インサイドセールスとは
インサイドセールスは、営業活動のひとつのタイプで、今までの営業と比較すると効率が良い内勤型の営業です。日本で昔から行われてきた取引先を回って商談をするスタイルではなく、見込み客のデータベースなどからメールや電話を利用して営業活動を行います。
国土が広いアメリカでは物理的に取引先を巡るフィールドセールス(外勤型営業)のようなことができず、やったとしても効率がものすごく悪い営業になってしまいます。
そこで、アメリカでは効率良く利益を出せる内勤型の営業「インサイドセールス」が誕生しました。現在主流になっているスタイルは、インサイドセールスとフィールドセールスをミックスしたスタイルです。
インサイドセールスで求められるスキル
インサイドセールスを担当している人が求められるスキルは、営業職として考えると特別なモノはありません。内勤と外勤の違いはありますが、営業職としてユーザー目線で考えられる力やニーズを聞く力、ニーズを聞いての提案力などが必要になってきます。
ただし、インサイドセールスの場合はメールや電話で営業活動をすることになります。フィールドセールスと比較すれば確実に案件数は増えます。インサイドセールスで成果を上げていくためにはこれらの多くの情報を整理できるスキルが求められます。
適切な説明能力
インサイドセールスに求められるスキルとして「適切な説明能力」があげられます。メールや電話で相手企業などに伝えたいことを正確に説明できることがインサイドセールスでは大切です。
フィールドセールスでも相手に誤解のないように説明することは必要ですが、インサイドセールスでは目を見て話すことで理解してもらうことも、身振りや手振りで伝えることもできません。
ですから、文字や声のみで正確にしっかり相手に伝える能力を磨いていきましょう。適切に説明できる能力を磨くことで、インサイドセールスとフィールドセールスが連携して仕事をするときにも間違いなく役立ちます。
ヒアリング力
インサイドセールスで求められるスキルとして重要なのが、「ヒアリング力」です。見込み客の言うことをただ単に正確に聞き取れば良いというスキルではありません。相手が言っていることの本当の意味を読み取れる能力、それがインサイドセールスで求められるスキル「ヒアリング力」です。
相手の発言を正確に理解する力が身につけば、誤解を生むようなコミュニケーションはなくなるでしょう。高度なヒアリング力がある人の場合、継続的なコミュニケーションの構築も難しいことではなくなります。
インサイドセールスの効果的な施策
インサイドセールスの効果的な施策はさまざまなモノがあります。目標の売上を得るためにはいろいろな施策を実行しなければなりません。コンバージョン数を予測しやすいとされているインサイドセールスで、たとえばコンバージョン数が先月より減ったとしたら新たな施策を実行します。
インサイドセールスを導入するのであれば、短期的というよりも長期的な成果を狙った施策を立てることも大切だと言えます。安定的に成果を出せるような効果的な施策を実行していく体制づくりも必要です。
また、営業部門とマーケティング部門が連携していないと、このような施策を実行していくことは難しいでしょう。部門を超えた連携が十分に取れていれば、施策が上手くいく顧客を見つけ、その顧客と同じような層に対してより効果的に施策を実行することも可能です。
KPIを設定する
「KPI」というビジネス用語があります。重要業績評価指標という意味で、「Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インジケーター)」を略して作られたビジネス用語です。
「KPI」は業務での達成度合いで、数値測定したときに、現在の目標に対する基準や進歩状況がわかる指標です。KPIを設定するということは目標値を達成するために施策などを入念に検討していかなければなりません。ここで出された施策の効果を確認するとき、客観的な評価を可能にしたKPIが有効です。
KPIの設定はこのような評価を可能にすることからも単なる企業目標とは違うことが分かるでしょう。これがKPIの大きなメリットのひとつです。企業が目標設定をおこなっていることは当たり前ですが、その目標に向かっているのかどうかを明らかにするためにもKPIを設定した方が良いということです。
KPIを管理するようになれば、設定したKPIの数値を達成できなくしている問題点が見えてきます。改善した方が良い点も分かります。インサイドセールスを導入して、施策を実行するときに営業部門とマーケティング部門がチームになることは有効です。
さらに、KPIを設定して社員全員がその達成具合を分かるようにすれば、会社全体がチームになって目標に向かっていけるというメリットもあります。会社全体がKPIを活用すれば、社員なら誰でも客観的に判断できるようになります。
ビジネスにおいて目標を達成するために欠かせない指標がKPIです。インサイドセールスでKPIを設定する場合、設定の仕方はその目的に合わせて関連するさまざまな数値を設定するようにしましょう。
KPIの設定をして情報共有を行い、上手く人員を配置できれば、最高のチーム体制で仕事に取り組めるようになります。
見込み客について知る
自分の会社の営業部門とマーケティング部門を連携させて見込み客とのつながりを深めていくインサイドセールスは、これからの営業スタイルの核となる可能性が高いです。そのためには「見込み客について知る」ということが大切です。
インサイドセールスは顧客との関係性を維持しつつ、対応を最適化していくことで将来的に受注の機会を創出していきます。見込み客が何に興味を持っているのか、顧客のニーズはどこに向かっているのかということなどを把握しておくことがインサイドセールスのメインの業務と言っても良いでしょう。
そして、見込み客について知り、あらゆる手段を利用して役に立つ情報を提供し続けていけば、効率が良いセールスが行えるようになってきます。このような流れがインサイドセールスが注目される理由のひとつ、「人手不足対策」にもつながっています。
顧客や見込み客のステータスや行動などの情報を蓄積していき、顧客情報を適切に管理できるようになったら、初めから外に出て今までのような営業活動をする必要はありません。見込み客について深く知ることによって、少人数でも効率良くセールス活動が行えるようになり、インサイドセールスの恩恵を受けやすくなっていくのです。
情報共有を怠らない
インサイドセールスで成果を出していくためには、さまざまな情報を共有できるようにすることが重要です。昔のような営業手法とは違うということです。インサイドセールスでは、見込み客にアプローチするスタッフとクロージングをするスタッフは違います。
インサイドセールスの流れの中では、少なくとも関わっているスタッフ全員がアプローチからクロージングに向かっている見込み客の情報は共有していなくてはなりません。このような情報共有を行えるシステムを整えることも怠らないようにしましょう。