差別化戦略とは?重要なポイントや事例をもとに解説

差別化戦略によって、成功をおさめた企業はたくさんあります。自社のブランド力とはなんでしょうか。自社の強みを知って、ライバル他社よりも優位に立つにはどうしたらいいのか、いくつかの成功事例などを踏まえながら、差別化戦略の成功の鍵を探ってみました。

 

差別化戦略とは

差別化戦略というのは、他の企業とは違った視点によって、商品やサービスなどにおける差別化を図り、優位な立場を築いていく戦略のことを言います。つまり、その企業にしかない特徴を売りにし、他社との競争に打ち勝っていこうとするものです。 差別化戦略を日本で採用し、成功している企業に、オリエンタルランド、モスバーガーや任天堂などがあり、そのブランド力を生かしています。 差別化戦略は、ハーバード大学の経営学者である、マイケル・ポーター氏が提唱した戦略のひとつとして挙げることができます。マイケル・ポーター氏が提唱したものには、差別化戦略のほかに、「コスト・リーダーシップ戦略」や「集中戦略」などもあります。 「コスト・リーダーシップ」は、徹底的なコストカットによって低価格を売りにその業界で優位な立場を築き上げていく戦略です。安くても利益をあげる仕組み作りが求められます。 日本でよく知られているコスト・リーダーシップ戦略を採用している企業に、日本マクドナルドやユニクロなどがあげられます。 「集中戦略」は、特定の地域性や特定の顧客層、特定の流通などを大いに生かして、コスト・リーダーシップ、または差別化戦略、もしくはその両方を達成させる戦略のことを言います。ターゲットが明確であるため、戦略は効果的に実行することができます。  

差別化戦略のポイント

差別化戦略を成功させるためのポイントは、その企業にしかない特徴をどれくらい挙げられるかにかかっていると言ってもいいでしょう。 つまりブランド力であったり、イメージ力であったり、自社にしか生み出すことのできない製品や技術、サービスなどのことを言います。 またこれらで、どのように顧客のニーズをとらえることができるか、その売り込み方法も差別化戦略には重要なポイントとなってきますので、オリジナリティだけが必須というわけでもありません。 どんなにいい技術があっても、売り込み方を間違えると意味がありません。一部のマニアにしか受けないような売り方をしてしまうと差別化戦略が成功したとは言えないでしょう。 今回は差別化戦略における重要なポイントをご紹介していきますのでぜひ参考にしてみて下さい。

自社の売り込みたいポイントや伸ばしていきたいポイントを明確にする

差別化戦略を成功させるためには、自社のアピールポイントがなにでどこにあるのかを明確に示す必要があります。またその商品やサービスのメリット、どういうことに役立つのかということを自覚しておかなければいけません。 その中で、見落としがないかということを徹底的に調査し、いろいろな視点や角度から見つめ直します。 そして、その商品の売りをどこにするのかを改めて決めていきます。今まで漠然としたイメージで販売していた商品を、例えば、利便性を売りにしたいなどとすることです。 あるいは、他社の商品と比較し、今までにはなかった機能を搭載してみて、そこを売りにするということも差別化戦略を成功させるために考えなければならないポイントとなります。

ユーザーの共感を呼ぶ

差別化戦略を成功させるための具体的なポイントは、誰にその商品を買ってもらうかということを、徹底的に考えることです。 誰というのはもちろんユーザーということになりますが、そのターゲットとなるユーザーを特定の人格(ペルソナ)として明確に想定することが大事です。 自社の商品を購入するユーザーの年代や性別、どこでどのように使うのかなど、細部にわたって具体的なイメージをもつようにします。 特化したペルソナに対して、商品を販売していく場合、ユーザーは今、どのようなことを悩んでいるのか、またどのような嗜好をもっているのかなど、傾向が把握しやすくなってきます。 その上で、顧客の悩みや理想などに添った商品やサービスを外すことなく提供することが可能となります。  

差別化戦略の成功事例

差別化戦略をすることで、マーケットで主導権を握ることができるということがわかったでしょうか。あとは実行するのみ、と言いたいところですが、実際にはそんなに単純ではありません。 差別化戦略を実践している企業も初めは悪戦苦闘の連続であったところも多くあります。 現在、成功をおさめている大手の企業でも、窮地に立たされてしまったことも幾度もあるのです。しかしそのたびに試行錯誤を繰り返して、その企業にしかないブランディングを見つけていくことができたのです。 そして、差別化戦略を成功させている企業に共通して言えることは、自社のアピールポイントを自覚しているということです。 その点に注意しながら、ファミリーマートと今治タオルの成功事例を見ていきましょう。

ファミリーマート

現在、コンビニ業界でトップを走っているのは、セブンイレブンです。セブンイレブンの強みは商品を開発する力です。新しい商品とその充実した品揃えは、誰もが納得の地位であると言えます。 対抗するファミリーマートは、店内環境を差別化戦略に打ち出して、トップを狙っています。セブンイレブンに勝つために、商品開発力にあえて力を注ぐよりも、もともとファミリーマートの特徴であった、店内環境をさらに磨くことこそ、勝利をおさめる近道になると考えました。 店内環境を整えるというのは、つまりイートインスペースを充実させることにあります。顧客のニーズをくみ取り、集客を増やすための戦略として、イートインスペースを充実させて、セブンイレブンに対抗することにしました。 外回りのサラリーマンや学生など、コンビニでお弁当や飲み物を買っても、食べる場所のない人たちに場所を提供することにしました。 最近はわずかな空間でもイートインスペースを作っていたり、さらに過ごしやすいように電子レンジや湯沸かしポットなどが置かれていたりするファミリーマートも見受けられます。 セブンイレブンという絶対的なライバルがいることで、ファミリーマートの新たな戦略が生まれたということになります。 リンク-ファミリーマート公式ウェブサイト, https://www.family.co.jp/

今治タオル

今治タオルは、いまや誰もが知っている、白くて高級感溢れるタオルのブランドメーカーのイメージが強いですが、製造しているのは四国タオル工業組合の組合員である企業です。 大手の企業ではなく、その上、海外から輸入した安い商品におされて、販売が厳しい状況に陥 っていました。 そこで今治タオルは、自社の「強み」はどこかを改めて探してみることにしたのです。外部からの意見なども真摯に聞いて受け止め、自社が掲げてきた「安心・安全・高品質」をもう一度見直してみました。そこにこそ答えは隠されていたのです。 「安心・安全・高品質」をさらに徹底的に追求することで、今まで、高度な技術を要して作られる柄物を諦め、あえて真っ白で無地のタオルのみで勝負することを決断したのです。 今では、今治タオルと言えば、清潔感溢れる真っ白な生地で、肌に優しく、誰もが安心して使える「いいタオル」というイメージを作りあげ、定着させることができました。そういった取り組みが全国で注目を集め、展示会などに出展するまでに至ったというわけです。 自分たちの強みをしっかりと見極めて、決断し、迷わず突き進んでいくことが差別化戦略を成功させる大きな鍵であると言えるでしょう。 リンク-今治タオルオフィシャルオンラインストア | 今治タオル公式通販サイト, https://imabari-towel.jp/shop/default.aspx