目次
コーポレートサイトリニューアルの進め方
サイトリニューアルを行う際は、いきなりデザイン変更など着手するのではなく順序を踏んで進めるのがコツです。
では具体的にどう進めたら良いのか、コーポレートサイトリニューアルの進め方を解説します。
1.現状分析を行う
まず着手すべきは、現状分析です。現在の課題をコーポレートサイトのリニューアルで解決できるのか確認するため、リニューアルの目標を定めるために必要な工程です。アクセス解析ツールなどを使用し、リニューアル前のコーポレートサイトの現状を把握します。
アクセス解析を行うと、ユーザーが何を求めてどこから来たのか、どのページを閲覧しどこで離脱したのかを確認できます。そのための分析には、Google AnalyticsやGoogle Search consoleなど解析ツールの活用がおすすめです。
また、現状分析では、3C分析と呼ばれる自社分析に用いられるフレームワークを活用しましょう。「Customer(市場・顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の3つの要素から分析を行います。
外部の状況を分析することで客観的な視点から自社の状況を把握できるため、現状分析に有効とされています。
2.課題・改善点を洗い出す
次に現状分析を踏まえ、課題や改善すべき点を洗い出しましょう。
例えば、分析結果からスマートフォンからの流入はあるものの、離脱率が高いとします。この場合、レスポンシブ未対応のページがあり、閲覧のしにくさから離脱しているユーザーが多いと考えられます。
レスポンシブ未対応の状態なら、デバイスの画面幅ごとにサイトが見やすくなるように改善が必要です。
また自社サイトだけなく競合サイトとの比較分析の結果から、自社の強みや弱みを明確にできます。
流入キーワードや流入元を比較したり、トレンドのデザインを取り入れているかを比較したりするのが有効です。自社の弱みを補った上で、競合サイトとの差別化を図る改善案を洗い出しましょう。
3.リニューアルの目標とKPIを設定する
目標を達成するには、KPIの設定が重要です。KPIとは目標を達成するための指標となるもので、業績を評価して達成状況を管理するために設定します。KPIの具体例は、以下などです。
・リニューアル後のサイトアクセス数〇件 ・問い合わせページへ遷移率〇%向上 |
KPIの設定は、月間アクセス数・週間アクセス数など詳細な目標を立てます。また、達成率を管理できるよう可能な限り数値で設定しましょう。
4.納期や予算を決める
リニューアルはいつまでに完成させなくてはいけないのか、リニューアルにかけられる費用はいくらまでかを決めましょう。
リニューアルを外注する場合の制作期間や費用は、コーポレートサイトの規模や、リニューアル範囲により異なります。どの規模のリニューアルを想定しているのかを踏まえ、おおよその予算を算出しましょう。
一般的な価格帯は以下のとおりです。
価格帯 | リニューアル規模 |
10~50万円程度 |
・デザイン刷新のみなど ・シンプルで軽微なリニューアル |
50~100万円程度 | ・ページ追加、機能追加など ・作り込みが多めのリニューアル |
100万円以上 | ・集客やブランディングを意識した設計 ・大規模なリニューアル |
いつまでにリニューアルが必要か決まっている場合は、あらかじめ外注先へ伝えましょう。どの規模感のリニューアルであれば納期に間に合うのか、事前のすり合わせが必要です。
5.制作会社を選定する
リニューアルの目的や範囲、予算を踏まえ制作会社を選定します。制作会社を選ぶ際に確認したいポイントには、以下が挙げられます。
・制作会社の対応可能範囲(機能改修が可能かなど) ・自社の実施したいリニューアルに近い実績はあるか ・ウェブサイトの運営経験 ・見積書、提案書の内容 ・質問に対し分かりやすく回答をしてくれるか |
費用や期限、要件など制作会社から要望の受け入れが難しいといわれる場合もあるでしょう。そのような場合の企業の対応も、ひとつの判断基準にできます。
受け入れができない納得のいく理由を説明したり、代替案を出したりしてくれる制作会社であれば、後々のトラブル回避につながります。
6.要件定義を進める
依頼した制作会社と協議の上、リニューアルの要件定義書を作成します。要件定義書とは「このようなリニューアルをしたい」との発注者の要求を受け、受注者が要件や作業工程をまとめたものです。
要件定義書をもとにサイトリニューアルを実施するため、以下のような内容をできる限り詳細に決めておきましょう。
・サイトリニューアルを行う背景や目的 ・プロジェクト概要(ターゲット、コンセプト、デザインイメージ) ・KPI ・予算 ・スケジュール、作業工程 ・サイトマップ ・インフラ要件 ・セキュリティ要件 ・納品方法・納品物 ・リニューアル後の運用方法 |
コーポレートサイトのリニューアル後に実施すること
コーポレートサイトのリニューアルが完了したら、リニューアルの告知と効果検証を行いましょう。リニューアルの告知をする場所は、主にコーポレートサイトのお知らせページや、SNS、広告などです。
プレスリリースを行う場合は、マスコミがニュースにしたくなるような興味を引く内容を意識しましょう。他社と比較して強調すべき点はあるか、社会的意義があるか、トレンドや季節に合っているかがポイントです。
また、リニューアル前に設定した目標・KPIをもとに、効果検証をする必要もあります。現状分析時と同様に、アクセス解析ツールをもちいてリニューアル後のアクセス数や滞在時間、離脱率などを数値化し検証します。
検証は定期的に実施し、検証結果をもとに随時コーポレートサイトを更新しましょう。
コーポレートサイトのリニューアルを検討すべきタイミング
コーポレートサイトのリニューアルは、※3〜5年程度で着手する企業が多い傾向にあります。一般的にリニューアルを検討すべきタイミングは、以下のようなケースです。
・デザインが古くなってきたとき ・問題点を改善したいとき ・企業イメージを一新したいとき ・企業情報が古いままになってしまっているとき |
※出典:コーポレートサイトリニューアルの目的とタイミング (王道DX)
デザインが古くなってきたとき
デザインが古くなってきたと感じたら、デザインを刷新する良いタイミングです。コーポレートサイトのリニューアルにより、そのときのウェブトレンドを取り入れられます。
特にBtoC企業は、一般消費者のトレンド変化に合わせて、BtoB企業より短い間隔でリニューアルすることが多いとされています。
また、デザインを古いまま放置していると、パッとしない企業だと印象付いたり、もう稼働していないサイトだと思われたりしかねません。デザインはコーポレートサイトの印象を左右する重要な要素です。古くなってきたと感じたら、リニューアルしてデザインを刷新しましょう。
問題点を改善したいとき
普段は大がかりでなかなか解消しづらいサイト自体の問題点を改善するのにも、リニューアルは良い機会になります。
例えば、スマートフォン・モバイル端末向けのレスポンシブデザイン対応などが挙げられます。近年ではウェブサイトをモバイル端末から見る人が多いため、モバイル端末向けの対応を取り込んだリニューアルをすると良いでしょう。
ほかにも、読み込みスピードや使い勝手の改善、複雑なサイト構造の見直し、内部リンク切れなども挙げられます。ウェブサイトの設計や仕組みそのものの問題を解決したいときは、リニューアル時に改善していきましょう。
企業イメージを一新したいとき
自社の経営方針・コンセプトを新たにするタイミングで、コーポレートサイトをリニューアルすると良いでしょう。
企業のコンセプトやブランドイメージを変更したいときは、ロゴやイメージカラーも変わる場合が多くあります。コーポレートサイトも同様に、イメージを一新したいときはリニューアルを検討するタイミングです。
ビジュアルアイデンティティーともいえるコーポレートサイトを随時リニューアルし、企業イメージと調和が取れるようにしましょう。
企業情報が古いままになっているとき
企業情報が古いままになってしまっているときにも、情報更新とともにリニューアルに取り組む良いタイミングです。
実際に広報会議が2021年に行った調査では、コーポレートサイトリニューアルのきっかけについて「※社員数が増え、掲載している情報が合わなくなってきた。〜中略〜〈広告・メディア・報道機関〉」という声があったことを明らかにしています。
なお、リニューアル時に見直すべき情報ページは、以下などが挙げられます。
・所在地、連絡先、代表者名などの会社概要 ・事業内容 ・お知らせページ ・採用情報 ・問い合わせページ |
情報更新が適切にできていなかったかを分析し、改善策を組み込んだリニューアルを設計すると良いでしょう。
※引用:コーポレートサイト実態調査レポート( 広報会議デジタル版)
まとめ
コーポレートサイトのリニューアルは「サイトを最適化」することです。サイトの仕組みを使いやすく改善、効果的な訴求のためにデザインの刷新、情報の更新などのために行います。
リニューアルを行う際は、どこをどのように最適化したいか目的を明確にして、最新の状態へリニューアルしましょう。
また、リニューアル後は効果検証が欠かせません。効果検証の結果をもとに、3〜5年を目安に最新のWebトレンドの取り入れや、新たな改善点に取り組みましょう。