SEOは本当に効果ある?必要な期間や効果的な分析ツールを紹介!

SEO施策はどのような効果があるのでしょうか。自社の商品やサービスをユーザーに認識してもらうためには、インターネットを利用したマーケティングが欠かせません。狙ったターゲットにアプローチできる確率を高める方法のひとつが、SEOです。ウェブサイトを運用するうえで重要視されているSEOですが、一方で「意味がない」「効果がない」とする声もあります。 そこで今回は、SEOは「効果がなく、意味がない」といわれる原因や、施策のメリット、効果を出すためのコツを紹介します。

SEO対策で期待できる主な効果2つ

SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンの検索結果で自社のウェブサイトやページが上位に表示されるように行う施策のことです。多くのウェブサイトは、検索結果のどの順位に表示されたかでクリック率が大きく変化します。

1位に表示されたウェブサイトが、最も多くのユーザーにクリックされるのに対して、2位以下は順位が下がるにつれてクリック率が減っていきます。よってウェブサイトを効果的に活用するためには、クリック率へ直結する検索順位を上昇させるSEOが必要です。

しかし、ウェブサイトを運用している企業の経営層や担当者の中には、「SEOは効果がなく、意味がない」と考えをもつ方もいます。

SEOは意味がないといわれる原因は、次のように複数あげられます。

・ウェブサイトの順位が安定しない
・PV数の増加など明確な成果が見られない
・高いPV数の割にはコンバージョンにつながらない

 

ウェブサイトの検索順位は固定ではなく、検索エンジンのアルゴリズムのアップデートなど、さまざまな要素が影響して変動します

また、SEOの効果は短期的に現れるものではないため、施策の翌日や数日後にPV数を分析しても、劇的な変化は感じられません。

長期間SEOを実施しても効果が出ない場合は、施策自体がウェブサイトやターゲットにマッチしていなかったり、古い手法を取り入れたりしている可能性も考えられます。

誤った施策で検索順位が偶然上位になったとしても、ウェブサイト自体が狙ったターゲットとマッチしていなければ、購入や資料請求などのCV(コンバージョン)にはつながりません。結果、PV数のみが増加します。

このように、「SEOは意味がない」との考えが生じるのは、主に知識不足や誤解、誤った施策が原因と考えられます。

SEOは中長期的なプロジェクト、と正しく認識したうえでウェブサイトやターゲットにマッチした施策を行えば、複数のメリットが得られます。

正しくSEO施策を行った場合、次のような効果が期待できます。

SEOの効果1.サイトの集客力を向上させる

検索エンジンの検索順位は、クリック率に直結する重要な要素です。SEOでウェブサイトの検索順位が上昇することは、サイトの集客力を向上することでもあります。

米国のIT企業が行ったインターネット市場調査によると、検索順位ごとのクリック率の差は、上位5サイトで次のとおりでした。

・1位:28.5%
・2位:15.7%
・3位:11.0%
・4位:8.0%
・5位:7.2%
(引用:SISTRIX「Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid」

上記は、モバイル端末によるアクセスのみの調査結果です。近年はパソコンよりもスマホによるインターネット利用が多い傾向にあることを踏まえると、すべての端末を含めた場合も大差ない割合になると考えられます。

検索結果の1ページ目に表示される項目すべてをチェックするには、画面スクロールが必要です。スワイプやタップ、あるいはスクロールやクリックと、閲覧のためのアクション数が増える分、1ページ目でも下位に行くほどクリック率が極端に減少します。

言い換えれば、上位に掲載されるほどクリック率が大幅に増加している状態です。SEOでウェブサイトの掲載順位を上昇させられれば、位置に応じてクリック率すなわち集客力の向上が期待できます。

SEOの効果2.ブランドの認知を向上させる

SEOは、潜在層に対するブランドの認知を向上させるメリットもあります。

たとえばユーザーが「コスパが良く評判の良い化粧下地」の購入を検討しているとき、必ずしも具体的な商品やブランドを知っているとは限りません。特定の固有名詞がわからなければ、ユーザーは検索エンジンに漠然とした要望のみを入力します。

検索エンジンに入力されるクエリの違いを具体的にあげると、次のとおりです。

固有名詞を知っている場合
(顕在顧客)
「〇〇(ブランド名) 化粧下地」など(固有名詞が入る)
特定の商品を知らない場合
(潜在顧客)
「プチプラ 化粧下地 おすすめ」など(固有名詞ではない)

上記のように固有名詞を知っている顕在顧客の場合、ブランド名や商品名など特定のキーワードが含まれます。検索結果も固有名詞を含んだ関係性のあるコンテンツが優先的に表示されます。

一方、具体的な商品やブランドを知らない潜在顧客に対してアプローチできるのが、SEOの特徴です。SEOはターゲットがどのような検索意図をもっているか想定したうえで、コンテンツを作ったり改善したりします。

安価で高コスパを売りにしているコスメブランドが「プチプラ 化粧下地 おすすめ」などのキーワード設定で記事を作成した場合、SEOにより検索結果の上位に表示されていれば、ユーザーは曖昧な検索クエリだけで要望に沿ったブランドにたどり着ける仕組みです。

SEOで特定のキーワードに対応したコンテンツを検索結果の上位に表示させることで、商品やサービス名を知らないユーザーにリーチできる仕組みは、新たなターゲット層の開拓やブランド認知向上に役立ちます。

加えて、リターゲティング広告への活用でブランドの認知やコンバージョンを後押しできる、二次的な効果も期待できます。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度ウェブサイトを訪れたユーザーに対して配信される広告です。

過去に一度ウェブサイトへ誘導できたユーザーなら、Cookieを利用したターゲティングが可能です。他のウェブサイトを閲覧していても広告枠で自社の商品やサービスをアピールできるため、ブランディング効果の向上や再訪問・購入などのコンバージョンにつながります。

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SEOの効果が出るまでに必要な期間

SEOの効果が出るまでには、期間を要します。どの程度の期間を要するかは、キーワード、コンテンツ内容、競合の数など、複数の要素に左右されます。

傾向をあげるとすれば、次のとおりです。

・信頼性の高いサイト:1~3か月程度
・信頼性が低い~中程度のサイト:3~6か月程度
・アルゴリズムのアップデート直後:数日~数か月程度

 

網羅的かつ最新版の情報を掲載していたり、ユーザーフレンドリーなデザインやサイト構造をしていたりと、信頼性が高いウェブサイトは、施策の効果が早く出る傾向にあります。一方、信頼性が低いウェブサイトの場合、施策から3~6か月後に効果が現れることもあり、ある程度の時間を要する傾向です。

その他、イレギュラーな影響としてあげられるのが、検索エンジンのコアアルゴリズムのアップデートです。コアアルゴリズムがアップデートされたときは、施策の内容次第で数日~1か月後に効果が現れることがあります。

とはいえ、上記は傾向に過ぎません。競合の数やコンテンツ内容によっては施策の効果が1年後に出始めることもあるため、「施策して半年経つのに効果がないから、やはりSEOは意味がなかった」と安易に判断しないことが大切です。

SEOの効果を持続させる3つのポイント

継続的に上位表示を狙うためには、SEO施策の内容や頻度が重要です。少なくとも、次にあげる3つのポイントを意識した施策を行いましょう。

ウェブページやコンテンツを制作・更新する

ウェブページは更新や修正を行ってこそ、正しく運営しているといえます。ユーザーのファン化を狙う意味でも、コンテンツ記事の追加や更新はこまめに行うべきです。

たとえば、化粧品メーカーのウェブサイトに、メイクの手法を紹介するコンテンツを掲載している場合、時間の経過とともに情報は古くなります。

いつまでも古い情報が掲載されていると、ウェブサイトの信頼性を損ないかねません。年度やシーズンに応じたトレンドを反映させた、新しいコンテンツに変化させる必要があります。

また、ユーザーの検索意図に対して、既存の記事では情報が不十分な場合も、記事の追加や更新が必要です。最新の情報やユーザー動向を考慮して、適宜ウェブページや記事に反映させていくことが、SEOの効果を持続できるでしょう。

良質な被リンクの獲得に努める

SEO施策のひとつに、被リンクの獲得があげられます。重要なのは、良質な被リンクをいかに多く獲得できるかです。

被リンクは、次のとおり良質なものと悪質(低品質)なものの2種類に分けられます。

・良質な被リンク:ナチュラルリンク
・悪質な被リンク:スパムリンク

 

良質な被リンクは、ウェブサイトの情報に価値を見出した「第三者」が自発的に設置してくれるリンクのことです。被リンク元(リンクを設置したウェブサイト)の信頼性が高いほど、自社ウェブサイトの高評価を与えます。

一方の悪質な被リンクは、自動生成されるスパムリンクや、低品質なウェブサイトに設置されたリンクなどです。過去にブラックハットSEOとして流行した手法のひとつで、検索結果に悪影響を与えるため、現在はGoogleからガイドライン違反とされています。

SEO施策の高い効果を維持させるためには、いかに良質な被リンクを多く獲得するかが重要です。第三者に評価されるようなコンテンツの作成、SNS活用など露出機会の増加、自社サービスの事例紹介ページの作成など、被リンクにつながる施策を行いましょう。

1つのドメインで長期間の運用を行う

SEOにおいてコンテンツやサイト構造と同じく重要なのが、ドメインパワーおよびドメインエイジです

・ドメインパワー:検索エンジンからの信頼度
・ドメインエイジ:検索エンジンに認識されてからの経過期間

 

ドメインパワーとは

検索エンジンからの信頼度のこと。ウェブサイトが検索エンジンからどの程度信頼性があると評価されているのかを数値化したものです。

ドメインパワーが高い(信頼性が高い)ウェブサイトは、前述のとおりSEO施策の効果が短期間で反映されやすい傾向があります。

ドメインエイジとは

ドメインの年齢のこと。検索エンジンにウェブサイトやページの存在が認識されてから、どの程度の期間が経過しているかを表しています。

仮にウェブサイトを作成・公開し始めたのが1年前であっても、検索エンジンに認識されたのが半年前であれば、ドメインエイジは6か月です。

ドメインパワーは、一定の期間が経過してから上がり始めます。つまり、ドメインの年齢になる、ドメインエイジも関係しています。

これらを踏まえると、ドメインパワーだけではなくドメインエイジも視野に入れた施策が欠かせない、と言えるでしょう。ウェブサイトを運営するときは、ドメインパワーやドメインエイジを高めるために、ドメインを変えず長期的に運営する必要があります。

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SEOで効果を出すために使いたいツール

SEOはやみくもに施策を行うのではなく、自社ウェブサイトの状況やユーザー動向を考慮することが重要です。

流入数の少ない低品質なコンテンツを加筆修正したり、利用率の低いボタンの位置や入力フォームの項目、ナビゲーションなどサイト構成を改善したりと、ウェブサイトごとに必要な施策は異なります。

最適な施策を見出すためには、可能な限り実態に近いデータを把握することがポイントです。最後に、SEO施策の計画や成果分析のために必要なツールを3つ紹介します。

Google サーチコンソール(Google Search Console)

Google サーチコンソールは、さまざまな用途があります。

検索クエリ、表示回数、クリック数などの指標や、狙ったキーワードごとに検索エンジンの順位がどのように変動しているか、一定期間ごとに推移を確認できます。

他にもGoogleからペナルティを受けているときに通知してくれたり、コンテンツの追加・更新時にクロールを依頼して早期インデックスを促したりできます。

Google アナリティクス(Google Analytics)

Google サーチコンソールが主にウェブサイトの問題や検索キーワードを把握するのに対して、Googleアナリティクスは、ユーザー動向を主に分析します。

Googleアナリティクスを利用すると、ウェブサイトを訪問したユーザーの数、年齢、性別、デバイス、国や地域、分類(新規・リピーター)などが分析できます。

訪問ユーザーの属性がわかれば、自社のウェブサイトがどのような層に効果を発揮しているのか、狙ったターゲットからの反応は多いのかがわかり、SEO施策の判断に活用できます。

マイクロソフト クラリティ(Microsoft Clarity)

マイクロソフト クラリティは「ダッシュボード」「レコーディング」「ヒートマップ」の3つの機能で構成された分析ツールです。

ダッシュボードはページセッション数、クリック率、PV数の多いページなどを分析でき、レコーディングは画面上のユーザーの動きを録画できる機能です。

レコーディングでウェブサイトに訪問したユーザーの動きを分析できれば、使い勝手の悪い構造の改善や人気コンテンツの把握につながります。

ヒートマップも、ユーザーの動向を視覚化するツールです。デバイス別に色分けされるため、パソコンとスマホ・タブレットでユーザーの動きにどのような違いがあるのかを分析できます。

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まとめ

SEOは意味がないとする考え方は、検索エンジンや施策の特徴を理解していないゆえに生じます。検索エンジンの順位はさまざまな要因で変動するうえ、施策を行っても即座に効果が現れるものではありません。

ターゲット層にリーチさせるためには、ユーザーが求めるコンテンツを作成・整備するなどSEO施策が必要不可欠です。また、継続的にSEOの効果を出すなら、単発的な対策ではなく中長期的な取り組みが求められます。

SEOが自社に必要なのか、意味がないのか判断するためには、上記の特徴を十分に理解したうえで判断することが大切です。