目次
コーポレートサイトのコンセプト設定の必要性
コーポレートサイトを通じて自社が求める成果につなげるには、コンセプト設定が欠かせません。その必要な理由は以下の2つです。
社外に伝えたい情報を明確にする
コンセプトを明確に設定すると、顧客や求職者などアプローチしたい相手に対して、伝えたい内容を絞り込めます。
ミッション・バリューや自社ブランドの世界観などをターゲット層へ明確に伝えられれば、成果の向上が期待できます。
チームの認識のブレを無くす
コンセプト設定は、コーポレートサイト制作に携わるメンバー間の認識をブレないようにするために必要なプロセスです。
指標となるコンセプトを明確にしておくことで、コーポレートサイト制作プロセスでのメンバー間の意思疎通がスムーズになります。途中でメンバーの入れ替えがあっても、コンセプトが明確なら、デザインやテイストなどがずれてしまうことを最小限に防げます。
さらに、コンセプトを設定していないとユーザーに何を伝えたいのか、何の商品やサービスが強みなのかなどが不明確で、メッセージ性が薄くなってしまうでしょう。
コーポレートサイトのコンセプトを設定する際に押さえておきたいポイント
コーポレートサイトのコンセプト設定時は、以下を明確にするとどんなコンセプトが適しているのかみえてきます。
5W1Hでコーポレートサイトの目的や意義を明確にする
コンセプトを決める際には、コーポレートサイトの目的や意義を明確にしておきましょう。目的や意義次第で、サイトの方向性やデザイン性などアピールすべき切り口が異なってくるからです。
これらは5W1Hをベースに考えると、目的や意義を明確にできます。
・コーポレートサイトを作って何を実現したいのか ・ユーザーはなぜコーポレートサイトを見に来るのか ・どんなユーザーに見てもらいたいのか ・ユーザーはいつコーポレートサイトの情報を必要とするのか ・どこで閲覧するのか ・どのように活用してほしいのか |
コーポレートサイトの目的や意義を明確にしたら、そこから導き出されるキーワードを複数人でいくつか書き出してみましょう。
例えば、コーポレートサイトの目的が「自社の新卒採用強化」である場合、以下のようなキーワードが挙げられるでしょう。
・成長 ・個性 ・可能性 ・挑戦 ・未来 ・社会貢献 ・変革 ・価値 |
キーワードが出揃ったら、コーポレートサイトの目的や意義と照らし合わせ、さらに適したキーワードを厳選します。
ターゲットを決める
先述した5W1Hの中でも、誰にどのように見られたいサイトを作りたいのか、より明確にするとコンセプトに盛り込むべき要素がみえてくるはずです。
ターゲット層を決める際は、以下の例のように、年齢、性別、職業など属性をなるべく細かく設定しましょう。
コーポレートサイトの目的 |
自社のミッション・ビジョンへの共感度が高い求職者の採用を強化したい |
ターゲット |
年齢/職業/価値観(大切にしている考え方)/なぜサイトに訪れたのか |
ターゲットユーザーを定めないままコンセプト設定を行うと、社内のみの意見がサイトデザインに反映されてしまう可能性があります。そうすると客観的な視点が抜け、ターゲットとするユーザーに届きにくくなります。
競合にはない強みを洗い出す
競合にはない自社の強みを明確にして、コンセプトに反映しましょう。強みをコンセプトに反映し独自性を打ち出せば、コーポレートサイトにアクセスしたユーザーに自社の特徴や価値観を強く印象づけられます。
強みを洗い出す際は、以下のように自社との類似性が高い企業に絞って競合他社のリサーチ・分析を行うのが大切なポイントです。
・自社と同じ業種で急成長している企業 ・自社のマーケティング戦略と似ている企業 ・自社と同じ価格帯で商品・サービスを提供している企業 |
競合他社の調査・分析は、網羅的に行うと膨大な時間がかかってしまいます。企業を絞り込んで効率的にリサーチを進めるよう意識しましょう。
コーポレートサイトのコンセプト設定の事例
コーポレートサイトのコンセプト設定における成功事例を紹介します。コンセプトを決める際の参考にしてください。
株式会社リーディングマーク
株式会社リーディングマークは、働く人々の「心の幸福度(ウェルビーイング)」実現を目指して、HR事業を展開している企業です。
同社では「社会変革事業者集団」の組織コンセプトのもと、「誰もがウェルビーイングでいられる世界を実現する」というミッションを掲げています。
従来のコーポレートサイトで抱えていた課題は、自社の世界観をきちんとPRできておらず、事業内容が不明瞭であった点です。
その課題改善のために、経営者の思いや世界観など伝えたいことの概念を言語化し、デザインに落とし込んだコーポレートサイトにリニューアルしました。
ミッションを前面に押し出したメッセージ性の高いデザインにしたことで、コンセプトにもとづくミッション・バリューを表現でき、求職者の応募が増加しました。また、ステークホルダーからも好評を得ています。
参考:ミッション・バリューを全面に出すメッセージ性の強化。応募者の意識改革へ
フォントワークス株式会社
フォントワークス株式会社は、ゲームやアニメ、広告などに使用されるデジタルフォントを企画・開発・販売する企業です。
同社は、2020年1月「LET AS ONE」のコンセプトを反映したコーポレートサイトにフルリニューアルしました。サイト内では、全社員で考えたタグライン「もじと もじを じゆうに」を具現化しています。
サイトの大きな特徴は、トップページに厳選したホットなキーワードを掲載し、書体情報に辿り着いてもらう演出を取り入れている点です。
さらに、タグ機能を使って読み物コンテンツや使用事例などから、さまざまな書体に出会える導線になっているのも参考になるポイントです。
まとめ
コーポレートサイトのコンセプト設定は、ユーザーへ情報やメッセージを伝えるために必要です。また、サイトの制作チームの指標にもなるため、認識のズレを防げます。
コンセプトを決める際に押さえておきたいポイントは、コーポレートサイトの目的・意義の明確化やターゲット層の選定、自社の強みの洗い出しなどです。
今回紹介した内容を参考にして自社に適したコンセプトを設定し、コーポレートサイト制作を成功させましょう。