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パーソナルブランディングとは
パーソナルブランディングとは、個人をブランド化するということです。その目的は、類似の商品やサービスからの差別化です。
現在、市場には、モノもサービスも溢れています。どれを買っても同じ、どれを選んでも大差ないということも多いでしょう。そんなときに、「同じ○○ならあの人のところに頼もう」と、顧客から選ばれるような価値を持たせるのがパーソナルブランディングです。
パーソナルブランディングの重要性
ブランディングと言えば、企業や商品に対して使われる用語でした。しかし現在では、個人をブランディングする重要性が高まっています。
インターネットの普及以来、商品やサービスを注文するときに、直接店舗に行ったりコンタクトをとったりするのではなく、まず、ネットで情報を収集することが多くなりました。そのときに初めて顧客が触れるのが、企業や個人事業主のホームページやSNSではないでしょうか。
ネット上で競合相手との差別化が図れれば、チャンスは大きく広がります。そのための手段として、今パーソナルブランディングが注目されています。
パーソナルブランディングのメリットとは
パーソナルブランディングのメリットについて考えてみましょう。まず、価格競争からの脱却が挙げられます。
競合する商品が溢れている現在では、顧客を掴むために価格競争に参入しないという選択肢はないでしょう。しかし、過酷な価格競争に勝ち抜くのはそう簡単ではありません。
パーソナルブランディングで顧客の心を掴んでおくことは、過度な価格競争で疲弊しなくてもいいということです。似たような商品で似たような価格帯である場合、「この人にお願いしたい」「この人の商品を買いたい」と顧客に思ってもらえることは大きな強みになるでしょう。
これはリピート率にもつながってきます。最初にチャンスをつかんでおけば、良い商品・サービスを提供している限り、顧客は繰り返し自社の提供するものを選んでくれるでしょう。
パーソナルブランディングのメリットは人脈が広がることにもあります。SNSで知名度が上がれば、メディアなどに露出する機会も多くなるでしょう。多くの人に自分を知ってもらうことは、ビジネスチャンスを広げることになります。
露出が増えることで、採用にもいい影響があるでしょう。経営者が魅力的である企業のほうに、意欲のある被雇用者の応募が増えると考えられるからです。
パーソナルブランディングの成功事例
パーソナルブランディングの成功例を3つ挙げます。まず、ソフトバンク社長の孫正義氏です。孫正義氏は、1981年に現ソフトバンクグループの前身である日本ソフトバンクを創設しました。日本を代表する起業家です。
孫氏には、常に新しいものを提供する企業のトップというイメージがあるのではないでしょうか。孫氏の動向は革新的だとして注目を集め、ソフトバンクも同じように革新的な企業だと認識されています。
2つ目の例は、マダムシンコ(川村信子)氏です。マダムシンコ(川村信子)氏は、「大阪といえばマダムシンコ」というフレーズで、バウムクーヘンなどのお菓子を人気商品にしました。
バウムクーヘンは、他のお店でも売られているポピュラーなお菓子です。しかし、マダムシンコ氏の個性的な外見や華やかな経歴から、お菓子に付加価値がついた例だといえるでしょう。
3つ目の例は、ZOZOTOWN(株式会社ZOZO)で有名な前澤友作氏です。前澤氏は華やかな私生活でマスコミをにぎわすことも多いですが、短期間で会社を大きく成長させた起業家として評価されています。
前澤氏は、マスコミに露出すること、また、取材を積極的に受けることで自社をPRし、イメージを向上させることに成功したといわれています。そして、2019年9月に社長を退任され、新たな会社を設立しました。
リンク-ソフトバンクグループ株式会社, https://group.softbank/
リンク-バウムクーヘン・マダムシンコー株式会社カウカウフードシステムー, http://www.cowcowfoodsystem.com/
パーソナルブランディングを成功させるための5ステップ
パーソナルブランディングを成功させるためにはどのようなことを考えればいいのでしょうか。
「今の状態を知る」「ブランドの方向性を考える」「ブランディング層を考える」「自分の強みを理解する」「発信をする」の5つについてご紹介します。
今の状態を知る
まず、今の状態を知ることから始めます。現状を知らなければ対策を立てることは難しいからです。
始めに、自分の立っている位置を確認しましょう。今の自分自身の知名度や自社の知名度がどの程度なのかから始め、認められている先達には誰がいるのか、その人たちは今、社会の中でどのような地位にいるのかを把握します。
これから展開していきたいテーマを明文化することも重要です。ゴールを考え、現在、何が足りないのか、それを得るためには今何ができるのかを考えていきます。
ブランドの方向性を考える
ブランドの方向性を考えるということは、他者から認識されたい自分をイメージするということです。どのような印象を抱いてもらいたいのか、自分をどのようにとらえてもらいたいかを考えておきましょう。
漠然としたイメージにとどまらず、言語化するといいでしょう。ライバルと比較したときに違いがはっきり分かるように差異化します。
どんな価値が提供できるのか、自分の会社と関わることで顧客は、何が得られるのかを明示することで、今後の活動の方針を決めていくことになります。
ブランディング層を考える
パーソナルブランディングで大切なことは、自分に対して興味を抱いてもらいたい対象を考えることです。どんな人に自分を見てもらいたいのか、また、自分の提供するものを知ってもらいたいのかを考え、対象を絞り込みます。
例えば、学生に向けてしたい人材会社の社長であれば、就職活動中の学生に注目してもらいたいのではないでしょうか。そのためには、Twitterなどを使用して知ってもらうことも必要です。
反対に、自分が提供するものを求めているのは誰かを考えるのも有効でしょう。その「誰か」を想定し、その人なら、どんなメッセージを求めているのかを考えることで、ブランディング層を明確にすることができるでしょう。
自分の強みを理解する
パーソナルブランディングの成功のカギとなるのは、自分のセールスポイントを知ることです。他者と比較したときに、これなら負けないという強みを持っていることが重要です。
今までの経験やバックグラウンドから、自分の強みをひとつは見つけましょう。ありきたりなものではなく、ユニークで、人間味のある特長ならば、多くの人に興味を持ってもらえるでしょう。
発信をする
従来は紙の媒体で広告をするのが主流でしたが、現在はインターネットの普及により、簡単に個人が発信できるようになりました。
ターゲットに合うメディアを考え、どんな会社なのかを知ってもらうため、効果的な発信の方法を考えましょう。現在ではSNSが有効に使われています。TwitterやInstagramなどは、用意されたプラットフォームを利用するだけなので、簡単で、効果も期待できます。
ビジュアルも重要です。どのようなファッションや生活スタイルが自分のパーソナルブランディングに合っているのかを考えて発信しましょう。
SNSだけでなくWebサイトや名刺など、露出するすべてにおいて、構築した自分のブランドを発信することを心がけましょう。
もう一つ大切なことは継続性です。だんだんと熱が冷めて発信の回数が減っていくと、フォローする人も減っていってしまいます。一度掴んだ関心を手放すことが無いように、発信を続けましょう。また、そのような姿勢が信頼性にもつながっていくと考えられます。