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ペルソナとは
マーケティングにおけるペルソナとは、商品やサービスのターゲットとなる顧客像を具体化したもの。年齢、性別、居住地、職業、趣味、休日の過ごし方など、実際に存在するかのように詳細を設定しているのが、ペルソナの特徴です。
家族構成や価値観などの他、企業によってはペルソナの名前や生い立ちも設定することがあります。
ペルソナの作り方
ペルソナの設定は、むやみやたらに要素を盛り込めば良いというものでもありません。きちんと顧客データやユーザーへのヒアリング内容をもとに、浮き彫りとなった価値観などを反映することがポイントです。
ペルソナの作り方を大まかな流れにまとめると、次のとおりです。
1.大枠のターゲット層を決定する
2.ターゲット層をベースにリサーチする
3.リサーチ結果をグループ化する
4.グループ化した情報を1人の人物像に落とし込む
5.消費行動に影響を与えそうな行動を中心に項目を設定する
まず「20代女性」「30代男性」など大まかな枠組みでターゲット層を決定します。
商品やサービスを売りたい層を定めた後は、実際のユーザーがどのような思考や行動をとっているのか、SNSやアンケートなどでリサーチします。
リサーチで得た情報をグループ化させ、1人の人物像に落とし込めばペルソナの大枠の完成です。最後に名前や年齢など項目を設定していき、イメージをより具体的に固めましょう。
項目を設定するときは、商品やサービスの消費行動との関連性も重視することが大切です。
ペット業界の企業であれば、一般的な名前や年齢、価値観の他にペットに関する項目も加えましょう。
ペルソナが飼育しているペットの種類や年齢、どこで出会ったか(ペットショップ、保健所など)、その動物を好きになったきっかけ、などがあげられます。
ペルソナとターゲットの違いとは
ペルソナと混同されやすいのが、ターゲットです。アプローチする相手を絞り込む点は同じですが、ペルソナとターゲットでは絞り込む顧客像の深度が異なります。
商品やサービスのアプローチ方法を検討するとき、多くの企業ではどのような層に向けて施策を実施するか考えます。
たとえば年齢、性別、住んでいる地域など大まかなグループに分けた顧客層は、ターゲットと呼びます。
目的によってはターゲットでも十分な成果を得られることがありますが、アプローチ効果を高めるためにはペルソナによるユーザーの細分化が欠かせません。
ペルソナがSEOで重要な理由とは
ペルソナはインターネット以外の場でもマーケティングに役立てられています。加えて、SEOにおいてもペルソナは重要な存在です。
ペルソナ設定がSEOで重要とされる主な理由は、2つあります。
理由1.ユーザーニーズを探ることが重要だから
SEOは単純に情報の網羅性を高めれば良いものではなく、いかにユーザーニーズに寄り添ったコンテンツを作成できるかが重要です。ユーザーが求める情報を探り、コンテンツに落とし込むためには、ペルソナの存在が欠かせません。
たとえば前述のペット業界の場合、ペルソナが小型犬と大型犬のどちらを飼育している設定なのかで作成すべきコンテンツは異なります。
犬を飼育しているユーザー層全体をターゲットにコンテンツの作成をしても、小型犬のオーナーに大型犬向けの商品が売れる確率は低いでしょう。
ペルソナは、コンテンツの精度を高める基準のひとつです。あらかじめ細部が設定されていれば、コンテンツは「小型犬のオーナー」向けなど、ペルソナで絞り込んだユーザー層のニーズに寄り添った内容となります。
理由2.ユーザーの検索行動を考える上で重要だから
ユーザーの検索行動をイメージするときも、ペルソナが役立ちます。仮に20代一人暮らしの女性で、小型犬のオーナーAさんをペルソナに設定した場合、次のようにイメージできます。
・小型犬向けの健康志向のフードに興味があるかも
・小型犬の診療に強い動物病院を知りたいはず
・小型犬向けのしつけ教室を探しているかも
・小型犬に優しいペットホテルを探しているはず
Aさんの場合、検索キーワードは「ペットホテル、〇〇(地名)、小型犬」など、高確率で小型犬のキーワードがプラスされると推測できます。
コンテンツそのものをどんなに高品質にしても、狙ったユーザーが検索するキーワードを含んでいなければ、高い集客効果は期待できません。
ペルソナをあらかじめ設定して、「この人ならどのような検索をするだろうか」と想定することで、よりユーザー目線に近いキーワード選定やコンテンツ作成につながります。
BtoB/BtoCでの設計のポイント
ペルソナを作成するときのポイントは、商品やサービスを売る相手がビジネス層か個人かで分けることです。
BtoBとBtoCで営業のアプローチ方法が異なるように、SEOにおけるペルソナ設定も分ける必要があります。BtoB/BtoC、それぞれのペルソナ作成におけるポイントを紹介します。
BtoBでの設計のポイント
BtoBビジネス最大の特徴は、購入を決めるまでのプロセスが複数存在することです。担当者が購入したいと思っても、上長が否と判断すれば、実際の売上にはつながりません。
そこでBtoBのペルソナは、担当者本人だけではなく会社についても調査し、設計内容に反映させます。
まず担当者本人の名前、性別、年齢、勤続年数、職種、部署、役職、決裁権の有無、年収などをペルソナに落とし込みます。次に会社の業界・業種、社員数、業績、決裁プロセス、BtoB/BtoCかなども加えましょう。
会社も含めてペルソナを設計することで、効果的なアプローチ方法が絞り込みやすくなります。
BtoCでの設計のポイント
BtoCでのペルソナ設計時のポイントは、パーソナルな部分まで考えることです。
「都内在住の20代の女性」だけでは、大まかなターゲット設定と大差ありません。ニーズを細分化してコンテンツに活かすためには、ペルソナも細かく考えることが重要です。
家族構成や休日の過ごし方、趣味、将来の夢など、一見すると商品やサービスとは関係ないような部分も細かく考えましょう。
たとえば、隣市に両親と年の離れた弟が住んでいるペルソナの場合、休日には毎週帰省しているかもしれません。
人となりを細かく設計することで、手土産など日常的な行動からニーズが推測できます。
まとめ
ウェブサイトの集客力を高める方法のひとつが、SEOです。ただし多くの競合がひしめくインターネットでは、一般的なニーズやイメージのみに注目したコンテンツ作成では、思うような効果は得られません。
ユーザーニーズをより細かく分析し、求められる情報をコンテンツに落とし込むためには、ペルソナ設定が重要です。ペルソナを介してユーザーのニーズや検索行動を理解することで、商品やサービスを売りたい相手にピンポイントで訴求できるようになります。