目次
オウンドメディアの運用代行とは
オウンドメディアの運用代行会社とは、企業の代わりにメディアを制作したり、運用したりする会社のことを指します。
委託できる業務内容は運用代行の会社によって異なりますが、コンテンツ制作や投稿などの作業面だけでなく、メディアのコンセプト立案や運用計画の策定といった戦略面におけるコンサルティングも提供している会社もあります。
オウンドメディアの運用を代行会社に依頼することで、自社の人的なリソースを削減でき、かつ専門性の高い支援を受けられるなどのメリットがあります。
オウンドメディアの運用代行ができる代表的な業務は、以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
メディアの戦略の策定 | ・メディアの目的や方向性、ターゲットの決定 ・対策キーワードの選定、数値目標の設定 |
オウンドメディアの立ち上げ | ・SEOを意識したサイトの設計、サーバーの構築 ・基調となるデザインの企画・設計 |
コンテンツ制作 | ・ユーザーのニーズの調査・分析 ・記事や動画、画像などの作成・更新 |
成果の分析や問題点の改善 | ・アクセス数や問い合わせ数などの現状分析 ・データをもとにした改善策の提案・実行 |
内製化のサポート | ・SEOなどマーケティングのノウハウの共有 ・社内の人材育成や業務の仕組み化のサポート |
オウンドメディアの運用を代行会社に依頼するかどうかは、自社のリソースや目的の規模、そして成果をどれくらい早く求めるかによって決まります。
自社に十分なリソースがあり、時間をかけてノウハウを積み上げたい場合は、自社でオウンドメディアを運営する方が向いています。
一方、リソースが限られていたり、早く成果を出したい場合は、運用代行会社に頼む方が効率的です。プロの力を借りることで、短い期間で質の高いコンテンツを作成したり、SEOを進めたりすることができ、早期に結果を出すことが期待できます。特に、自社にコンテンツ作りや運営の経験がない場合は、専門家にサポートを頼むことで、スムーズにスタートできるでしょう。
オウンドメディアの運用代行会社6選
オウンドメディアの運用代行会社を選ぶ際には、自社の目的に合っているか、そして代行できる業務範囲が自社のニーズに合致しているかが非常に重要です。
まず、自社がオウンドメディアを運用する目的を明確にしておくことが大前提です。例えば、リード獲得、ブランディング、採用強化など、目的によって必要な施策が異なるため、その目的に合ったサポートを提供できる会社を選びましょう。
加えて、代行会社が対応できる業務範囲も確認することが大切です。単にコンテンツ(記事)を作成するだけでなく、SEO、コンテンツの企画・戦略立案、運用の改善提案まで行えるかどうかも確認します。自社で補えない部分をカバーしてくれる会社を選ぶことで、運用がスムーズに進み、成果を最大化することができます。
ここでは、オウンドメディアの運用代行会社を6社紹介します。それぞれの会社が提供するサービスが、自社の目的や必要としている業務範囲に合っているかを確認しましょう。
・未知株式会社 ・株式会社LUCY ・ナイル株式会社 ・XINOBIX株式会社 ・株式会社ZERO ・有限会社ノオト |
それぞれの詳細を解説します。
未知株式会社
未知株式会社は、コンテンツマーケティングを中心に、オウンドメディアの制作・運営に関しては、SEOコンサルティング・内製化支援・記事制作・コンセプト設計 など幅広い支援を行う運用代行会社です。
コーポレートサイト | 未知株式会社 |
会社所在地 | 大阪府大阪市北区中津1丁目18-18 若杉ビル 6F |
主な支援内容 | ・コンテンツマーケティング支援 ・採用オウンドメディア支援 ・ブランディングメディア支援 ・コーポレートサイト制作支援 |
実績 |
・日本システムケア株式会社 ・株式会社桃屋 ・株式会社ラグザス・クリエイト |
未知株式会社は、コンテンツマーケティングを中心に、オウンドメディアの制作・運営に関する幅広い支援を行う運用代行会社です。
特にコンテンツの支援では、SEOの視点だけでなく、顧客の業界や事業を徹底して理解した上で、専門性の高い記事の制作にこだわっています。医療監修やM&Aなどの専門的な記事をはじめ、100種類以上の幅広いジャンルに対応できることが強みです。
そのため、自社ならではの高品質なコンテンツ制作を代行したい企業や、幅広い業界で実績が豊富な運用代行会社に依頼したい企業に向いています。
株式会社LUCY
株式会社LUCYは、特に記事制作代行サービスを得意とし、成果にこだわっている企業です。
コーポレートサイト | 株式会社LUCY |
会社所在地 | 東京都港区西新橋2-7-4 CJビル11階 |
主な支援内容 | ・コンテンツマーケティング立ち上げ&運用支援 ・SEO記事制作代行 ・ウェブサイト制作 |
実績 |
・武蔵コーポレーション株式会社:不動産会社のメディアをオープンし、公開から2年9カ月後に累計106億円の売上 ・エーテンラボ株式会社:品質の優れた記事執筆代行によりメディアがわずか8カ月で月間140万PVに到達 ・弁護士法人ベリーベスト法律事務所:SEO対策を意識したコンテンツ作成で自社メディアが月間212万PVを獲得 |
2018年9月から2023年9月までに制作した記事のうち、4割が検索結果1位、7割が検索画面の1ページ目に表示という結果も公開しています。また、定期的にイベントやセミナーを開催しており、運用代行を依頼する前に考え方や雰囲気も分かります。
成果の出る記事制作を依頼したい企業や、イベントなどで詳細を把握して依頼するか決めたい企業に向いています。
ナイル株式会社
ナイル株式会社は、SEOコンサルティングから、コンテンツ制作、運用改善まで幅広い支援を展開している企業です。
コーポレートサイト | ナイル株式会社 |
会社所在地 | 東京都品川区東五反田1-24-2 JRE東五反田一丁目ビル7F |
主な支援内容 | ・SEOコンサルティング ・コンテンツ・記事制作代行 ・オウンドメディア構築・運用支援・コンバージョン改善・サイト分析 ・SEO内製化支援 |
実績 |
・三菱UFJニコス株式会社:コンテンツ制作などによりメディアの流入数が前年比140パーセント以上増加 ・株式会社リザーブリンク:マーケティング部門の内製化を支援し、自社でのメディア運営がが可能に ・株式会社トライアルカンパニー:オウンドメディアの立ち上げから支援し、ローンチから2年で月間100万セッションを獲得 |
コンテンツ制作は、編集会社と同様に3回の編集・校正を行う体制を採用しており、自社側での修正にかかるコストを抑えられます。また、SEOの内製化も支援しており、最新のマーケティングのノウハウなどを得られる点も強みです。
そのため、修正対応などのコミュニケーションの負担をできるだけ抑えたい企業や、SEOの内製化の支援まで受けたい企業に向いています。
XINOBIX株式会社
XINOBIX株式会社は、オウンドメディアの戦略づくりからコンテンツ制作、運営改善まで一貫して支援しています。
コーポレートサイト | XINOBIX(シノビクス)株式会社 |
会社所在地 | 東京都千代田区神田多町2-1神田東山ビル7F |
主な支援内容 | ・オウンドメディア支援、運用代行、コンサルティング ・記事制作代行 |
実績 |
・株式会社イルグルム:戦略設計からコンテンツ制作まで支援し、CV(※)に寄与するリード数は月間300件超え ・株式会社CDエナジーダイレクト:オウンドメディアの方針決定からコンテンツ制作まで支援し、月間10万PVを獲得 ・Tastemade Japan株式会社:オウンドメディアの立ち上げや記事制作を支援し、500人だったユーザーが10カ月後に30万人を突破 |
顧客との編集会議を開催してコンテンツの質を上げるなど、コミュニケーションに基づくきめ細かい支援が強みです。自社の強みや特色を掘り下げるため、独自性の高いオウンドメディアの構築が行えます。
オウンドメディアの初期の設計から一貫して手厚い支援を受けたい企業や、運用代行会社とのコミュニケーションを重視したい企業に向いています。
株式会社ZERO
株式会社ZEROは、1ページ完結型のランディングページを中心に、コンテンツマーケティングに力を入れています。ランディングページ制作実績は300社以上、月間の記事制作数も1,200件以上など、豊富な支援実績があります。
コーポレートサイト | 株式会社ZERO |
会社所在地 | 東京都港区浜松町1-1-10 立川ビル5階 |
主な支援内容 | ・コンテンツマーケティング支援 ・ランディングページ制作 ・コーポレートサイト制作 ・サービスサイト制作 |
実績 |
以下のような多岐にわたる分野のコンテンツを作成 |
特に、マーケティングやセールスライティングの専門的な知見に基づく、問い合わせや購買などの成果にこだわるコンテンツの制作が強みです。
そのため、質の高いランディングページを制作したい企業や、特定の商品やサービスを訴求するコンテンツを求めている企業に向いています。
有限会社ノオト
有限会社ノオトは、主にインターネットのメディア向けに、コンテンツの企画や編集、執筆、更新などを専門とする運用代行会社です。
コーポレートサイト | 有限会社ノオト |
会社所在地 | 東京都品川区西五反田8-4-13 五反田JPビルディング2F |
主な支援内容 | ・コンテンツ制作 ・ソーシャルメディア運営 |
実績 |
・NTTドコモ:記事の企画立案や識者へのアポ入れ、取材などを一貫して代行し、PV数増加 ・株式会社リクルート:メディア内にブロガーが記事を投稿するブログで、ブロガーのスカウトや運営マニュアルの作成などを一貫して支援 ・エキサイト株式会社:毎週作成する特集記事の取材先の選定やアポ入れ、入稿まですべての作業を代行 |
コンテンツ制作のための事前取材を大切にするなど、質の高さにこだわっています。また、オウンドメディアのSNSとの連携や紙メディア向けの記事作成など、目的に応じた幅広いコンテンツ制作・運用が可能です。
そのため、コンテンツ制作を専門とする運用代行会社に依頼したい企業や、取材などを通じてコンテンツを丁寧に作成して欲しい企業に向いています。
オウンドメディアの運用代行会社の選び方
オウンドメディアの運営方法を選ぶ際には、次のような観点で考えると良いでしょう。
・代行範囲が自社のニーズに合っているか確認する
・強みと実績を確認する
・コミュニケーションの取りやすさを重視する
・長期的な視点で費用を精査する
それぞれ詳しく解説します。
代行範囲が自社のニーズに合っているか確認する
オウンドメディアの運用代行会社を選ぶ際は、まず自社が依頼したい業務範囲に対応しているかを確認することが大切です。会社によって対応できる範囲が異なるため、事前に確認しておかないと、一部の業務を自社で行わなければならなくなる場合があります。
もし、特定の業務だけを依頼したい場合は、その範囲に特化した代行会社を選ぶことで、コストを抑えることができます。たとえば、コンテンツ制作のみを委託したい場合は、記事制作に特化した会社を選べば、余計な費用がかからず、効率的です。
一方、自社に運用のノウハウがほとんどない場合は、戦略から実行まで総合的に支援できる会社を選ぶのが適しています。
強みと実績を確認する
オウンドメディアの運用代行会社を選ぶ際は、どの分野に強みがあるのか、また自社の業界や関連業界での実績があるかを事前に確認することが重要です。代行会社によっては、特定の支援や業界に対する知識や経験が不足している場合があり、クオリティーにバラつきが生じることがあるためです。
例えば、オウンドメディアの初期設計をしっかりサポートしてほしいときに、記事制作がメインの代行会社に依頼すると、期待通りの品質を得られない可能性があります。
自社のニーズにマッチした強みや実績を持つ会社を選ぶことで、修正のやり取りが減り、スムーズにメディアの立ち上げや運営が進むことが期待できます。
コミュニケーションの取りやすさを重視する
オウンドメディアの運用代行会社を選ぶ際には、担当者とのコミュニケーションの取りやすさを重視することが重要です。オウンドメディアの運用では、企業の目的や要望を伝え、その都度修正しながら進めていくのが一般的です。コミュニケーションが円滑でないと、要望がうまく伝わらず、思い描いていた運用ができない可能性があります。
例えば、担当者が自社の事業やサービスに対して積極的に質問し、コンテンツにその情報を反映しようとする姿勢があるかどうかを確認しましょう。また、進捗報告や改善点を話し合うミーティングが定期的に行われるかなど、コミュニケーションを促進する仕組みが整っていることも、判断材料のひとつになります。
長期的な視点で費用を精査する
運用代行会社の費用を確認する際には、長期的な視点で毎月の支出をしっかり精査することが大切です。オウンドメディアの運営は、戦略策定、サイト構築、コンテンツ制作など多くの業務があり、時間がかかるプロジェクトです。
多くの業務を一度に依頼しすぎると、月々の予算を超えてしまい、結果として短期間しか代行を依頼できなくなる可能性があります。そのため、予算に余裕を持たせ、長期的に代行会社を活用するためには、オウンドメディアの規模を少し抑えたり、いくつかの業務を自社で内製化することも検討すべきです。
さらに、オウンドメディアに複数の目的がある場合(例えば、ブランド強化や顧客獲得など)、それらの目的の優先順位を決めることで、予算を効率的に使いながら、必要な部分に絞って代行を依頼することも有効な方法です。
オウンドメディアの運用代行にかかる費用の目安
オウンドメディアの運用代行にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
項目 | 費用 |
戦略策定や企画 | 10万~600万円 |
デザインやソースコードの作成 | 15万~200万円 |
コンテンツ制作 | 1記事あたり1万円~ |
サイトの保守・管理 | 月あたり1万~5万円 |
サイトのコンサルティング | 月あたり5万~20万円 |
オウンドメディアを構築するためには、戦略策定、デザイン、コンテンツ制作などにまとまった費用がかかります。また、メディア構築後には、保守・管理やコンサルティングなど、運用にかかる業務にも定期的な費用が必要です。
ただし、これらの費用はあくまで目安であり、実際には会社によって料金が異なります。最適な選択をするために、複数の会社から見積もりを取って比較することをおすすめします。
オウンドメディアの運用代行会社を利用する際の注意点
オウンドメディアの運用代行会社を利用する際には、次の2点に注意することが大切です。
自社の独自性を出せるよう、運用代行会社との連携を強化する
運用代行会社が自社に合ったコンテンツを作成できるよう、運用中も積極的にコミュニケーションを取りましょう。自社ならではの知識や経験を共有することで、より専門性の高いコンテンツが生まれやすくなります。
さらに、継続的な連携によって、コンテンツの誤りや納期遅れなどの問題にも迅速に対処できます。
将来的な内製化を目指し、自社にノウハウを蓄積する
ノウハウを自社に蓄積しないと、代行会社を使い続ける必要があり、長期的に見ると費用が増えてしまいます。運用代行を利用しつつも、社内でコンテンツのチェック体制を整えるなど、自社でもノウハウを吸収・蓄積していくことが重要です。
これにより、将来的には内製化が可能となり、コスト削減や自社の独自性をさらに強めることができます。
まとめ
オウンドメディアの運用代行を活用すれば、自社のリソースを節約しながら、成果につながる専門的なサポートを受けることができます。代行会社を選ぶ際には、依頼したい業務範囲が自社のニーズに合っているかを確認し、さらにその会社の強みや実績も精査することが大切です。