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BtoB企業にオウンドメディアが有効な理由
オウンドメディアとは、自社が所有するメディアのことです。ウェブサイトやウェブマガジンなどネットに関連するものだけでなく、カタログやパンフレット、ホワイトペーパーなどもオウンドメディアになります。
オウンドメディアはこれまでBtoC企業が多く活用してきましたが、BtoB企業も徐々に増えてきています。BtoB企業において、オウンドメディアが有効な理由は以下のとおりです。
有効な理由 | 詳細 |
ブランディングにつながる | ・企業の認知度向上と信頼構築に貢献 ・業界内での存在感を高めるための有効な手段となる |
長期的に集客できる | ・広告に頼らず、良質なコンテンツによる集客で安定したリードを獲得が可能 ・検索エンジン経由の集客で長期的な効果が見込める |
潜在層にアプローチできる | ・顕在化していないニーズを持つ顧客にも情報を届けられる |
営業資料として活用できる | ・情報収集を積極的に行っている顧客を集客し、リード育成に有効 ・商談獲得率や受注率の向上につながる |
これらの理由から、オウンドメディアは今後ますます重要性を増していくでしょう。
BtoB企業がオウンドメディアを始めるための4つのステップ
BtoB企業がオウンドメディアを始めるためには、以下を行う必要があります。
1.オウンドメディアの作成方法を選択する
2.オウンドメディアのターゲットとペルソナを設定する
3.カスタマージャーニーマップを作成する
4.適切なキーワードを選定し記事を作成する
それぞれ、詳しくみていきましょう
1.オウンドメディアの作成方法を選択する
オウンドメディアを立ち上げる際に最初に考えるべき点は、社内で作成するか外部に委託するかです。外注と内製のメリット・デメリットを比較してみましょう。
作成方法 | メリット | デメリット |
外注 | ・手間が軽減される ・専門的なマーケティング視点から制作してくれる |
・高額なコストがかかる可能性あり |
内製 | ・コストが抑えられる ・内部のリソースを最大限活用できる ・スケジュールや方針の変更に対応しやすい |
・運用&保守にリソースが不足する可能性あり |
社内で作成する場合、コストは抑えられますが、運用と保守に多くの手間がかかります。一方、外部委託すれば手間が軽減される上に、質の高いコンテンツが期待できますが、その分コストがかかります。
メリットとデメリットを検討し、外注と内製の両方を組み合わせるのも戦略のひとつです。
2.オウンドメディアのターゲットとペルソナを設定する
ターゲットが直面している課題や問題を理解し、どのような情報を求めるか把握することが重要となります。そのためには、ペルソナ設定が欠かせません。
ペルソナは、具体的なターゲットユーザー像を示すための架空のキャラクターです。BtoB企業の場合、ペルソナは企業内の役職や担当者を中心に設定します。
例えば、BtoB企業の財務担当者をターゲットとした場合、財務戦略やリスク管理、資金調達の方法など、財務担当者のニーズに沿ったコンテンツを提供することで、関心を引きつけられます。
3.カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップは、顧客が購入までの過程で経験するステップやタッチポイントを可視化したものです。
カスタマージャーニーマップを作成すると、どの段階でどのようなコンテンツが必要かを把握できます。
例えば、意識を喚起するためのブログ記事、比較検討のためのガイド、購入を促進するコンバージョンページなど、各段階に合わせたコンテンツを計画できます。
どのステージでどのようなアクションを起こすべきかを明確にするのがポイントです。
4.適切なキーワードを選定し記事を作成する
オウンドメディアを多くの人に閲覧してもらうためには、検索エンジンで上位に表示される必要があります。
そのためにはキーワード選定とSEO対策、品質の高い記事の作成が不可欠です。キーワード選定の具体的な手順は以下のとおりです。
1.届けたいユーザーと彼らのニーズをイメージする
2.ユーザーが検索しそうなキーワードを洗い出す
3.キーワード選定ツール(Google Keyword Planner、ラッコキーワード、Ahrefsなど)を使って関連キーワードや検索ボリュームを分析する
4.狙うキーワードと狙わないキーワードを取捨選択する
5.選定したキーワードをもとに記事を継続的に作成し公開する
常にユーザーの視点に立ち、読みやすく価値のある情報を提供することが成功の鍵となります。
BtoB企業がオウンドメディアを始めるメリット
BtoB企業のオウンドメディアはまだ競合が少なく、独自性と専門性が際立ちやすい点がメリットです。
独自の視点や専門知識をコンテンツとして提供すれば、業界内で注目を集められる可能性は高いといえます。
さらに、自社のオウンドメディアは営業資料としても活用できます。オウンドメディアを立ち上げることで、営業資料の制作コストを削減すると同時に、企業のブランディングやビジネスの発展につながる資産となるのです。
BtoB企業がオウンドメディアを始める前に知っておきたいデメリット
オウンドメディアは導入すればすぐに結果が得られるというものではなく、結果が出るまでに時間がかかってしまいます。そのため、導入後は良い結果が得られていない状態で、継続的に運用していく必要があります。
また、単純にコンテンツを記載していけばよいわけでもありません。結果が出始める前でも、結果が出てきてからでも、良質なコンテンツを維持していく必要があるため、意外と運用と管理が大変なこともあります。
BtoB企業のオウンドメディア成功事例
BtoB企業のオウンドメディア成功事例を2つご紹介します。どのようなアプローチで成果を上げているのか参考にしてください。
Adobe Experience Cloud Blog(アドビ株式会社)
アドビ株式会社のオウンドメディア「Adobe Experience Cloud Blog」は、デジタル戦略、トレンド、コンテンツ管理、マーケティングオートメーションなどに関連する情報を発信しているブログです。
アドビ株式会社は自社のマーケティングオートメーションツールである「Adobe Marketo Engage」を販売しており、ブログを通じてその価値を伝え市場に訴求しています。
ブログ記事の品質向上や適切なキーワードの選定などの施策により、SEOによるリード獲得数が約150%も増加しました。
Money Forward Bizpedia(株式会社マネーフォワード)
「Money Forward Bizpedia」は、株式会社マネーフォワードが運営するバックオフィス業務に特化したオウンドメディアです。
会計や確定申告、経費精算、給与計算などのバックオフィス業務の効率化をサポートする情報を発信しています。
さまざまなCTA(Call To Action:ユーザーが購買などの行動へ移すために行う施策のこと)を設置することで、情報収集や関心を持ったユーザーが積極的にアクションを起こしやすくしています。
まとめ
オウンドメディアは、企業にとって強力なマーケティングツールであり、継続的なコンテンツ戦略を展開することでブランドの認知度や評価を向上させられます。
その成功のためには、ターゲット・ペルソナの設定、および適切なキーワード選定による品質の高いコンテンツの制作が不可欠です。
また、オウンドメディアは企業の貴重な資産であり、ブランドの成長を支える重要な要素となります。成功事例を参考にオウンドメディアを活用し、市場での存在感を高めましょう。