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マーケティングとプロモーションの関係性
ビジネスの世界でよく耳にする、マーケティングとプロモーション。その関係性を一言で言うとプロモーションは宣伝、広報的な活動、販促といった意味でマーケティングの活動の一部となります。
よくプロモーションとマーケティングは混同されますが、プロモーションはあくまでマーケティング活動の一部であり、マーケティング活動の一環としてプロモーションが行われるということになります。
なぜ、プロモーションを行うのかというと、プロモーション(宣伝活動)を行うことで自社製品のサービスや商品を認知していくこととなり、それにより売上がアップしていくことにつながるからです。
マーケティングとは
では、マーケティングについて解説していきます。日本マーケティング協会の定義によると「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」となっています。
つまり、企業側が商品やサービスを欲しいと思っている消費者層に届けるための計画を立てて、実行することをマーケティングといいます。
マーケティングには4つのプロセスがあり、通称4Pと呼ばれるもので「製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)」の頭文字「P」をまとめたものです。
例えば、自社製品を売るときに、そのまま売り出すのでは無く、市場調査をし、どのような商品が売れているか、そして商品をどのような形で売っていくかを決めることとなります。その結果、売り上げを伸ばすことにつながるからです。
プロモーションとは
続いてプロモーションについて解説します。プロモーションはマーケティング活動の一部であり、マーケティングのプロセス、4Pの1つ「販促(Promotion)」にあたります。
販促とは販売促進の略語で、SP(sales promotion)と呼ばれることもあります。販促とはそのままの意味で自社の商品の販売を促進することです。
商品を販売するために顧客とコミュニケートをとっていくことがプロモーションとなり、コミュニケートによって促進されていくということになります。
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マーケティングが重要視されるようになった理由
マーケティングはビジネスの世界においても、とても重要視されており、それは大きな理由があるからです。
その理由とは、マーケティング戦略を取らなければ、自社の商品やサービスが売れなくなり、海外製品との競争により利益が下がることになってしまったからです。
マーケティング戦略が取られる以前はどうだったのか、取った結果はどうなったのか、マーケティング戦略が重要視されるに至った過程を、解説していきます。
モノが余る時代になったから
なぜマーケティング戦略が必要なのか、それは、今の時代「作れば売れる」というわけにはいかなくなってきているからです。
例えば、戦後の高度成長期の時代には洗濯機、テレビ、冷蔵庫の俗にいう「三種の神器」を始め、たくさんの電化製品が何もしなくても売れました。それは、その時代の人の購買意欲が高かったからというのもあります。
しかし、現代はバブル崩壊に始まり、リーマン・ショック後の不況、さらには世界的感染病の大流行による不況など、経済が冷え切っているため、消費者の購買意欲が著しく低下しています。
そのために、自社の商品やサービスの価値をどのように提供していくのか、どの層にアプローチしたいのかを明確させなければならなくなりました。
マーケティング戦略を取らないことには、消費者に自社の商品やサービスが認知さえしてもらえない可能性もあるでしょう。
海外製品に太刀打ちするため
さらに国産のものに比べて、安さが目立つ海外製品に押されつつある今、価格競争だけでは勝てないのもマーケティングが必要とされる理由です。
もともと日本は、製品のクオリティが高く、「製品中心」が強く根付き続けました。特に製造業ではあまりマーケティング活動に積極的ではありませんでした。
そのため、消費者の声に耳を傾ける消費者中心のマーケティングは思うように進まず、消費者の購買意欲も上がることはありませんでした。後のリーマン・ショックでさらに消費者の購買意欲は下がり続けます。
そんなときに安価で性能も良い海外製品が流入し、日本の製品は競争力を失っていきます。
「なんとかして、海外製品に打ち勝たなくてはいけない」と、まだマーケティング戦略をとっていない多くの日本の企業は、製品の価格、質を下げ、市場シェアを広げる方向にシフトしていきます。
プロモーションの事例
マーケティングの重要性がわかったところで、マーケティング戦略でのプロモーションの事例を紹介していきます。
マーケティング活動の1つであるプロモーション(販促)は消費者とのコミュニケートを大切にし、コミュニケートを通して販売を促進していくこととなります。
それを踏まえた上で、まずは伯方塩業株式会社の事例をご覧ください。
伯方塩業株式会社
「は・か・た・の・しお」というメロディーのついたフレーズを聞いたことはあるでしょうか。おなじみの伯方の塩のCMのフレーズです。
このCMのフレーズを歌う二代目声優を、伯方塩業はオーディションで決定することを発表しました。Twitterで簡単に応募できるようにしたところ、応募が殺到し、伯方の塩のホームページにアクセスできなくなるということも起きました。
まず、ここで注目する点はTwitterを使ったという点です。伯方塩業は若い人に向けて自社製品をアピールしたいということから、若い世代にユーザーの多いTwitterを利用しました。
TwitterはSNSの中でも拡散力が極めて高く、Twitterでバズる(話題になる)ことも狙っていたのだそうです。
さらに、Twitter上で気軽に参加できるということで、より話題を集めた結果、テレビやネットでも注目を集めることとなり、プロモーションは成功しました。
Twitterを利用したこと、参加型にしたこと、手軽に応募できるようにしたこと、結果が目に見えること(有名CMにかかわれる)が、このプロモーションの成功の鍵と言えるでしょう。
トヨタ自動車
続いてトヨタ自動車でのプロモーション事例を紹介します。トヨタ自動車のプロモーション事例は数多くありますが、そのうちの1つで面白いと話題になったプロモーションがあります。
それが、「全国の悩めるしずかちゃん」に人生の先輩から、人生相談をプロデュースするトヨタ自動車の「しずカー」です。
「悩めるしずかちゃん」ということで、20歳以上の女性限定で、SNSのツールである「LINE」を使って人生相談を受け付けるキャンペーンを実地しました。
トヨタ自動車の公式LINEアカウントに悩みを相談すると、トヨタ自動車の女性向けの小型車「PASSO」に乗った人生の先輩である有名人が駆けつけてくれ、相談に乗ってくれるというキャンペーンです。
このプロモーションの目的は若い世代の車離れが深刻化しているなか、ドライブ相談と称して商品に乗車してもらうことです。そして、この体験を絡めたコンテンツは話題を呼びました。