目次
コンテンツマーケティングでよく使われる記事の種類
コンテンツマーケティングに活用できる主な記事の種類は以下があります。
・SEO記事
・エデュケーショナル記事
・広告記事
・エンタメ記事
ここでは、それぞれの特徴を解説します。
SEO記事
SEO記事とは、SEO(Search Engine Optimization 検索エンジン最適化)を目的としており、検索結果で上位表示されることでWeb集客や認知度向上を図る記事のことです。
業界知識やトレンドを伝えるコラム記事、自社のノウハウを解説するハウツー記事など、さまざまな形式があります。特定のキーワードを定めて、ユーザーの検索意図に応じたコンテンツを発信することで、長期的な集客効果が期待できます。
また、SEO記事の特徴は、特定のキーワードを通じて顕在顧客と潜在顧客の双方にリーチできる点です。ユーザーの欲求に応える記事が検索結果で上位表示されることで、広告費をかけずに安定した集客を実現できるのがSEO記事の大きなメリットです。
例:顕在顧客向けのSEO記事
例えば「エアコン おすすめ」のキーワードで検索される場合、エアコンの購入を検討している顕在層のユーザーが想定できます。こうしたユーザーには、比較記事やおすすめ製品のレビューを提供することで、購入を後押しすることができます。
例:潜在顧客向けのSEO記事
一方で「暑さ対策 室内」と検索するユーザーは、部屋を涼しくする方法を探しているものの、まだエアコン購入を具体的に考えていない潜在層です。この場合、エアコン以外の方法も含めた情報を提供することで、間接的に自社製品やサービスへの関心を高めることができます。
エデュケーショナル記事
エデュケーショナル記事は、ユーザーの悩みや疑問を解消することで、商品やサービスの購入を後押しすることを目的とした記事です。読者が求める情報を丁寧に提供し、自然な形で自社商品やサービスへ誘導する効果があります。
ユーザー満足度を高めながら、信頼を築き、結果として商品やサービスの購買意欲を引き出すために非常に有効な手法です。具体的な活用方法は以下です。
例:解説記事
例えば、「エアコンの掃除方法」を詳しく説明し、読者に納得感を与えた上で、便利な掃除グッズの紹介ページに誘導し、購入を促します。
例:導入事例やインタビュー記事
実際の利用シーンや顧客の声を通じて、商品やサービスに対する不安を解消します。これにより、読者が購入や申し込みの意思決定をしやすくなります。
広告記事
広告記事とは、ニュースサイトやブログなどの第三者メディアに掲載される、商品・サービスの購入や成約を目的とした記事形式の広告です。記事の内容に広告を自然に組み込むことで、ユーザーに「広告っぽさ」を感じさせにくく、受け入れられやすい点が特徴です。
例えば、商品・サービスの解説に第三者のレビューや感想などを盛り込むことで、記事の内容に説得力を持たせてユーザーへアプローチできます。インタビュー記事やレポート記事など、広告したい内容にあわせた形式の記事を発信するとより効果的です。
なお、記事広告には「PR」や「プロモーション」などの表記を入れ、広告である旨を明記する必要があります。
エンタメ記事
エンタメ記事とは、ユニークで面白い情報を提供することで読者の興味を引き、ネット上で拡散されることを狙った記事のことです。
例えば、特定の業界やテーマに関する豆知識や裏話など、誰もが気軽に楽しめる内容を盛り込んだネタ系記事や面白系記事が代表例です。楽しみながら読める記事を発信することで、ユーザーをファンとして獲得できます。
また、エンタメ記事は、ユーザーによってSNSなどで拡散され、幅広い集客が期待できるのも特徴です。ただし、あくまで興味を引くことを主目的とした記事のため、購入や成約につながる確率は低い傾向にあります。
コンテンツマーケティングで成果を出す記事作成の流れとコツ
コンテンツマーケティングで成果を出す記事作成の流れは、以下のとおりです。
1.記事の目的を決める 2.ユーザーニーズを調査・分析する 3.キーワードを決定する 4.記事の構成を作る 5.記事を執筆する 6.校正・校閲を行う |
それぞれのポイントを解説します。
1.記事の目的を決める
記事を作成する際は、達成したい目的を明確にすることが最初のステップです。集客、認知拡大、ブランディングなどの目的を明確に定めることで、それに応じた最適な記事の種類を選択し、効果的に読者へアプローチできます。
以下に、目的に応じた記事作成の方針の具体例を紹介します。
認知拡大を目的とする | 問い合わせや資料ダウンロードを目的とする |
自社に関連する話題やノウハウを詳しく解説するSEO記事の作成がおすすめです。幅広い検索流入を狙うことで、多くのユーザーに自社の存在を知ってもらうことができます。 | 記事のゴールを明確に設定し、読者の行動を促す訴求を行いましょう。具体的なサービスの強みや導入事例を取り入れることで、信頼性を高め、アクションを誘導します。 |
目的を明確にしたら、KPI(重要業績評価指標)を具体的に設定します。例えば、「1カ月に問い合わせを○件獲得する」など具体的に決めることで、記事で何を伝え、どのような行動を促すべきかが明確になります。
2.ユーザーニーズを調査・分析する
記事作成の次のステップは、自社の見込み顧客が求める情報を把握することです。ユーザーのニーズが明確になると、狙うべきキーワードや記事の方向性が定まり、SEO施策などをスムーズに進められます。
具体的なユーザーニーズの調査方法は、以下に紹介します。
キーワードと検索意図の分析
狙いたいキーワードに関連する検索結果の上位記事を確認し、ユーザーが検索する目的や意図を把握します。また、関連語やサジェストキーワードを活用することで、ユーザーが求めている具体的な情報が浮き彫りになります。
ペルソナの設定
ペルソナとは、詳細に設定されたターゲット顧客の人物像のことです。
例:「32歳の独身男性、一人暮らし、職業は営業職、趣味はアウトドア」 |
このように、性別、年齢、職業、趣味などを設定し、ターゲットが何を考え、どのように行動するのかを分析します。
カスタマージャーニーマップの活用
カスタマージャーニーマップは、ユーザーが商品やサービスを購入するまでのプロセスや感情を可視化したものです。以下のように書き出すと、ユーザーの行動やニーズを具体的に整理できます。
アウトドア用品を購入するユーザーの場合 | |
情報収集フェーズ | 価格や機能、必要性を検索。 |
検討フェーズ | レビューや比較記事を検索。 |
購入フェーズ | 信頼できる店舗やオンラインサイトで購入。 |
購入に至るまでのフェーズごとに細かく書き出すことで、アプローチの方法や必要な施策などを整理しやすくなるでしょう。
3.テーマ・キーワードを決定する
ユーザーニーズを調査・分析した後は、記事の目的やターゲットのニーズをもとにメインテーマとなるキーワードを決定します。このステップでは、ペルソナやカスタマージャーニーを考慮し、成果につながるキーワードを慎重に選びましょう。
その際に、定量的な指標として検索ボリュームの比較が大切です。検索ボリュームが大きいキーワードは高いニーズが見込まれるものの、競合サイトも多くなります。一方、検索ボリュームが小さいキーワードは、上位表示による大きな成果は期待できないものの、競合が少なく着実に上位表示を狙える可能性があります。
検索ボリュームが大きいキーワード | 多くのニーズが見込まれますが、競合サイトが多く、上位表示の難易度が高い場合がある。 |
検索ボリュームが小さいキーワード | ニッチなニーズを狙いやすく、競合が少ないため、上位表示を着実に狙える可能性がある。 |
例えば、「ダイエット おすすめ」は検索ボリュームが大きい一方で、「ダイエット 冬 食事」はより具体的で競合性が低い可能性があります。
また、新たに狙うキーワードが既存コンテンツのキーワードと重複していないかを確認することは、重要なステップです。もし重複していると、検索エンジンから重複コンテンツとみなされ、記事全体の順位が下がるリスクがあります。
このように、記事の目的や検索ボリューム、既存記事との重複の有無などを総合的に考慮してキーワードを決定しましょう。
4.記事の構成を作る
キーワードを選定したら、記事のタイトルや見出しを作成します。
タイトル作成のコツ
記事のタイトルはキーワードを前半に盛り込み、32文字程度におさめましょう。タイトルが長過ぎると、検索結果画面の途中で途切れてしまうためです。
タイトルをほかの記事と差別化するには、共起語や関連語などを自然な形で入れ込む必要があります。共起語や関連語は、検索キーワードとの関連性が深いキーワードで、タイトルに入れることでユーザーニーズを満たしていることが伝わりやすくなります。
記事構成のコツ
記事の構成は、ユーザーが求める情報を理解しやすいように伝えるために、盛り込む情報の優先度を考えることが大切です。上位記事の傾向やキーワード調査など客観的な根拠をもとに、見出しの順番や内容を検討しましょう。
もし構成の作成者と執筆者が異なるのであれば、各見出しに盛り込みたい内容を箇条書きで列記し、記事の全体像を共有できるようにすると認識のズレを少なくできます。
CTA導線のコツ
ユーザーの行動を促すCTAを、構成段階であらかじめ決めておくと、執筆時に自然な流れで設置できます。
CTAは一つだけでなく複数設置するのがおすすめです。これにより、ユーザーの意識を高め、コンバージョン率を向上させる可能性が高まります。
この記事作成の各段階で、タイトルや構成を緻密に考えることで、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを効率よく提供できます。
5.記事を執筆する
記事の構成が完成したら、構成をもとに記事を執筆します。記事では、結論ファーストを心がけ、改行や箇条書きを活用して読みやすい見た目に整えることが大切です。ユーザーは求める答えが得られないと思ったら、途中で読むのを止めてサイトから離脱する可能性があるためです。
また、執筆時には以下のようなテクニックを取り入れて伝わりやすい文章を心がけましょう。
執筆時のコツ
・一文は長くなりすぎないようにする ・主語と述語を対応させる ・不要な代名詞や接続詞は使わない ・専門用語や難解な言葉を避ける |
そのほか、競合サイトとの差別化のためには、体験談やレビューなど独自性のある内容を盛り込むことが重要です。競合サイトにはない情報があることで、ユーザーの関心を引きつけられ、検索エンジンによる評価も上がりやすくなります。
6.校正・校閲を行う
執筆後には、誤字脱字や日本語の誤り、情報の正確性などをチェックしましょう。これらのプロセスを経ることで、信頼性が高く、ユーザーにとって役立つ記事を提供できます。チェック体制をしっかり整え、記事の品質を最大化しましょう。
校正・校閲がうまくいくコツを以下に記していきます。
誤字脱字や情報の正確性
誤字脱字は些細なミスでも記事の信頼度を損ね、ユーザーの離脱を招く可能性があります。誤った情報が含まれていないか確認し、必要に応じて信頼性のあるソースを再確認します。
表現や内容の適切性を確認
ターゲットに合った表現が大切です。読者層に配慮した言葉遣いやトーンになっているかを確認します。
例:育児に悩む主婦層がターゲットの場合、押しつけがましい意見や古い情報によるアドバイスは避けましょう。 |
掲載禁止情報の確認も必須です。プライバシー侵害や法的問題が生じる可能性のある情報が含まれていないか確認します。
校正・校閲体制を整える
執筆者とは異なる人が校正・校閲を行うことで、改善点や見落としを発見しやすくなります。また、ユーザーにとって読みやすい構成や表現になっているか最終確認を行うことは忘れずにしましょう。
コンテンツマーケティングを失敗させない記事作成のポイント
コンテンツマーケティングの記事作成を失敗させないためには、以下のポイントを意識しましょう。
・効果測定をもとに記事を改善する
・内部リンクを設置してサイト内の回遊を促す
・質の高い記事を制作できる体制を整える
それぞれのポイントを解説します。
効果測定をもとに記事を改善する
記事の効果測定やユーザー行動の分析を行い、改善点を洗い出して記事をリライトしましょう。検索順位や滞在時間などの客観的なデータをもとに現状分析することで、改善すべき点が整理しやすくなります。
記事作成時に設定したKPIをもとに、例えば集客が目的であればアクセス数や検索順位、購入の増加が目的であればコンバージョン数などを測定します。
その際、以下のようなツールを活用すると効果測定や分析を効率的に行えます。
・Google Search Console ・Googleアナリティクス ・ヒートマップツール |
Google Search ConsoleやGoogleアナリティクスは自社サイトの現状把握や改善点の洗い出しなどができます。ヒートマップツールでは、ユーザーのスクロールやクリックといった行動を確認することで、記事がニーズを満たせているかなどの深い分析が可能です。
こうしたツールによる測定内容をもとに、記事の内容や内部リンク、CTAボタンなどの改善すべき点を洗い出しましょう。また、成果が出ている記事を分析し、良い点をほかの記事にも活かしてリライトすることも重要です。
内部リンクを設置してサイト内の回遊を促す
内部リンクを設置してサイト内の回遊を促し、ユーザーのメディアに対する関心を高めることも大切です。内部リンクによってユーザーがサイト内の別の記事へ移動すると、商品・サービスに関する情報を見る回数が増え、購入意欲の向上につながる可能性があります。
また、内部リンクを設置すると、検索エンジンがサイトの構造や内容を把握しやすくなり、評価の向上につながるのもメリットです。
内部リンクは、リンク先をユーザーや検索エンジンに伝わりやすくするため、「詳しくはこちら」などでなく、記事タイトルのアンカーテキスト(テキストリンク)で設置しましょう。
質の高い記事を制作できる体制を整える
自社のマーケティングの目的を達成するため、質の高い記事を継続的に制作できる体制を整えましょう。記事の作成には戦略の立案やデザイン、文章力などの幅広いスキルが求められます。
自社に十分なノウハウやリソースがある場合は、自社内のみでの体制構築が向いています。その際、プロジェクトを長期にわたり進められるよう、責任者を明確にして各メンバーに当事者意識をもたせると良いでしょう。
一方、自社にリソースやノウハウが不足している場合には、外注も選択肢のひとつです。自社制作と外注の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
自社制作 | ・コストを抑えられる ・ノウハウが蓄積される |
・リソースを確保する必要がある ・専門の記事制作が難しい |
外注 | ・社内のリソースを節約できる ・質の高い記事を作成できる |
・外注費が高額になる可能性がある ・外注先の選定方法が分からない |
外注すれば自社にノウハウがなくても質の高い記事を作成できます。ただし、外注先によって得意分野や対応可能な業務内容などは異なります。外注する場合は、実績や依頼できる内容などを確認し、イメージする記事が作成できるかを見極めましょう。
まとめ
コンテンツマーケティングにおける記事にはSEO記事や広告記事などの種類があり、目的に応じた記事を作成することが大切です。記事作成の目的を明確にしたうえで、ターゲットとなるユーザーに刺さる質の高い記事を作成しましょう。
質の高い記事を作成するためには、ユーザーニーズの分析や公開後の効果測定をもとにしたリライトなどが必要です。自社の状況にあわせて、自社制作か外注かを選択し、質の高い記事を作成できる体制を構築しましょう。