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BtoB企業におけるマーケティングの課題
BtoC企業のターゲットはカスタマーですが、BtoB企業のターゲットはビジネスなので、主に企業や組織などが顧客となります。そのため、マーケティングの手法はBtoCとBtoBで異なる部分があります。
BtoB企業のターゲットが企業や組織などであることが理由で、いくつかのマーケティングの課題にぶつかってしまうことがあります。
このBtoB企業におけるマーケティングの課題は以前からあり、BtoB企業がマーゲティングを成功させるためには、その課題の内容と、その課題を突破するためのポイントを把握しておく必要があります。
購買までの意思決定が複雑
BtoCの場合は、基本的にターゲットが一般消費者なので個人となります。個人であれば、自分の意思決定で購買までのアクションを起こすことができる場合が多く、個人に対して直接的なマーケティングの手法が効果的となります。
しかし、BtoBの場合は企業がターゲットとなるため、担当者自体が購買の意思決定ができるとは限らず、選定をする人と、購買の決定を下す人が異なる場合が多く、また購買に至るまでのプロセスに複数人の承認が必要となる場合も珍しくありません。
購買までに多くの人が関わるため、その意思決定までのプロセスが複雑となります。また、多くの人が関わることで、承認が下りるまでの壁が多くなり、検討期間も長くなってしまいます。
ユーザー調査が難しい
BtoBでは多くの人が意思決定までに関わるため、そのプロセスが複雑で、直接やりとりをする担当者以降のプロセスに関わる人たちにアプローチをかけることも難しいです。また、担当者以降は姿を見る機会も少ないため、ユーザー調査が難しいです。
さらに、BtoBでは企業が顧客となるため、BtoCの場合と異なり、得られる情報にも限りがあるので、ユーザーが求めているニーズを把握したり、調査したりなどすることも難しいことが多いです。そのため、BtoBのマーケティングでは、ペルソナの設定も難しくなります。
BtoBでのペルソナ設計で重要な2つのポイント
マーケティングではターゲットがどのように認知をして、商品やサービスの利用に至るのか、その流れを想定します。
このとき、どのような思考や行動を選択するのかを、詳細に判断できるように、ターゲットには年齢、性別、居住地、趣味、特技、価値観、家族構成、など、非常に細かい設定を与えます。
この設定したターゲットのことをペルソナと言います。ペルソナの行動を予測することで、その後のマーゲティング戦略を立てることができるようになります。
ただし、BtoBの場合はターゲットが個人ではなく企業のため、ペルソナの設定ではいくつか注意すべきポイントがあり、その中でも特に重要なポイントが2つあります。
ターゲットを絞る
BtoBのマーケティングでは、やみくもに営業をかけたり、広告を出したりなどしてもその効果を得ることは難しいです。そのため、まずはどのような企業に対してアプローチをかけるのか、ターゲットを絞る必要があります。
ただし、ターゲットとなる顧客は幅広く存在するため、ターゲットは1つの条件で絞り切らずに「取引金額」、「取引年数」、「購入頻度」などの複数の条件で絞り込むようにしましょう。複数の条件によってターゲットを絞るので、1つのペルソナの設定で表すことは不可能となります。
ペルソナは複数設定する
BtoBでは、購買のプロセスに多くの人が関わります。そのため、ペルソナで設定するのは直接やりとりをする担当者だけでなく、それ以降に関わる人もペルソナとして設定する必要があります。
基本的なBtoBのペルソナの設定では担当者、使用者、決裁者に分けて行います。これらのペルソナにそれぞれ年齢や性格、収入、役職などの設定を与え、また所属する企業の事業規模やこれまでの実績なども設定します。
BtoBはその購買までのプロセスが複雑なことから、設定すべきペルソナも複数になります。
実際にペルソナ設計する3つのプロセス
ペルソナを設計する際に、単なる想像で設定していくと、その後のマーケティング戦略を正しく立てられなくなってしまうことがあります。そのため、ペルソナは、3つのプロセスを経て、正しく設計を行う必要があります。
情報収集
先に述べた通り、BtoBのペルソナは、担当者や決裁者などの個人と、その担当者や決裁者などが務める企業の設定を行います。
個人には役職、役割、スキル、1日の過ごし方、プロフィールなどを設定し、企業には業種、事業規模、売上、商品、従業員数などを設定します。個人と企業の設定を行うことで、担当者以降のプロセスも想定して設計ができます。
また、個人の企業の設定を細かくするほど、ペルソナの設計によって得られる情報や立てられる戦略も具体的なものとなります。
情報を整理する
ペルソナに設定する項目の中には、どうしてもイメージや想像で設定することもあります。しかし、ペルソナの設定ではできるだけ具体的な情報を詳細に設定したほうが、正しく設計ができ、その後のマーケティング戦略も正しく立てることができます。
そのため、社内で蓄積されたデータや、担当者とのやりとりで得た情報など、できるだけ多く集めて、それらの情報をペルソナの設定に役立てます。
ただし、情報は詰め込めば良いというものではないので、集めた情報は、まず担当者情報、企業情報、特記事項の3つに分類分け、必要な情報を整理するようにしましょう。特記事項はこれまでの経歴や行動や癖、性格などの担当者や決裁者などの個人の特徴の情報です。
ペルソナのストーリーを作る
個人や企業のペルソナの設定が済めば、そのペルソナがどのようにして自社の商品やサービスを知り、購買まで至るのか、そのプロセスを想定します。その想定したプロセスを元にマーケティング戦略を立てていきます。
より精度の高いペルソナを設計するためには、ストーリー風にプロセスを想像し、できるだけ詳細な設定を与えて人物像をリアルにすることが重要です。また、可能であれば担当者や企業の写真やイラストを用いて、イメージを強めることも重要となる場合もあります。
しかし、ペルソナの設計はノウハウがないと、思うようなマーケティング戦略が立てられるほどの効果を得ることは難しいです。もし、ペルソナ設計にお悩みの方は未知ブランディングへご相談ください。