目次
コンテンツマーケティングとSEOの基礎知識
そもそも、コンテンツマーケティングとSEO（Search Engine Optimization 検索エンジン最適化）はそれぞれどのようなものなのでしょうか。それぞれを理解するために、はじめに押さえておきたい基礎知識を解説します。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーへ有益なコンテンツを発信して集客や購買へつなげるマーケティング手法のことです。
自社の商品やサービスへ関心を持っている見込み客に対し、適切なタイミングでユーザーが求めている情報を提供します。これにより、ユーザーの購買意欲を高めてコンバージョン（ユーザーが購入など利益につながるアクションをすること）の獲得を目指します。
また、ユーザーと長期的な関係を築くのもコンテンツマーケティングの特徴です。コンテンツを発信してユーザーとの関係性を深めることで、ユーザーのファン化とコンバージョンの促進を目指します。
SEO
GoogleやYahoo!などの検索エンジンでウェブページが上位に表示されるようにするための技術や戦略のことです。
具体的には、ウェブサイトの内容を改善したり、適切なキーワードを使ってテキストを構成したり、サイトの構造を整えることで、検索エンジンにより良く評価されやすくすることが目的です。この結果、ウェブ広告に頼らずに多くの訪問者がサイトにアクセスするようになり、認知の向上につながります。
コンテンツマーケティングとSEOの違い
コンテンツマーケティングとSEOの違いを以下の4つの視点でみてみましょう。
・目的の違い
・ターゲット層の違い
・チャネルの違い
・対策方法の違い
それぞれの違いを理解し、混同しないようにしましょう。
目的の違い
コンテンツマーケティングはコンバージョンの獲得が目的である一方、SEOは検索エンジンでの上位表示の獲得が目的です。
コンテンツマーケティングにおけるコンバージョンとは、商品の購入や申し込みなどのことを指します。ユーザーに価値のあるコンテンツを発信することで、コンバージョンの獲得を狙います。
一方SEOで目指すのは、上位表示によってウェブサイトへの流入数を増やすことです。特定のキーワードを検索した際に、ウェブサイトが上位に表示されるような施策を講じます。
ターゲット層の違い
コンテンツマーケティングでは、購入や申し込みなどの意思がある顕在層や、コンテンツを見て興味をもった潜在層がターゲットです。一方、SEOは検索エンジンで検索する潜在層の獲得を狙います。
コンテンツマーケティングの場合、コンテンツを継続して発信することで顕在層と潜在層の両方へアプローチします。継続的なアプローチによって商品やサービスへの関心を高め、コンバージョンへつなげるのです。
SEOの場合、検索結果での上位表示によって、ウェブサイトを知らなかった層にも見てもらえる機会が増えます。これにより、ウェブサイトへの興味関心が低い潜在層へのアプローチとウェブサイトへの流入増加につなげられます。
チャネルの違い
コンテンツマーケティングは多様なチャネルを活用する一方、SEOのチャネルは検索エンジンのみです。
コンテンツマーケティングでは、以下のようなさまざまなチャネルを通じてユーザーとの接点をつくります。
・SNS（LINE、X、Instagramなど）
・メールマガジン
・動画コンテンツ
・広告
複数のチャネルを組み合わせることでユーザーとの接点を増やせます。それにより、自社の商品やサービスを知らない層へのアプローチも可能です。
SEOは検索エンジン最適化を意味するため、検索エンジンでの流入のみを狙います。
対策方法の違い
コンテンツマーケティングでは、ユーザーにとって有益な情報を発信し、コンバージョンへの行動を促すための対策をします。一方、SEOで行う対策は、上位表示が狙える、検索意図を満たしたコンテンツの発信です。
どちらも中長期的なコンテンツの発信によって、目的の達成を目指します。しかし、扱うコンテンツの種類や内容などに違いがある点に注意しましょう。
コンテンツマーケティングの場合、顕在層や潜在層が興味をもつコンテンツを発信します。発信するコンテンツは、ウェブサイト上で配信するテキストベースの記事や漫画、動画コンテンツなどさまざまな種類が挙げられます。
一方、SEOでは検索エンジンから流入するユーザーがターゲットのため、テキストで情報を発信するテキストコンテンツがメインです。検索キーワードや上位記事の傾向などを調べたうえで、ユーザーニーズを満たし、上位表示を狙えるコンテンツを発信します。
コンテンツマーケティングとSEOの違いを理解する重要性
コンテンツマーケティングとSEOの違いを理解する重要性として、以下の2点が挙げられます。
・目標設定を間違える恐れがある
・期待する成果が得られない
それぞれ解説します。
目標設定を間違えるおそれがある
SEOとコンテンツマーケティングは設定すべき目標設定が異なるため、混同していると目標そのものを間違える可能性があります。
目的を達成するためには、目的にあった目標設定が必要です。例えば、集客が目的の場合、ウェブサイトへの流入を増やすためにSEOの施策が必要です。購入や申し込みが目的であれば、コンテンツマーケティングの施策が求められます。
しかし、それぞれの手法を混同していると「購入や申し込みが目的なのに、PV数（特定のページが表示された回数のこと）や検索順位などを目標に設定」のように目的に沿わない目標を設定する恐れがあります。
PV数や検索順位などはウェブサイトへの流入数や順位を表す数値であり、購入や申し込みの数値ではありません。
購入や申し込みが目的であれば、目標にはコンバージョン率やリピート率などを設定しましょう。正しい目標設定によって、課題の発見や改善もしやすくなります。
期待する成果が得られない
コンテンツマーケティングとSEOを混同していると、効果的な施策ができず、期待する成果が得られない可能性があります。
例えば、コンバージョンの促進を期待してSEOをしても、流入は増えたけれど購入や申し込みにつながらないといった状況に陥る可能性があります。
ウェブサイトへの流入が増えても、購入や申し込みが増えるとは限りません。成果を出すには、ターゲット層にささるコンテンツをつくり購買意欲を刺激することが重要です。
集客が目的のコンテンツが増えると、過剰なPRが顕在層にささらずウェブサイトから離れてしまう可能性があることにも注意しましょう。
ただし、コンテンツをつくっても流入が増えないと顧客の母数が増えません。コンテンツマーケティングの成果を高めるには、SEOも重要です。
コンテンツマーケティングにおけるSEOの重要性
コンテンツマーケティングにおいて、検索流入を増やして継続的に集客するためにはSEOが重要です。検索上位に表示されることで、検索する層、つまり潜在層の流入が期待できます。
また、上位表示されるためにSEOを意識した良質なコンテンツをつくれば、ウェブサイト全体の質向上にもつながります。これにより、流入する潜在層の増加が期待できるでしょう。
SEOによる継続的な集客と良質なコンテンツ制作によって、潜在顧客を顕在層に育て、コンバージョンにつなげられるのです。
コンテンツマーケティングを成功させるポイント
コンテンツマーケティングを成功させるポイントとして、以下の3つが挙げられます。
・良質なコンテンツを制作する
・キーワードを意識する
・ユーザー行動を意識する
それぞれどのようなポイントなのか解説します。
良質なコンテンツを制作する
コンテンツマーケティングを成功させるために、顧客のニーズを満たした良質なコンテンツを制作することが大切です。
良質なコンテンツを作るには、情報の正確性や信頼性を意識しましょう。ユーザーにとって有益で信頼できるコンテンツはSEOでも評価されやすく、流入数の増加につながります。
また、顧客にとって価値のあるコンテンツを定期的に発信することで、ユーザーとの関係を深められます。これにより、コンバージョンの獲得へとつなげやすくなるでしょう。
キーワードを意識する
SEOに適したキーワードを意識することで、ユーザーが求める情報を盛り込んだコンテンツが制作できます。
検索エンジンでの検索から流入しても、求める情報がなければ顧客とならずにウェブサイトから離れてしまいます。訪れたユーザーを顧客にするには、ニーズを満たすことが大切です。
意識すべきキーワードには以下があります。
・検索キーワード
・関連キーワード
・サジェストキーワード
これらのキーワードを分析すると、ユーザーの検索意図や求めている情報などが汲み取れます。こうした分析をもとに、ニーズを満たした的確なコンテンツを発信しましょう。
ユーザー行動を意識する
ユーザー行動を意識しユーザビリティを向上させることで、ユーザーが求める情報の適切な提供や離脱の防止につながります。
ユーザビリティとは、ユーザーにとっての使いやすさを意味する言葉です。例えば、欲しい情報が載っているページが見つけにくかったり、広告が多くて見づらかったりするとユーザーは離脱してしまいます。
離脱を防ぐには、ユーザー行動を意識した対策が必要です。例えば、ウェブサイト内の内部リンクを適切に設置すると、ユーザーが欲しい情報を見つけやすくなります。
内部リンクの適切な設置は、ウェブサイト内の回遊率を高めるうえでも大切です。回遊率とはウェブサイトを訪れたユーザーの1人あたりのPV数のことを指し、訪れたページから別のページに移動することで高められます。
複数のページを見ればウェブサイトや商品などへの理解が深まり、コンバージョンにつながりやすくなるでしょう。
また、コンテンツと購入・申し込みなどへのリンクの関連が薄いと、ユーザーに興味を持ってもらえずコンバージョンにはつながりません。コンバージョンへつなげるリンクは、コンテンツとの関連性を持たせて設置しましょう。
まとめ
コンテンツマーケティングとSEOは異なるもののため、それぞれの違いを理解したうえで取り入れることが大切です。
コンテンツマーケティングはコンバージョンを得るためのマーケティング手法のひとつであり、SEOは検索エンジン最適化のことを指します。混同していると、目標設定を間違えたり期待する成果が得られなかったりしてしまいます。
コンテンツマーケティングを成功させるには、キーワードを意識した良質コンテンツ制作や、ユーザー行動を意識したウェブサイト作りが大切です。各施策の違いを意識したうえで、効果的な施策を行いましょう。
