三者にデータを傍受されても、データが暗号化されており解読できないことで重大な被害を防げるためです。

以前はECサイトなど、クレジットカード情報の入力を必要とするようなサイトがSSL化していました。しかし、現在は多くのサイト運営者がセキュリティを考慮し、SSL証明書を導入しています。

データセキュリティへの意識が高まったことでSSL化がより重要視されるようになったといえるでしょう。

サイトの表示速度を速めるため

SSL化すると、通信プロトコル(通信機器が通信し合うためのルール)がHTTP/2に対応可能になります。そのため、サイト表示速度の向上を期待してSSL化が重要視されています。

以前は、SSL化すると表示速度が遅くなると考えられていました。通信プロトコルがHTTPより、HTTPSの方は表示速度が劣っていたためです。

しかし、次世代プロトコルであるHTTP/2の登場により、表示速度の向上が期待できるようになりました。HTTP/2はSSL化していないと対応できないため、SSL化が重要視されるようになったというわけです。

ウェブページの表示速度が遅いとユーザーが離脱しやすくもあるため、表示速度の高速化を狙ってSSL化を進めようと考える企業は増えています。

目次へ

SSL証明書の種類

GoogleがSSL化による高いセキュリティを重要視するため、SSL証明書を導入することはSEO効果につながります。

しかし、証明書を発行したいのが企業なのか個人なのか、どの程度のセキュリティを求めているのかで以下のどの証明書を取得できるのかは異なります。

・DV証明書(ドメイン認証)
・OV証明書(企業実在認証)
・EV証明書(拡張検証認証)

まずは自社が導入すべき証明書を知るために、証明書の種類を把握していきましょう。

DV証明書(ドメイン認証)

DV(Domain Validation)証明書は、申請者がインターネット上の住所であるドメインを所有している場合に発行される証明書です。

DV証明書では、データ通信の暗号化とドメインの所有証明ができます。

個人がSSL証明書を発行したい場合、発行できるのはDV証明書のみです。

OV証明書(企業実在認証)

OV(Organization Validation)証明書は、申請者がドメインを所有し、かつ企業が実在すると証明できた場合に発行される証明書です。

証明書を発行するには、第三者のデータベースに登録された企業情報と照合するなど、証明書発行時に企業が実在していることを証明する必要があります。

DV証明書より発行費用がかかりますが、より高い信頼を得られることが特長です。

EV証明書(拡張検証認証)

EV(Extended Validation)証明書は、SSL証明書のなかで最も信頼性の高い証明書です。

信頼性が高い分、証明書の発行には世界標準の認証ガイドラインにもとづいた厳しい審査が必要とされています。

また、EV認証されているとアドレスバーが緑に表示され見た目で分かりやすくなるため、閲覧者の信頼獲得にも有効です。

目次へ

SSL化のあとSEO対策のために実施すべきこと

SSL化は証明書を発行しただけではなく、以下のようにその後の対応まで完遂することが大切です。

・Google Search Consoleへの再登録
・301リダイレクト設定
・canonicalタグの設定

ここで紹介する内容はSEO対策のために必須なので、SSL化後は忘れずに実施するようにしましょう。

Google Search Consoleへの再登録

SSL化をしたら、Google Search Console(Google 検索結果でのサイトの掲載順位を監視、管理、改善するのに役立つ Google の無料サービス)でインデックス登録されているページ変更を行いましょう。

SSL化前のページが検索エンジンにインデックス登録されている場合、SSL化後のページがインデックス化されるよう変更する必要があります。これは、インデックス化されているページが検索結果に表示されるためです。

古いページのままインデックスされている、もしくは、両方ページがインデックスされていると、ページのアクセス数が分割されてしまいます。

適切なページにアクセスを絞るために、必ずGoogle Search Consoleへの再登録を行いましょう。

301リダイレクト設定

SSL化後は、SSL化前後でふたつのページに分かれてしまわないように、リダイレクト設定が必要です。

SSL化すると、URLが変更されるため「http」始まりのページと「https」始まりのページで、異なるふたつのページが存在してしまいます

そのままにしてしまうと、古いページのほうが検索エンジンに評価されたり、インデックス化されたりしてしまう可能性があり、SEOに悪影響です。

リダイレクト設定を行い、SSL化前のページから正しいページに辿り着けるようにしましょう。

canonicalタグの設定

canonicalタグを記述することで、URLの正規化を行うこともできます。

canonicalタグは、内容が重複する複数のページがある場合、評価してほしいページがどのページなのかを検索エンジンに伝えるためのタグのことです。ただし、正規化を確実に行えるわけではありません。

リダイレクト設定を行えば正規化はできるため、念のためにcanonicalタグも記述しておくと良いでしょう。記述方法は以下のとおりです。

 

canonicalタグは、HTMLでヘッダー内に記述して設定しましょう。

目次へ

SEOにおけるSSL化の注意点

常時SSL化に移行している際、一時的に検索順位が不安定になったり、検索トラフィックが下がったりする可能性がある点には注意が必要です。

これは、移行にともないhttpとhttpsの内容が重複する異なるページが存在してしまうためです。

一時的なものであるため、Google Search Consoleへの再登録やリダイレクト設定を行い、引き続き質の高いウェブサイトを制作すれば戻っていきます

短期的な不安要素はあるものの、セキュリティ強化およびGoogleが推奨しているため、SSL化は導入したほうが良いでしょう。

目次へ

まとめ

SSL化は、SEO観点においてもセキュリティ観点においても導入が推奨されています。とくに企業では個人情報や企業情報など、多くの秘匿データを扱うためデータ通信を暗号化すべきです。

Googleも推奨しており検索順位にも影響するため、今後もウェブサイトをSSL化する企業は増加が見込まれます。SSL化による一時的な弊害の可能性はありますが、しっかりと対策を行えば回避可能です。

まだSSL化されていないウェブサイトがあれば、ぜひこの機会にメリットの大きいSSL化を導入を進めていきましょう。