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ウェブサイトへのSEOの効果測定とは?
ウェブサイトの効果を最大化するために欠かせない施策がSEOです。SEOにおける効果測定では、実施した施策が狙いどおりにはたらいているか調べるための分析を行います。
ウェブサイトの集客力は、検索順位が大きく影響しています。SEOによって検索順位を上昇させれば、集客力向上が期待できます。
また、SEOの効果は検索順位を上昇させるだけではありません。外部サイトからのリンクが張られやすくなるなど、施策次第で多くの効果が得られます。
しかし、ただ施策をしてウェブサイトからの購入数や問い合わせ数のみを見ても、それがSEOによるものなのか、偶然タイミングが重なっただけなのか判断できません。
SEO対策の前と後のユーザー動向をあらゆる角度から調べることで、施策による影響か別の要因なのか判断できるのが効果測定です。数値の伸びを見てウェブサイトと相性の良い施策は何か、どのページがとくに効果が表れているかなども分かり、次の施策の参考にもなります。
SEOの効果測定に必要な指標の考え方
SEOの効果測定は、複数の指標にもとづいて判断します。大まかに分けると、「ゴール」または「手段」いずれかの結果が確認できる指標です。
「ゴール」の結果が確認できる重要指標3つ
SEOで施策を行った結果、あらかじめ設定したゴールにどの程度到達しているかを調べる指標として、下記の3つがあげられます。
■コンバージョン数
コンバージョン数は、運営しているメディアの種類や目的によって異なります。
たとえばECサイトの場合は商品購入がコンバージョンにあたり、コーポレートサイトやブランドサイトの場合は資料請求や無料体験会などの申込みなどです。メディアサイトであれば、資料ダウンロードやメルマガ登録などがコンバージョンに該当します。
■アシストコンバージョン数
直接的なコンバージョンではないものの、結果的にゴールへのきっかけとなっている要素をアシストコンバージョンと呼びます。
たとえばメイク下地を購入しようと検索したユーザーが、リスティング広告を見たあとに購入しなければ、コンバージョンに至ったとはいえません。
しかし、後日に他サイトを閲覧しているときにバナー広告を見て商品を思い出し、公式サイトを検索して購入に至れば、リスティング広告はコンバージョンのきっかけを与えたと考えられます。
■イベント数
ウェブサイト内でのユーザー行動のことを、イベントと呼びます。イベントトラッキングでどの程度のユーザーがあらかじめ設定した行動(イベント)を行ったのか調べると、施策の効果をはかる指標となります。
たとえば資料請求バナーをクリックした回数や、外部サイトへ移動した回数などです。
「手段」の結果が確認できる重要指標3つ
SEOで行った施策に対して、どのような手段で結果が現れたかを知りたいときは、下記の指標が利用できます。
たとえば、商品購入をゴールとした場合、まずはユーザーに認知してもらう必要があります。認知拡大から商品購入までにどのような手段が取られたのかを、効果測定で調べることで、自社やターゲットに適したアプローチ方法がわかります。
■オーガニック流入数
広告を除いた検索結果のことを、オーガニック検索と呼びます。広告費をかけず自然に検索順位が上がっていることから、ナチュラル検索や自然検索とも呼ばれています。
オーガニック流入数は、ユーザーが広告ではなく自然な検索結果から流入してきた数です。
オーガニック流入数は、ウェブサイトの検索順位に比例して増加しやすいのが一般的です。SEOでウェブサイトを上位表示させられれば、広告費をかけなくともユーザーの流入につながります。
■キーワードの検索順位
キーワードの検索順位とは、狙ったキーワードで検索結果の何位に表示されているかをさします。
ウェブサイトの集客は、自社商品やサービスの購入が期待できる相手へ効果的にアピールすることが重要です。
キーワードごとの検索順位を上げて、狙っているターゲットユーザーに自社サイトをPRします。
■ユーザーひとりあたりの閲覧ページ数
1回の訪問で、ユーザーはどの程度のページ数を閲覧したのか平均値がわかる指標です。Googleアナリティクスでは、平均PV数の項目名で表示されています。
平均PV数が多いほど、ひとりあたりの閲覧しているページ数が多い(滞在時間が長い)ことを指します。
10万人訪問で20万PVよりも、5万人訪問で20万PVのほうが、ひとりあたり2倍のページ数を閲覧しており、ユーザビリティの高いウェブサイトといえます。
【パターン別】SEOの効果測定を行う時期
SEOの効果測定は、定期的に行う必要があります。SEO施策の効果か別の要因による変化か判断するためには、適切な時期に効果測定をすることがポイントです。
SEO施策の多くは、実施した直後に効果が出るものではありません。ある程度の期間を空けてから効果測定しなければ、他の要因による変化を施策の結果と勘違いする可能性があります。
SEOの施策ごとに、効果測定を行う適切な時期を紹介します。
時期1.サイト全体に関わる施策を行った時
ウェブサイト全体に関係する施策の場合、更新情報が検索エンジンにインデックスされるまでに時間がかかります。
3か月程度で効果が感じられる場合もあれば、6か月程度かかるウェブサイトもあり、さまざまです。
全体に施策を行った場合、検索エンジンの順位に反映されるのはコアアップデートのタイミングです。施策によって明らかな変化が起これば、検索順位や流入数など複数の数値に現れます。
時期2.新規のページを追加した時
新たにページを作成した場合も、検索エンジンに認識され、検索順位に反映されるまで時間を要します。サイト全体への施策と同じく、3〜6か月程度が目安です。
場合によっては、翌月など短いタイミングで効果を発揮するときもあります。
時期3.既存ページを修正した時
SEOには、既存記事のリライトも含まれます。既存ページの修正はページの存在自体が既に認識されている一方で、再度クロールを行うまでは更新後の内容が評価されていない状態です。
再クロールやアルゴリズムのアップデートを考慮すると、修正分が検索順位に反映されるのは1〜3か月後です。なかには6か月程度かかるものもあります。
SEOの効果測定の手順
SEO施策が思うようにはたらいているか調べるには、目的に合ったツールが不可欠です。
ここからは代表的なツールとともに、効果測定の手順を解説します。
効果測定用のツールの導入
正しい効果測定は、ツールによって客観的な数値を出す必要があります。施策後になんとなく受注が増えたと感覚のみで判断するのではなく、各項目で数値を出して「何が効果的だったのか」「何がいまいちな効果しかなかったのか」を明らかにして、次回の施策に生かします。
効果測定用のツールとして代表的なものは、次の5種類です。
種類1.Googleアナリティクス
Googleが、ウェブサイト運営者向けに無料で提供しているアクセス解析ツールです。個人・団体問わず多くのウェブサイト運営者が導入しています。
Googleアナリティクスでは、下記5つの項目でレポートを表示してくれます。
・リアルタイム
ウェブサイトのリアルタイムの状況がレポートされます。現在ウェブサイトを訪問しているユーザーの数や、閲覧されているページなどが分かります。
配信直後のプロモーションがきちんと効果を発揮しているか、トラッキングコードが機能しているかなど、ユーザーの動向をもとに施策がどのように影響しているかを調べられる項目です。
・ユーザー
ウェブサイトを訪問しているユーザーの属性が分かる項目です。
セッション・ユーザー・ページビュー数・ページセッション・平均セッション時間・直帰率・新規セッション率の7つの要素で表示されています。
分析する期間を指定できるため、施策前と直後でどのような影響があったのか、施策から時間が経ってからどのように変化したのかをこまかく調べられます。
・集客
ユーザーが、どのような経緯でウェブサイトに訪問したのかを調べる項目です。
たとえばサマリーではウェブサイトに辿りつくまでのルート(自然検索、SNS、URLの直接入力、広告など)が分かります。
各項目をクリックすると、具体的にどこから来たのか、アクセス経路ごとの新規ユーザーや直帰率、平均セッション率などの割合も表示されます。
・行動
ウェブサイトを訪問したユーザーの行動を、こまかく分析できる項目です。
たとえばランディングページのタブでは、コンバージョンにつながるユーザーのうち、ページAとBとC、どのページを最初に訪問した層の割合が多いのかが分かります。ユーザーが多く訪問しているページや、セッション数なども明らかにできます。
・コンバージョン
コンバージョンは、ウェブサイトが目指す目標、すなわち獲得したい結果のことです。
ウェブサイトごとに異なり、ECサイトなら商品購入、セミナーを開催している会社なら無料会員登録やセミナー参加申込み、サービス提供を行う会社なら資料請求やお問い合わせなどがあげられます。
Googleアナリティクスのコンバージョンは、あらかじめ登録した目標を満たしたユーザーの動向を抽出して表示してくれる項目です。
参照元/メディアのタブでは、コンバージョンに至ったユーザーがどこから流入したのか分かるため、広告やSEOの効果をはかる指標となります。
種類2.Googleサーチコンソール
Googleアナリティクスと同じく、Googleが無料提供しているツールです。ウェブサイトの効果測定において、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールは多くの企業が導入している定番ツールといえます。
Googleアナリティクスがウェブサイトの状況を把握するのに役立つのに対して、Googleサーチコンソールは検索順位や表示回数、クリック数や検索クエリなど、検索結果に関する状況が分かるのが両者の違いです。
Googleサーチコンソールでは、あらかじめ登録したウェブサイトに関する下記の項目が分かります。
・検索パフォーマンス
検索結果とDiscover(Google Discover)2つの指標でできており、主に検索結果におけるウェブサイトの成果を把握するための項目です。
検索結果では、検索エンジンにおける自社サイトの表示回数、クリック数、クリック率(CTR)、掲載順位が表示されます。ウェブサイト全体でも個別データ(クエリ、ページ、国など)でも確認できます。
Google Discoverは、Googleユーザーの検索履歴などを参考に、検索画面トップの下部に自動表示されるウェブサイト一覧です。
SEOで品質を高めたウェブサイトがGoogle Discoverに採用されれば、検索以外からの流入が期待できます。Googleサーチコンソールでは、自社サイトがどの程度Google Discoverに採用されているか、クリック率などユーザーの反応とともに把握できます。
・カバレッジ
ウェブサイトやページの、検索エンジンにおけるインデックス状況を把握できる項目です。各ページのステータスをエラー、有効(警告あり)、有効、除外などと表示しています。
どのようなエラーが起こっているのかも詳細表示で分かるようになっており、ウェブサイト構造の改善に欠かせません。
・URL検査
検索窓に検査したいページのURLを入れると、検索エンジンにおけるインデックス状況が分かる項目です。主に既存ページのリライトを行ったときに活用します。
最新バージョンのページがインデックスされていない場合は、「インデックス登録をリクエスト」で任意のページに対するインデックスを要求できます。
・サイトマップ
検索エンジンのクローラーに対して、ウェブサイトの巡回を促すための項目です。事前にxml形式で作成したサイトマップをサーバー上にアップしておく必要があります。
サイトマップのURLをコピーして、「新しいサイトマップの追加」欄に貼り付けて送信すると、クローラーに巡回をリクエストできます。サイトマップにエラーがある場合は表示されるため、作成したサイトマップの正否の確認にも使えます。
・リンク
ウェブサイト内のリンクの状況を把握するための項目です。外部リンクや内部リンクの数、リンクが張られているページのURLなどが分かります。
・ウェブに関する主な指標
ウェブサイトの表示速度を確認できる項目です。モバイルとパソコンに分けて表示でき、改善すべきページを把握できます。
ウェブサイトの表示速度は、SEOの観点からも重視されるポイントのひとつです。
表示速度が遅ければアクセス直後の離脱が起こりやすくなるため、ピンポイントで改善すべきページが把握できる機能は重宝します。
・モバイルユーザビリティ
モバイルユーザーにとって使い勝手の良いウェブサイトとなっているか、モバイルフレンドリーの状況を確認できる項目です。
スマホやタブレットなどモバイルユーザーにとってクリックしやすいリンク配置かなどが分かり、こまかなエラー内容も表示されるようになっています。
モバイルフレンドリーではないページがいっさい見つからない場合は、すべて「有効」表示となります。
・メッセージ
上記の各項目で生じている検索パフォーマンス関連のエラーについて、総合的に確認できる項目です。
たとえばカバレッジに改善すべき問題があれば、どのような対策をすべきかメッセージで解説してくれます。
種類3.Microsoft Clarity
Microsoftが提供する、行動観察のためのツールです。
Microsoftが無料で提供していますが、Googleアナリティクスと連携できるため、Googleを対象としたSEOにも活用できます。
連携設定すると、Googleアナリティクス側にもMicrosoft Clarityのレコーディングデータのリンクが表示され、データを活用した分析ができるようになります。
Microsoft Clarityで効果測定に活用する機能は、レコーディングとヒートマップの2つです。
レコーディングは前述のGoogleアナリティクスとの連携により、ユーザー行動を定量データとして分析できる機能です。
ヒートマップは、ウェブサイト内でユーザーが興味関心を強くもっているページを可視化してくれます。また、録画機能があり、ユーザーがどのページで商品購入を迷っているかなどが動画で確認できるようになります。
GoogleアナリティクスにMicrosoft Clarityのヒートマップを組み合わせることで、より直感的に改善すべきページが見えてきます。
種類4.Ahrefs
主に被リンク分析ツールとして活用されることの多いツールです。世界的に多くのユーザーを抱えており、日本語にも対応しています。
被リンク以外にもウェブサイトの効果分析に役立つ機能が豊富で、下記3つがとくに多く活用されています。
・Site explorer
ページ単位もしくはドメイン単位でウェブサイトを解析できる機能です。調べたいURLやドメインを直接検索窓へ入力する手法のため、自社サイトはもちろん競合サイトの解析もできます。
Ahrefsのデータベース内における順位や、被リンクの質や量にもとづくランク、参照ドメインなどが分かります。
・Keywords explorer
キーワード調査ツールとして、その他の類似ツールよりも優れた精度があると人気です。
特徴は、調べたいキーワードを検索すると、SEOの難易度が分かることです。月間検索ボリュームやクリック数、1クリックあたりのコストなどが表示されます。
・Content explorer
SNSで多くシェアされているコンテンツを調べられるツールです。任意のキーワードを検索窓に入力すると、関連する話題でSNSでシェアされているコンテンツが表示されます。
バズりを狙ったSNSの発信やコンテンツ作りの参考になる他、リアルタイムのユーザーニーズを探るときにも便利です。
種類5.SemRush
SEOやコンテンツマーケティング、広告、SNSなどさまざまな施策に関する効果測定を一元化できるツールです。各機能の活用場面を大まかに分けると、下記のとおりです。
・競合調査
・競合分析
・キーワード調査
・制作・入稿
・保守・運用
・レポート
コンテンツマーケティングやSNSの分析に関する一部の機能は、日本語未対応となっています。
SEOに関する機能はすべて日本語対応しているため、ウェブサイトの効果測定に使用することが主な目的であれば、問題なく活用できます。
SEOに関する機能のみ、特徴をあげると、それぞれ下記のとおりです。
・オーガニック検索分析
競合サイトがオーガニック検索で獲得できているキーワードの順位、トラフィック、ランディングページなどを調査できる機能です。重複キーワードで競合を探すこともできます。
キーワードごとの順位変動も分析でき、コンテンツ作成だけではなく新規参入するジャンルの検索ボリュームも調査できます。
・キーワードギャップ
キーワードの観点から競合と自社サイトを比較できる機能です。
競合が獲得できているキーワードや競合のみが上位表示されているコンテンツを知ることで、自社の開発やアプローチ方法の参考にできます。
・Keyword Magic Tool
検索したキーワードの関連語句や検索ボリューム、難易度などを表示してくれる機能です。
ロングテールキーワードも調査できるため、コンテンツ追加時のキーワード選定に役立ちます。ウェブサイトはもちろんSNSや広告などの分析やキーワード選定にも活用できます。
・Position Tracking
キーワードの順位変動やトラフィックをトラッキングできる機能です。
競合を最大20サイトまで登録して、日ごとにトラッキングデータを表示できます。
リッチリザルトやローカルSEOもトラッキングできるため、ウェブサイトのSEOだけではなくその他のオンラインマーケティングにも活用できます。
・Site Audit
ウェブサイトのテクニカルSEOに役立つツールです。
ウェブサイト内のリンク切れなどのエラーを、ページ単位で表示してくれます。重複コンテンツの発見もできるため、テクニカルとコンテンツ両面でウェブサイト全体の質を向上させるのに便利です。
クローラビリティ、内部リンク、HTTPなどテーマごとにエラーの割合を表示してくれる機能もあります。テーマごとに整理することで、ウェブサイト全体の課題が見えます。
・バックリンク分析
ウェブサイトが獲得できている外部リンクを分析できる機能です。
自社サイトだけではなく、競合サイトがどのようなアンカーテキストを使用しているか、バックリンクはどの程度獲得できているかも調べられます。
権威性スコアも表示されるため、獲得しているリンクの価値が分かりやすいのも特徴です。
・Backlink Audit
獲得しているバックリンクの中で、ウェブサイトに悪影響を及ぼす可能性のあるもののみを選別できる機能です。
バックリンクの生成や消滅を過去60日間分、グラフ表示で確認できます。
GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスと連携すれば、バックリンクのデータ拡張や任意のドメインを有害判定から除外したりと、より便利に活用できるようになります。
・Content Analyzer
低品質なコンテンツの洗い出しに役立つ機能です。
品質を見分ける指標は更新日や文字数、著者名などがデフォルトで、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスと連携すると直帰率や検索クエリなども追加できます。
コンテンツセットを設定すると、低品質でリライトが必要と判断されたコンテンツが一目で分かるようになります。
外部サイトへ寄稿したコンテンツのトラッキングもできるため、複数のウェブサイトを有していたり外部リンク獲得の一環で寄稿に力を入れていたりする場合も活用できます。
・On Page SEO Checker
ページごとにキーワードを紐づけて、順位上昇を目指すためにどのような施策を行うべきかを表示してくれる機能です。
自社サイトに不足しており競合が優れている要素も分かり、市町村レベルでエリアを絞り込むこともできるため、グローバル企業から地域密着型企業まで利用できます。
2.数値の計測環境の整備
導入したツールの多くは、計測環境を整備してからでなければ活用しにくくなっています。
計測環境の整備すべきポイントは、たとえばGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスとの連携、計測したい情報・項目の絞り込みなどです。
コンテンツを公開する前に、各ツールの「カスタム」「設定」などのタブから、計測したいデータにフォーカスできるよう環境を整備しておきましょう。
■アナリティクスでのコンバージョン設定方法
数値の計測環境を整備する方法として、ここではGoogleアナリティクスの例をあげて詳しく解説します。
Googleアナリティクスでコンバージョンを設定する方法は、下記のとおりです。
1.ビューの設定ページで「目標」タブを開く
管理画面でビューのページを開き、「目標」タブを開きます。新たにコンバージョンを設定するときは、画面中央の上部に表示される「新しい目標の作成」をクリックします。
2.新しい目標を設定する
新しい目標を作成するときは、「テンプレート」「カスタム」のいずれかを選びます。任意のコンバージョンを設定するためには、「カスタム」を選びましょう。表示された「目標の名前」などの項目を埋めます。
目標の名前は、どのコンバージョンか分かれば何をつけても構いません。問い合わせ、購入、資料請求など、関係者全員が分かりやすい名前がおすすめです。
3.到達ページなどこまかな設定を決める
目標の名前の他に、到達ページ、滞在時間など、コンバージョンをカウントする要素をこまかく決めます。各項目の詳しい内容は、下記のとおりです。
・到達ページ:特定のURLにアクセスした場合にカウントする
・滞在時間:サイト滞在時間が一定以上超えた場合にカウントする
・ページビュー数/スクリーンビュー数:1回のアクセスで設定数以上ページを見たときにカウントする
・イベント:資料請求ボタンのクリックなど特定のイベント発生時にカウントする
到達ページはカウントしたいページのURLを、イベントなど目標到達プロセスが関係する項目も、1パターン以上は詳しく入力しましょう。
3.指標の数値を確認する
ツールの設定が終わったら、定期的にウェブサイトの効果測定を行います。1か月に1回程度は指標の数値を確認する必要があります。
必ず確認すべき指標は、下記の3つです。
・オーガニック流入数
・コンバージョン数
・キーワード順位
各指標の確認方法や、どのように見るべきかを解説します。
■オーガニック流入数の確認方法
検索エンジンからのウェブサイト訪問全般を、オーガニック流入と呼びます。Googleアナリティクスでは、オーガニック流入数を下記の手順で確認できます。
1.「集客」ページを開く
2.「すべてのトラフィック」にある「参照元 / メディアを選択する
3.画面上部のプライマリディメンションを「メディア」に切り替える
メディア欄に表示される「organic」がオーガニック流入数です。セッション数が流入数を表し、総数のうち新規流入が占める割合が新規セッション率です。
画面右上に表示されている検索窓にorganicと入力すると、検索エンジンごとの流入数も確認できます。
■コンバージョン数の確認方法
Googleアナリティクスでコンバージョン数を見るときの方法は、ウェブサイト全体、流入元別、ランディングページ別のいずれのレポートを見たいかで異なります。
・ウェブサイト全体のコンバージョン数を見たい場合
画面左側のメニューから「コンバージョン」を選び、「目標」「概要」の順にタブをクリックしていきます。表示されるCVRがウェブサイト全体のコンバージョンです。
・流入元別でコンバージョン数を見たい場合
画面左側のメニューから「集客」を選び、「すべてのトラフィック 」「チャネル」の順に進んでいきます。画面右側に表示されるコンバージョンの列が、流入元別で表示されたレポートです。
・ランディングページ別のコンバージョン数を見たい場合
ランディングページとは商品販売のために作成する1ページモノの縦長なウェブサイトではなく、本来はユーザーが最初に着地したページのことをさします。
コンバージョン数を見るときは、画面左側のメニューから「行動」を選びます。「サイトコンテンツ」「ランディングページ」の順に進み、画面を下にスクロールすると表示されるのがランディングページごとの流入数です。
■キーワード順位の確認方法
キーワードごとの掲載順位は、Googleサーチコンソールを利用して確認します。メニューから「検索パフォーマンス」を選び、「平均掲載順位」タブを開くと掲載順位の推移が確認できます。
また、「SemRush」などキーワードごとに検索できる他のツール導入もおすすめです。
4.指標の数値を元に改善策を立案する
上記であげた指標の数値を元に、今後の改善策を立案します。
■キーワード順位の数値が好ましくない場合
たとえばキーワード順位がなかなか上がらない場合、最初に設定したターゲットユーザーと狙っているキーワードにズレが生じている可能性があります。
仮にスポーツ用品店がアウトドア好きの20代男性をターゲットにしたとしても、初心者に近い人物と熟練レベルの人物では、検索の狙いは異なります。
上級者が検索することの多いキーワードで初心者向けの道具を売るようなコンテンツ内容になっていれば、売上にはつながりません。
ターゲットユーザーやキーワードの見直しを行い、ズレを修正すると、各指標の数値が改善される可能性があります。
■コンバージョン率が低下している場合
コンバージョン率(CRV率)が施策前よりも低下しているのであれば、ウェブサイトの構造がユーザーの行動を阻害している可能性が考えられます。
たとえば、資料請求や無料サンプル請求用のメールフォームが最適化されていないケースです。
入力フォームの必須項目が多く、ユーザーに「ここまで入力しないといけないの?」とストレスを与えている場合は、コンバージョンにつながりにくくなります。
他にも入力フォームや文字が小さかったり、スマホ向けのデザインになっていなかったりと、わずかな差でもコンバージョン率は大きく変化します。
入力フォーム自体に問題がない場合は、途中の導線が複雑になっていないか、きちんと行動喚起できているか、リンクなどの設定に誤りはないかなども確認しましょう。
上記のように、効果測定の数値はウェブサイトに隠れているさまざまな課題を推測できます。
キーワード順位やコンバージョン率以外の数値も確認して、伸び悩んでいる場合は何が原因なのか突き止め、ひとつひとつ解決していくことが重要です。
まとめ
SEOの効果を最大化するためには、トレンドの施策を取り入れるだけでは不十分です。常にアンテナを張って最新の施策を取り入れることは重要ですが、必ずしもすべての手法が自社サイトに合うとは限りません。
SEOで重要なのは、施策後に掲載順位やコンバージョンなどがどのように変動したか確認して、PDCAサイクルを回していくことです。
未知株式会社では施策後も効果測定によって新たな課題の洗い出しを行い、状況に合わせた施策を提案しております。
施策をやりっぱなしにせず、きちんと効果が出ているか、狙いどおりのユーザー動向となっているかを確認しつつ、長期的に集客できる高品質なウェブサイト制作をお手伝いします。
「自社のウェブサイトに問題があるかどうか分からないが、とりあえず見てほしい」という方も、ぜひ一度ご相談ください。