インサイドセールスとは?注目される背景と3つの手法

昨今COVID-19感染拡大防止のため多くの企業がテレワークの導入をはじめ、顧客訪問せずに会議・商談をする方法に移行し始めています。今回は営業フローを社内で完結させるインサイドセールスとはなにか、またその手法について解説します。

インサイドセールスとは

近年インサイドセールス(内勤営業)というキーワードが注目を集めています。インサイドセールスとは簡単に言うと、「オフィスで営業活動を行う」ことです。

まず始めにインサイドセールスの歴史を見ていきましょう。この営業手法は1950年代アメリカで生まれたとされています。国土の広いアメリカでの営業活動は莫大な移動時間・コストがかかり顧客訪問が難しかったという背景があります。

1990年代、インターネットの急速な普及により各家庭1台パソコンを所有する時代となりました。一般家庭にも広まった「Windows95」の影響もありマーケティング業界に大きな変化をもたらしました。

電話・メール・Web会議ツール等を使用することで非対面で営業活動を行うことが可能となり、潜在顧客への交渉から契約までの全ての営業フローを全て社内で行うことが可能となりました。

フィールドセールスとの違い

フィールドセールス(外勤営業)とは、いわゆる外回り営業のことをいいます。

日本企業の営業職の大半は、実際に顧客を訪問して交渉・契約をするフィールドセールスを行っています。情報収集・商談・契約を一人で担当するため、一日に回れる顧客数に限界があり非効率です。

しかし、実際に顧客の面前で企画提案・商談をすることで、お互いの信頼関係を築きやすいといったメリットもあります。例えば、商品を顧客に提示することが可能となり、自分の目で見て・触れることでインサイドセールスでは出来ない商品の価値や捉え方ができるでしょう。

現在はインサイドセールスとフィールドセールスの組み合わせが主流になってきています。

インサイドセールスが注目されている背景

今の時代、インターネット普及によりプライベートでも企業でも以前と比較すると対面のコミュニケーションは減少しています。それはメール・電話でのやり取りが出来るツールや環境が整備されているため、対面してコミュニケーションをとることが不要になったからでしょう。

この環境変化に対応するためインサイドセールスが注目されています。ここでは売り上げアップの新しい施策や、昨今問題となっている労働人口減少による人手不足の解消につながるなど、インサイドセールスが注目されている背景について解説します。

売上アップの新しい施策

売上アップの新しい施策として、インサイドセールスの導入は営業の効率化が図られ売上アップにつながっています。

従来の営業活動を続けた場合、企業の営業施策を行っていてもなかなか顧客獲得につながらない状況がありました。旅費・宿泊費・交際費・営業の人件費等、顧客との交渉にかかるコストは様々であり、時間がかかり非効率です。

この問題を解決するためにインサイドセールスの導入は欠かせないのです。

インターネットの環境の普及により現在の情報収集の手段は、Webサイトからが圧倒的に多いです。

アクセス情報の一元管理により顧客の必要なニーズをより正確に素早く把握することが可能で、かつ、電話・メール等で顧客のニーズ摺り合わせることで、営業経費削減となり売上アップにつながります。

人手不足の解消

人手不足とは企業が経営を継続する上で、重要な従業員の人数が不足し事業がおこなえなくなることをいいます。

従来の営業活動の場合1日あたりの対応件数は多くて4件程度でした。一方インサイドセールスは1日40件の対応が可能となり、この差は歴然です。

移動時間がかからず、電話・メール対応が可能であるため業務効率が格段にあげることが出来ますし、顧客の対応件数が上がるため成果が出やすいです。

また女性の活躍も期待出来ます。出産・子育てを機に企業を退職し、職場復帰に踏み切れない女性は多いでしょう。

「子育ての合間に仕事をしたい」「職場復帰したいが子供が熱を出した時に預ける人がいない」等の要望に対して、在宅が可能なインサイドセールスは低コストで企業が求める人材不足解消とコスト削減と両者の要望を満たしているからです。

人々の購買活動の変化

ネット環境の普及、そして昨今 COVID-19の感染拡大に伴い人々の購買活動は激変しています。

私たちの生活必需品以外の購買活動を抑制するのと同様に、企業の購買活動も必要最小限に抑制していくことでしょう。また、不要不急の外出を控えるため、楽天市場・Amazonといったネットショッピングに切り替わっています。

企業も不要な設備投資を避けるため、購買活動は長期化が予想され製品の機能や信頼性、利益率をアップすることが出来るのかが重要課題となってきます。

ネット環境の普及により、情報収集の手段はWebサイト中心となっているため他社製品との比較もWebサイト内で完結してしまいます。従来の顧客を訪問して売り込むスタイルでは契約や難しくなってきているのです。

インサイドセールスの3種類

インサイドセールスには、「インサイドセールス特化型」「フィールドセールスパス型」「混合型」の3種類に分けることができます。

それぞれの特徴と意味を知り、実際に活用していきましょう。それでは詳しく説明していきます。

インサイドセールス特化型

インサイドセールス特化型とは文字通り、インサイドセールス中心の営業活動のことをいいます。

全ての営業活動をオフィス内で完結するため、オンラインセールスともいいます。業務効率化には最適な反面、全ての営業活動をオンラインで行うため、高額商品や内容が複雑な商品には向いていないです。

このような案件は、実際フィールドサイド陣営が商品を売り込んでいくことが顧客も安心することができます。

フィールドセールスパス型

フィールドセールスパス型とは、リード獲得・リード育成・アポ獲得はインサイドセールスが担当し、クロージングに向けてフィールドセールス担当にパスする方法です。

例えば、高額な商品を販売する場合、複数回の交渉による信頼関係を構築し契約に進んでいくことが営業の仕事でした。

また「内容が複雑な商品は実際に見て触る」このような案件は、インサイドセールスが顧客との関係構築・アプローチヒアリングを行い、フィールドセールスにパスすることも出来ますし、自身でクロージングすることも可能です。

フィールドセールスはクロージングに向けて商品を提示し交渉していきます。

ネット環境が普及している現在でも、高額な商品・内容が複雑な商品を販売する場合は、従来のように訪問が必要であると考える企業はあります。

そうした場合は、顧客との交渉をフィールドセールスが担当します。

混合型

混合型とはインサイドセールスとフィールドセールスが合体した方法です。

フィールドセールスは存在しますが、インサイドセールスが交渉・クロージングまで進めることもあります。

インサイドセールスがフィールドセールスにパスすることもあれば、インサイドセールスがそのままクロージングすることも可能であるため、顧客に応じた柔軟な対応が出来ます。