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SEO対策に意味がないといわれる理由
SEOとは、Search Engine Optimizationの頭文字を取った略語で、検索エンジン最適化を意味します。ユーザーが求める価値あるコンテンツを提供し、検索結果からの流入を増大させるための施策です。
しかし、SEO対策は「意味がない」と誤解されている側面があります。その理由は以下の3つです。
・効果に結びつくのに時間がかかるから ・Googleのアルゴリズムアップデートで検索順位が変わるから ・アクセス数が増えても成約に至らないから |
成果に結びつくのに時間がかかるから
大前提としてSEO施策は、中長期に及ぶ施策になります。例えば、ウェブ記事を配信するオウンドメディアを運用する場合、まずは検索順位を上げて、流入を増やしていくことが重要です。
そこから流入数を最大化したり問い合わせに繋がったり、と実感するまでには多くの時間がかかります。
新規ウェブサイト立ち上げの場合でも1年、既存のウェブサイトでも3〜6ヶ月程度かかるといわれています。弊社、未知株式会社の取り組み事例でもオウンドメディアを通して購買に至るのは、3ヶ月以降がほとんどです。
必ずSEO対策に取り組む場合は、中長期になることを念頭に置いておく必要があります。
検索順位が不安定だから
検索エンジン(例:Google)はユーザーの求めるウェブサイトを表示するために、検索アルゴリズムを変更し続けています。そのため、SEO対策が功を成して一度検索順位が上がっても、アルゴリズムアップデートで変動する可能性があります。
例えば、2023年11月に実施されたコアアルゴリズムアップデートでは、医療・健康ジャンルやIT系、財務や金融ジャンルにて順位変動がおきました。
掲載ジャンルによってもアルゴリズムアップデートが影響の大小は異なります。日常的に検索順位を確認し、分析・改善を行える体制が必要です。
アクセス数が増えても成約に至らないから
アクセス数が増えても成約に至らない場合、「アクセスされても読まれていない」「成約までの導線を引けていない」などのパターンが考えられます。
コンテンツを一目見たときに「欲しい情報がない」と判断されたり、コンテンツが見づらかったりすると、ユーザーはすぐに引き返してしまいます。そのため、まずは最後まで目を通してもらえる高品質なコンテンツ作りが重要です。
ただし最後まで目を通してもらえれば、成約に至るわけではありません。ユーザーに有益な情報を提供するだけでなく、内部リンクやCTAを設置しサービスを利用・購入してもらうための導線を作りましょう。
意味がなくなったSEO対策5選
SEO対策は、意味がないわけではありません。実際にSEO対策を通して成果を得られる事例も多く、地道に試行錯誤を繰り返すことで効果を感じられるでしょう。
とはいえ、先述した通り検索エンジンはアップデートを繰り返しており、検索ユーザーのためになるコンテンツが上位表示する傾向にあります。
そのため、過去有効だったが今では意味がなくなっている対策も存在しているのです。ここでは、現在では意味がないと考えられる主な対策を5つご紹介します。
長文のコンテンツ
何万文字を超えるコンテンツは、検索上位に表示されやすいと考えられていました。上位表示のコンテンツは文字数が多い傾向はありますが、文字数とGoogleアルゴリズムに関連性はないと言えます。
単純な文字数は評価の対象にはならず、あくまでユーザーにとって信頼できるコンテンツなのかが重要です。読み手にフィットするコンテンツを追求した結果として、文字数が多くなることはあっても、必ずしも長文がユーザーのためになるとは限りません。
SEO対策を考えてコンテンツを制作する際は、文字数ではなくユーザー目線の読みやすさを意識しましょう。その結果、文字数が少なくても問題はありません。
低品質コンテンツの量産
さまざまなキーワードからアクセス増加を狙うためにコンテンツを量産しても、低品質であれば意味がありません。同じような内容のコンテンツが増えるだけの状態も避けるべきです。
近年では生成AIの登場により、短時間で大量のコンテンツを作成できるようになりました。しかし、生成AIを利用して戦略なくコンテンツを量産しても、ユーザーが求めるものでなければ目に留まりません。
コンテンツ制作の際は量産に目を奪われないようにしましょう。ユーザーファーストを意識した高品質なコンテンツ作りが重要です。
自作自演の被リンク戦略
被リンク(外部から貼られるリンク)を貼られると外部からの流入が見込めたり、自社のコンテンツが外部からどの程度評価されているかを示せたりします。そのため、SEO対策を行う上で被リンクは重要な要素のひとつです。
しかし、自作自演の被リンクは、Googleからペナルティを課せられる場合があるためすべきではありません。例えば、以下のような被リンクは、自作自演だと評価される恐れがあります。
・同じサーバーIPアドレスから大量の被リンク ・関連性が低いサイトからの被リンク ・短期間で大量に獲得した被リンク |
不必要なキーワードの詰め込み
タイトルや見出し、本文に対策キーワードを必要以上に詰め込むのは、SEO対策として意味がないと言えるでしょう。キーワードを過剰に詰め込み不自然で読みづらいコンテンツになると、離脱率が高まるおそれがあります。
キーワードの出現率が少なくても、コンテンツ内容がユーザーの求めるニーズに合っていれば、SEOの効果は見込めます。キーワードは適度に盛り込み、自然な文章の流れを意識してコンテンツを作るよう心がけましょう。
metaキーワードの設定
metaキーワードとは、サイトのHTML内に記述するキーワードです。metaキーワードの設定はSEO対策として意味がありましたが、現在はSEOの効果は得られなくなりました。理由には以下が挙げられます。
・metaキーワードがなくても検索エンジンがページ情報を読み取れるようになったため ・関係のないmetaキーワードを設定するなどの悪用を防ぐため |
metaキーワードを悪用しなければデメリットにはなりませんが、SEO対策のために記述する必要性は特にありません。
意味のあるSEO対策にするためのポイント
意味のあるSEO対策にするためのポイントを解説します。適切にSEO対策をすれば、アクセス数増加や検索順位の上昇などの成果につながるため、以下を参考にしてください。
読者ファースト・ニーズのあるコンテンツを提供する
意味のあるSEO対策をするには読者ファーストを心がけ、ユーザーのニーズに合った満足度の高いコンテンツを提供しましょう。
まずは検索ボリュームなどを分析し、読者が求める情報に関連するキーワードを見極める必要があります。
また、ペルソナ設定も不可欠です。同じキーワードを検索する人でも、立場が違えば求める情報が異なることが理由に挙げられます。
さらに、ページの読み込みが早いなどの利便性の高さ、他サイトにはない独自性を追求した情報の提供などもSEO対策に有効です。
E-E-A-Tを意識したコンテンツを作成する
Googleの品質評価ガイドライン「E-E-A-T」を意識してコンテンツを作成すれば、SEOの効果が期待できます。E-E-A-Tとは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」を指します。
E-E-A-Tに基づいたコンテンツと評価される主な要素は、以下などです。
評価ガイドライン | 評価の要素 |
Experience(経験) | ・経験に基づいた情報を提供している |
Expertise(専門性) | ・特定のジャンル・テーマに特化している ・専門性の高い情報を提供している |
Authoritativeness(権威性) | ・その分野の有資格者が執筆や監修をしている ・キャリアや受賞歴が掲載されている |
Trustworthiness(信頼性) | ・公的機関や法律など、信頼性が高い情報源から作成されている ・運営元情報を開示している |
出典:General Guidelines|Google
E-E-A-Tの要素を満たした質の高いコンテンツにするためには、その分野の専門家に執筆や監修を依頼するのもひとつの方法です。
サイト構造を整える
シンプルで分かりやすいサイト構造は、ユーザーの利便性向上につながります。また、クローラーからも評価されやすくなります。以下のような点を意識し、サイト構造を整えましょう。
・階層を複雑にしない ・階層を深くし過ぎない ・親ページと子ページのつながりを明確にする |
ひとつのページから複数のページへリンクが分かれていたり、階層が深過ぎて目的のページへ辿りつくまでに時間がかかったりすると、ユーザーの利便性が下がります。
また、親ページからリンクされている子ページに関連性がないと、ユーザーが得たい情報を追えません。
複数のサービス・商品を扱う企業であれば、サービスごと・商品ごとにコンテンツをまとめるのがおすすめです。
SEO対策の効果が出ない場合に取り組むべきこと
SEO対策の効果が出ない場合に取り組むべきことを解説します。
SEO対策は、一度行ったらそれで終わりではありません。以下を参考に対策を行いましょう。
公開記事をリライトする
Googleアルゴリズムのアップデートや、その時々のユーザーニーズに合わせて定期的に公開記事をリライトしましょう。
コンテンツを作成したときは最新のデータや情報であっても、制度の改正や社会情勢などによりコンテンツの内容が適切でなくなっていることがあるからです。
リライトする際は、どの記事をリライトすると効果が得られやすいかを考えて対象を選びましょう。
例えば、検索順位100位の記事より11〜20位の記事をリライトした方が、早めに効果を得られやすいです。
また、検索順位は高いもののクリック率が低い記事においては、タイトルをリライトするとよい場合もあります。
キーワード選定を見直す
検索順位・アクセス数が下がったコンテンツに対しては、キーワード選定の見直しが重要になります。ユーザーが検索するワードや求める情報は、日々変化していくからです。成果の出たキーワードがあれば、そのキーワードと関連するキーワードを選定するとよいです。
また、検索ボリュームの大きいビッグキーワードのコンテンツばかりを作成しているようであれば、ビッグキーワードと関連性の高いスモールキーワードのコンテンツも作成しましょう。
ビッグキーワードですぐにアクセス数を増やすのは容易ではありません。しかし、スモールキーワードのコンテンツが検索上位に食い込んでくると、ビッグキーワードのコンテンツも検索上位を獲得しやすくなります。
まとめ
SEO対策に意味がないと感じているようであれば、誤った対策をしている可能性があります。Googleの品質評価ガイドライン「E-E-A-T」の要素を満たしたコンテンツを作成する、サイト構造を整えるなど、正しいSEO対策をしましょう。
また、SEO対策は一度行ったら、それで終わりではありません。情報やユーザーのニーズは日々変化していくため、定期的な見直し・改善が必要です。社内での対策が難しい場合は、コンテンツ作成のプロに依頼するとよいでしょう。