集客プロモーションとは
プロモーションとは「販売促進」を意味しています。集客プロモーションとは、消費者とコミュニケーションを取り、商品や会社に対する関心を高めさせ、集客へとつなげていく一連の活動を指します。
プロモーション方法の具体例として、チラシに載せて商品をPRしたり、Emailを活用したり、Webサイトを運用したりすることが挙げられます。特に、Webサイトを運用することは、ネット社会の現代では重要となります。
プロモーションする上で、まず大切なことは、コンセプト(基調とする考え方)を整理することです。
コンセプトが固まっていないと、消費者とのコミュニケーションもあやふやになってしまいます。会社の売りは何か、商品や価格にどんな特長があるのか、会社はどんな雰囲気なのか、などを整理して消費者とのコミュニケーションにつなげていきます。
プロモーションと似た言葉に「ブランディング」があります。ブランディングも、商品の購入へとつなげていく上では重要な施策の一つとなります。
しかし、施策の内容と目的は少し違っています。プロモーションは、あくまでも販売促進をするために行う活動であり、商品の売り上げを良くすることが目的です。
これに対して、ブランディングの目的は、商品や企業の株を上げることです。商品や企業に対するイメージを消費者に定着させ、「ブランド」としての価値や評価を向上させていくための活動がブランディングです。
その過程で売り上げを良くする必要があるかもしれませんが、それ自体が目的ではありません。
集客プロモーションの成功事例
集客プロモーションを成功させるためには、消費者の行動意欲を引き出す必要があります。そのためには、情報を拡散させ認知度を高める手段が重要となってきます。
また、商品だけではなく、他では味わえない楽しい体験がセットであれば、消費者が「行ってみよう」という気持ちになる可能性があります。
ここから、実際に集客プロモーションを行い成功した事例を、2つ紹介していきます。
セブンイレブンジャパン
大手コンビニチェーンであるセブンイレブンジャパンでは認知度を高めるために、7月11日を「セブンイレブンの日」としてTwitterを利用しました。
来店を促進し、商品の口コミを増やすために、「 #セブンイレブンの日」というハッシュタグをつけたツイートを一週間前から投稿しました。当日の7月11日には、7時11分の時刻に合わせてツイートしたり、プレゼントキャンペーンを行ったりしたことで、多くの客を呼び寄せました。
また、「セブンイレブンの日」に関連したツイートを他企業の公式アカウントが呟いたことで、さらに大きな関心を呼び寄せました。結果的に、セブンイレブンに関連したツイートをしたユーザーは、前年比の5倍となる約7万人となりました。
このように、Twitterを利用した集客プロモーションは、瞬く間に「セブンイレブンの日」の認知度を高める結果となりました。
佐賀県
現代、日本の重要課題の一つが、地方創生です。佐賀県では、「サガプライズ!」という地方創生プロジェクトに取り組んでいます。企業やブランド、ゲーム、アニメとのコラボを行ってファンを誘致し、活動から得られた知見や手法を地域にフィードバックしています。
人気ゲーム「Splatoon(スプラトゥーン)」とコラボした「Sagakeen(サガケーン)」は、ゲームの主人公がイカであり、佐賀県の名産の一つもイカであることから取り組みが決定しました。佐賀県の魅力を発信するために、東京タワーと地元でイベントを行いました。
そして、コラボグッズの販売やスタンプラリーなどを実施することで1万人以上の集客につなげました。
話題のテレビアニメ「銀魂」とコラボした「佐賀春プロジェクト」は、主人公の銀さんが佐賀県を本気でプロデュースする企画です。アニメに登場する万事屋のペットに佐賀県の名物をまとわせ、「佐賀春」と改名し、佐賀県の公式ご当地キャラに任命しました。
佐賀春の等身大像を、佐賀駅の広場にイベント期間限定で設置したり、コラボグッズを販売したりし、全国各地から集った銀塊ファンが会場を賑わせました。
このように、コラボ先の魅力を最大限に引き出しながら、佐賀県の魅力を訴求する「サガプライズ!」は、地方創生につながる集客プロモーションとなっています。
事例から学ぶ
前述の成功事例から、集客プロモーションを成功させるためには、SNSを活用したり、コラボレーション企画をしたりすることがコツであると言えるでしょう。
ここから、集客プロモーションにおすすめのSNSや、コラボレーション企画について紹介していきます。
SNSを活用する
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、ネット上でのコミュニケーションを主な目的として設計されたサービスです。当初の目的は個人同士が結びつくことでしたが、SNSを上手に活用することで、企業のプロモーションの手段としても高い効果を期待できます。
SNSを活用したプロモーションは、消費者にとって企業や商品を身近に感じやすく、知名度や好感度が高まることで集客効果が見込めます。
また、SNSは拡散力が高いため、情報がシェアされやすいことがメリットです。ユーザーは、投稿に対し「いいね」をクリックすることができます。そして、「いいね」を多く獲得した投稿が、友達に「シェア」されることで拡散されていき、認知度を高めることができます。
SNSの利用者は、かつては若年層が中心でしたが、近年は中年層も増加しています。日本人に人気の4大SNSは、LINE、Twitter、Facebook、Instagramです。集客プロモーションにおいても、まずはこの4大SNSの中から、自社のコンセプトや戦略に合ったものを選ぶと良いでしょう。
4大SNSの中で、拡散を狙うのであればTwitterがおすすめです。Twitterは、メッセージ(ツイート)、画像、動画、URLを投稿できます。若年層向けのイメージが強いですが、現在は幅広い年齢層で利用されているという調査結果もあります。
Twitterは匿名でアカウントを作成でき、複数のアカウントを持つこともできます。気楽に投稿し、ネット上でのオープンなやりとりにも使われています。企業でも個人でも、商用利用の場合でも、アカウント作成は無料です。そのため、気軽に利用できるSNSと言えるでしょう。
Twitterで人間味あふれるツイートをすることで、企業の堅いイメージではなく、企業の中の人が垣間見えます。それにより、ユーザーに企業を身近に感じてもらい、共感を得ることで、認知度をアップする効果が期待できます。
Twitterは4大SNSの中で特に、一瞬で拡散が起こる力を秘めていると言われています。そのため、炎上が起こりやすいという反面もありますが、運営を慎重に行いながら、集客プロモーションに活用したいSNSと言えるでしょう。
コラボレーション企画をする
コラボレーション企画をすることのメリットとして、新規顧客の獲得や、ブランドの活性化などが挙げられます。
「サガプライズ!」の事例のように、コラボ相手が既に獲得しているファンを、新たに自社の顧客として誘い入れることができると期待できます。
さらに、集客プロモーション活動におけるコストをコラボ相手とシェアすることで、コスト減やコスト効率アップにつながります。また、自社にはないコラボ相手の手法やブランドイメージから、これまでの自社の活動を見直す事にもつながります。
これらのメリットから、コラボによってブランド全体が話題となり、ブランドの広告のような役割も果たすと期待できます。つまり、集客プロモーションは、ブランドの活性化にも役立つと言えるでしょう。
コラボを企画する際には、コラボ相手と自社の方向性や客層などが一致するかを事前によく検討する必要もあります。
コラボしたという一過性のプロモーションに終わらせず、コラボ後も魅力が記憶に残る工夫や、消費者にとって価値のあるサービスとなるように企画していくことが大切となるでしょう。