【潜在顧客へのアプローチ】掘り起こしから獲得までの流れを紹介

顧客獲得の施策として「潜在顧客へのアプローチ」は企業が注力すべき対策のひとつです。明確な需要を感じている顕在層へのアプローチはしているものの、潜在顧客へのマーケティング施策が不十分、と課題を残している企業も少なくありません。そこで今回は、潜在顧客にアプローチするメリットや効果的な手法を紹介します。

潜在顧客とは

潜在顧客とは、漠然な不安や悩み、課題などを抱えている顧客のことです。自社の商材(製品・サービス)を知らない顧客に対しても使われます。

潜在顧客は自身の心の奥底で課題などを感じているため、本人も明確に「何をしたいか」の欲求に気付いていない場合もあります。そのため、自社の製品・サービスが結果的に潜在顧客の欲求を満たしていても、本人は魅力や価値を感じず、消費行動に起こさない可能性が高いです。

ただし、潜在顧客は自覚がないだけで、きっかけを与えることで必要性に気付き、顕在顧客へと昇華させることができます。

顕在顧客とは

自身の欲求をはっきりと理解している顧客のことです。自社の製品・サービスに関連するテーマやジャンルに興味関心があり、自身の欲求を満たすために情報収集や比較検討などの行動を起こしている顧客を指します。

主な潜在顧客へのアプローチ手法

潜在顧客への効果的なアプローチは、4つの手法があげられます。

展示会・セミナー

展示会やセミナーの参加者は、自社に類似した製品やサービスに興味関心の高い潜在層が多いと考えられます。

展示会やセミナーを通して、製品・サービスの説明ができるため認知を拡大できます。また商材に関する懸念点などを解消することも可能なため、商談のアポ獲得に繋がりやすいです。

また、オフライン会場だと名刺交換をしておけば、後日の電話やメールを拒否されにくくなり、後追いのアプローチも円滑に実施できます。

プレスリリースの出稿

プレスリリースは、新聞や雑誌、ラジオやウェブサイトなどに自社の製品・サービスや取り組みを発信する方法です。幅広い層に対して自社製品・サービスの認知獲得が期待できます。

新聞やウェブサイトなど、各メディアがニュースとして取り上げたくなるようなプレスリリースを出稿する必要があります。また、プレスリリースを閲覧したユーザーが製品・サービスの情報を得られるように、ウェブページや問い合わせページへの導線を確保しましょう。

オウンドメディアの運営

潜在顧客が情報収集のために検索した際に参考になる記事を見てもらい、抱える悩みやニーズを自覚し、自社の製品・サービスへの認知につなげられる方法としてオウンドメディアが有効です。

長期的な集客効果を狙うなら、オウンドメディアなら、一度作成したウェブサイトやコンテンツは削除しない限り残り続けます。検索エンジンで上位表示できれば、24時間いつでも潜在顧客にアプローチできるメリットもあります。ただし、オウンドメディアで積極的に潜在顧客へアプローチするためには、ユーザーの情報収集に役立つ記事が欠かせません。

さらに売上につなげるためには、単純に情報収集で終わらせず、自社製品やサービスの認知につながるサイト構成が不可欠です。 ターゲットが問い合わせしたくなる導線設計や、自社の強みが伝わりやすい構成ができているか確認して、記事のアップロード後も適宜改善しましょう。

また、ホワイトペーパーの内容も購入・問い合わせにつながる導線設計となっているか、見直しましょう。 自社サービスサイトやホワイトペーパーの質も改善できれば、潜在顧客からの問い合わせ率や成約率をさらに高められます。

Web広告の展開

Web広告は、インターネットを使用する人々の目に留まりやすく拡散力が高いため、潜在顧客へのアプローチに有効です。

Web広告には、主に以下の種類があります。

広告の種類

概要

ディスプレイ広告

Webコンテンツと関連性の高い広告を表示する

検索連動型広告

ユーザーが検索したワードと関連性の高い広告を上位表示する

動画広告

テレビCMやYouTubeなどの動画内に表示させる

SNS広告

X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどソーシャルネットワークサービスに表示させる

Web広告は、ユーザーが意識して商品やサービスを探さずとも、Webコンテンツを閲覧している際に自然と視覚に入り、関心を引き寄せます。興味をもってもらうための導線として、積極的に活用したいアプローチ方法です。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、ユーザーに直接的にアプローチをするマーケティング方法です。ダイレクトマーケティングの方法には、以下などがあります。

・電話
・電子メール
・ダイレクトメール
・会員限定のセール

特に電話では、商品を売り込むタイプの営業よりもより効果を発揮します。ヒアリングをしながらコミュニケーションをとると、ユーザーがカスタマージャーニーマップのどの位置にいるか読み取れるからです。

ユーザーは商品やサービスを知ったばかりなのか、試用品を試したことがあるのかなどで売り込み方は変わってきます。ユーザーの現在の段階を汲み取りながら、状況に合わせたアプローチを心掛けましょう。

また、ダイレクトマーケティングには、潜在顧客リストの作成が不可欠です。効率的にマーケティングを行うためにも、顧客名・住所・連絡先・会社名など最低限の情報をデータベースにまとめておきましょう。

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潜在顧客の掘り起こしから獲得までの流れ

潜在顧客にアプローチして獲得するためには、いくつかのプロセスを把握する必要があります。潜在顧客の掘り起こしから成約までの流れを解説します。

1.認知の獲得

まずは自社の製品・サービスの存在を認知してもらい、自身の欲求を自覚してもらう段階です。この段階ではプル型ではなくプッシュ型のアプローチが適しています。例えば、展示会やセミナーの開催、広告の出稿が該当します。

2.興味関心を引き出す

興味関心を引き出して「ちょっと試してみよう」「1回買ってみても良いかな」と購入や契約の選択肢が与えます。

このプロセスで重要なのは、製品・サービスの内容を理解しやすいコンテンツです。ウェブページやカタログなど、製品・サービスの魅力や利用することで得られるベネフィットが伝わるコンテンツを提供します。

得られる情報が分かりやすく、詳しい内容であれば、比較検討段階の候補に自社製品・サービスが加えられる可能性は高くなります。

3.優位性を示す

潜在顧客は、情報収集にともない自社製品・サービスの競合も、比較検討の候補に加えています。ある程度の候補が揃ったら、次は最終判断を下します。解決したい目的や得たいメリットを軸に、自分に合った製品・サービスを比較検討します。

比較検討時の特徴は、潜在顧客ごとに重視するポイントや求める内容が大きく異なることです。安さを重視するタイプもいれば、多少高額でも品質や実績を重視するタイプもいます。どのようなユーザーに自社の顧客になって欲しいかを明確化して、その層に刺さるような情報の出し方が必要となります。

4.購買意欲を促す

比較検討の結果、最終的に選ばれれば購入や申込みに至ります。ただし、導線がスムーズではない場合、途中で離脱されるおそれがあります。

たとえば「申込み用のメールフォームが使いにくい」「希望する支払い方法に対応していない」など、顧客が不便さを感じた場合です。製品・サービスの購入に至った顧客の流出を防ぐために、成約までの導線をスムーズ化しておくことも重要です。

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潜在顧客の分析を踏まえてアプローチをする

潜在顧客を分析し、商品やサービスを購入してもらえるようアプローチします。相手の詳細な情報をチェックするペルソナ分析を取り入れて、より欲求に適した商材を見つけ出し、詳しくアピールしていくことが大切です。

このペルソナとは、商材に興味を持ってくれそうなターゲットのことを指します。個人情報となる性別、年代、職業、家族構成などを分析することをセグメンテーション分析と言い、より詳しく潜在顧客が求めるものを分析することができるものです。

そして、セグメンテーションからどのような自社商品を選び、アピールすればより売れるのかチェックし、さらにターゲティングをして層を絞り込んでいきます。

それからペルソナの明確化を行っていくことで、より簡単なアピール方法でも購入するターゲットを絞り込むことができるのです。

ここでは、しっかりターゲットを絞れるよう、ペルソナの明確化について取り上げ、詳しくご紹介します。

ペルソナの明確化

潜在顧客のニーズの分析で大事なペルソナの明確化は、買ってもらいたい商品や、サービスのニーズに合うターゲットを見つけることが大事です。

それには、まだ商品内容やサービスの魅力について知らない潜在顧客に、より的確な情報を提供するために、誰をターゲットにしているのか、顧客の情報をチェックすることが求められます。

潜在顧客の性別や年齢、職業、住所、子供の有り無しなどの情報を明確にし、ここから見えてくるセグメンテーションよりターゲティングを行うことが大事です。

また、企業の場合は会社の業種や規模、所在地などからセグメンテーション分析を行い、情報を元に、ターゲットとなる層を絞るターゲティングを行っていきます。

それから競合会社が販売する商品やサービスから、どこをどう差別化すればより自社商品を選んでくれるかを考えて、はっきりしたポジションニングをしていくことが大事です。

顧客分析

顧客分析をする上で、購買行動の分析を行うことが大切です。顧客がどうしてその商品やサービスに興味があるのか、必要としている理由について調べます。

そして、どのような動機であるから商品を使ってみたいのか、どうしてそのサービスが必要なのかをさらにチェックすることも大事です。

それからその商品をいつ、どこで、何個ほど購入したのかという結果を分析することで、どの年代、性別がどの時期、時間、季節に合う商品を探しているかを把握できます

結果を把握すれば、いつ、どのターゲットを狙って商品やサービスを売り出せば、より購買意欲を刺激し、売り上げにつながるかが分かるでしょう。

また、潜在顧客の需要を把握することで、さらなる購買につなげていくことができ、多くの顧客の商品やサービスに対する満足度が向上していくことにもなります。

そのため、ペルソナ分析をして、潜在顧客が商品に興味を示す時期にターゲットとなるようマッチ度を見極め、購買できるベストなやり方でアピールすることが賢い潜在層の堀り起こし方法となるでしょう。

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潜在顧客へアプローチする際の注意点

潜在顧客にアプローチしても反応がない場合、同じアプローチを無理に続けると逆効果になってしまう可能性があります。

自分の欲求に気づいていない可能性が高いため、まずはニーズに気づかせる取り組みをしましょう。人それぞれ欲求は異なるため、潜在顧客一人ひとりに合わせたアプローチが必要になります。

また、自社商品・サービスに興味をもってもらった後や成約してもらった後も、それで終わりにせずアプローチを継続しましょう。引き続きアプローチすればリピーターとなり、さらに口コミで潜在顧客を掘り起こしてくれる可能性があるからです。

潜在顧客が常に目を引くような定期的なアピールを続け、競合へ流れてしまうのを防ぎましょう。

まとめ

顕在顧客よりも母数の多い潜在顧客は、新規開拓に適したターゲット層です。売上を伸ばしたい・新しい顧客層を獲得したいと考えるなら、競合の多い顕在顧客よりも潜在顧客を視野に入れた施策を検討しましょう。

展示会やセミナー、プレスリリースなど、潜在顧客へのアプローチ方法は複数あげられます。継続的な集客効果を狙うなら、オウンドメディア運営がおすすめです。