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コーポレートサイトリニューアルが“必須”な理由
近年、コーポレートサイトのリニューアルが必須とささやかれている理由として、競争環境の激化が挙げられます。今やスマートフォンの普及、ソーシャルメディアの普及によりユーザーは手軽に情報を入手でき、自然と取捨選択をしています。
そのような背景の中、ユーザーの期待は常に変化しています。デザインのトレンド、ナビゲーションの使いやすさ、コンテンツの可読性など、ウェブサイトのユーザー体験を向上させるためには、定期的なリニューアルが必要です。
例えば、古い情報が掲載されているサイトやサービス内容が不透明なサイトは、訪問者に対して信用性に欠けると判断される可能性があります。また、営業面以外にも採用情報が最新でない場合、人材の獲得機会を逃すことにもつながります。
※未知株式会社が行った調査では、経営層の約3人に1人が「コーポレートサイトを見て発注を取り止めた経験がある」と回答しています。
この調査結果から、コーポレートサイトのコンテンツが古く、情報が不十分であることによって、重大な機会損失が発生していることが分かります。
※出典:経営者・役員の約3割が、発注検討時「コーポレートサイト」が原因で「発注するのを取りやめた」経験あり | 未知株式会社のプレスリリース
以下では、古いコーポレートサイトをリニューアルが必須な理由を詳しく解説します。
ブランドイメージの向上につながる
先述の通り、ソーシャルメディアの普及により、ユーザーの購買意思決定の要素に「企業の透明性(情報の明確さと信頼)」が重視され始めています。
アメリカのソフトウェア会社 Sprout Socialが米国の消費者1,000名を対象とした※消費行動に関する調査では、全体の86%が「企業の透明性が以前より重要」と回答。この『透明性』の定義に対する問いには、「企業が消費者にオープンなこと」、「明確なこと」、「正直なこと」と答える人が大多数を占めていました。
また本調査では、全体の73%が、「完全な透明性を保証する製品・サービス」には、多くのお金を払っても構わないと考えていることが分かっています。
つまり、透明性を優先することでユーザーの信頼を獲得し、売上の増加や企業の評判の向上が期待できるでしょう。
※出典:#BrandsGetReal: Social media & the evolution of transparency(Sprout Social)
コーポレートサイトが古い情報のままでは、ユーザーにとって情報が不透明な状態になるため、購買意思決定においてネガティブな判断を取る可能性があります。
そこで魅力的なサイトはユーザー体験にポジティブな印象を与え、信頼感を構築する重要な要素となるでしょう。上記の調査をもとにコーポレートサイトリニューアル時に積極的に生かしたい要素を列挙します。
・情報の正確性と分かりやすさ
・ウェブサイトの使いやすさ(ユーザーエクスペリエンス)
・色彩、レイアウト、フォント、アイコンなどのデザイン要素による視覚的な快適さ
・顧客のレビューや評価、資格や賞などによるブランドの信頼性の示し方
ユーザーの利便性が高まる
サイトのリニューアルによってユーザーの利便性が向上し、ユーザーがよりスムーズに情報を得られる環境が整います。
利便性の高いウェブサイトは、ユーザーにとってストレスが少なく、それが結果としてサイトへの滞在時間の延長や再訪問率の向上につながるのです。
例えば、以下のような改善によってウェブサイトによりアクセスしやすく、使いやすいものになります。
改善項目 | 改善内容 |
レスポンシブデザインの導入 | スマートフォンやタブレットなど、さまざまなスクリーンサイズで快適に閲覧できるようにする |
ナビゲーションの改善や最適化 | ユーザーが迷うことなく必要な情報にたどり着けるようにする |
サイトスピードの向上 | 画像の圧縮やサーバー環境の見直しなどによりサイトの読み込み速度を改善する |
コーポレートサイトをリニューアルする適切なタイミング
コーポレートサイトのリニューアルは、以下のような状況やタイミングで検討するのが適切です。
・経営方針やロゴデザインの変更時 ・会社の概要、サービス情報、連絡先などの会社情報が古い状態の時 ・サイトデザインがトレンドに合っていない状態のままの時 |
一般的にBtoC企業の場合は2〜3年程度、BtoB企業の場合は4〜5年程度を目安にリニューアルすると言われています。BtoC企業は消費者市場が急速に変化するため、より頻繁なリニューアルを求められるケースが多いです。
コーポレートサイトリニューアルにかかる費用
コーポレートサイトのリニューアルにかかる費用は、50万~1,000万円以上とピンからキリまで。料金相場が幅広いのは、以下のような要因によって大きく変動するためです。
・サイトの規模とリニューアルの範囲 ・サイトに含まれるコンテンツの量(テキスト、画像、動画など) ・デザインの要素(特にオリジナルデザインを採用する場合は高額になりやすい) |
これらによって、リニューアルの総額は大きく異なります。サイトの規模や目的、ブランドのニーズに合わせて、最適なリニューアル計画を立てましょう。
表で分かる!コーポレートサイトリニューアルの進め方
基本的なコーポレートサイトリニューアルの進め方は以下のとおりです。
ステップ | 内容 |
1.コンセプトを定める | ・現状分析を行い、自社サイトの課題や問題点を特定する ・解決するためのリニューアルのコンセプトを立てる |
2.予算を決めて制作会社を選定する | ・予算と納期の設定、必要な機能のリストを作成する ・制作会社選定時は、構築・設定・運用の3段階に対応しているか、リリース後のサポートや運用が含まれているかなどを確認する |
3.制作会社と連携してリニューアルを進める | ・ヒアリング → ラフデザイン → 本デザイン → コーディング → テキスト流し込み → テスト → 納品の流れで進行する |
4.リニューアルを告知する | ・プレスリリースやSNSを利用してリニューアルを告知し、宣伝する ・PR文にはリニューアルの理由やコンセプトなどを記載する |
外注や内製どちらも上記ステップに沿ってリニューアルを進めましょう。
コーポレートサイトリニューアル時の注意点
コーポレートサイトをリニューアルする際に注意すべき点は次の2つです。
著作権と所有権の所在を確認する
サイトのリニューアルを行う前に、使用しているコンテンツ(画像、動画、テキスト)の著作権と、ドメインやサーバーの所有権がどこにあるかを確認しましょう。
著作権や所有権の確認を怠ると、リニューアルの進行上でトラブルに発展するおそれがあるからです。
例えば、著作権や所有権が自社ではなく制作会社にある場合、リニューアル時に同じドメインやサーバー、コンテンツを使用できない可能性があります。
特にサーバーが制作会社にある場合、他社と共有しているケースがあります。所有権の譲渡やサーバー情報の開示がされないケースもあるため、注意が必要です。
リダイレクトの設定がされているか
リニューアル後、サイトがGoogleに適切に認識されるようにするためには、リダイレクトの設定が必要です。
リダイレクトを設定すると、サイトのSEO(検索エンジン最適化)に影響を与えずに、ユーザーを新しいURLに案内できます。
リダイレクトとは、古いURLから新しいURLへユーザーを自動的に移動させる処理です。301リダイレクト(恒久的な移動)が一般的に使用されます。
リダイレクトの設定に不備があると、サイトのブックマークをしていたユーザーがアクセスできなくなってしまいます。サイトへの流入数が減少する可能性があるため注意しましょう。
コーポレートサイトのリニューアル事例2選
コーポレートサイトのリニューアル成功例として2つの企業の事例を紹介します。
株式会社リーディングマーク
リーディングマークは、ウェルビーイングとHR支援を重視し、ミキワメを活用した適性検査や新卒採用支援などを展開している企業です。リニューアル前のサイトでは、自社のミッションや事業内容の表現に課題を抱え、企業の世界観が十分に伝わっていない状態でした。
リニューアル後は採用面でのイメージが明確に伝わり、求職者が面接時点で企業理解が深かったり、自然検索から自社応募をする動きが後を絶たなくなりました。
参考:ミッション・バリューを全面に出すメッセージ性の強化。応募者の意識改革へ
株式会社タクマテクノス
タクマテクノスは地域のごみ処理を手がける企業です。リニューアル前の課題として、非レスポンシブデザインによるユーザビリティの低下と、求職者への企業魅力の伝達不足がありました。
リニューアルでは課題に対処するため、全デバイスに対応した設計とデザインの刷新、情報の明確化を実施します。
その結果、リニューアル後は求職者の反響が大幅に増加し、株主からも高い評価を得ることに成功。
参考:【サイトリニューアル事例】アクセス数2倍、エントリー数6倍を実現
まとめ
企業の経営方針の変更やサイトデザインの時代遅れ感などがある場合は、コーポレートサイトのリニューアルを行うべきタイミングです。
リニューアルによりサイトのデザインや利便性が改善されれば、サイト訪問者に良い印象を与えられます。その結果として、企業ブランドのイメージの向上が期待できます。
リニューアルを進める際は成功事例なども参考にし、適切な制作会社を検討しましょう。