意外と知らないブランディングの日本語での表現を解説

マーケティングで自社や商品・サービスの認知度を上げるために行うべき対策のひとつが、ブランディングです。しかし実際のところ、「ブランディング」とはどのようなものを表すのか知らないという方も多いのではないでしょうか。 ここではマーケティングでよく耳にする「ブランディング」について、日本語で表現するとどのような意味になるのかを紹介します。

ブランディングを日本語で表現すると何になるのか

ブランディングに成功した企業は、世界各地に存在します。たとえば日本でもスターバックスコーヒーのように、どのような商品を販売し、どのようなロゴや店舗デザインか誰もが知っているでしょう。

多くの人に自社を認知してもらうようなブランディングについて、何となくイメージができる方は少なくありません。しかし、いざ上司や経営者からブランディング強化を指示されたとして、具体的な施策は思いつけるでしょうか。

ブランディングで成功するためには、まず「そもそもブランディングとは何か」を正しく理解する必要があります。この項目では、ブランディングを日本語で表現した場合の正しい意味について解説します。

そもそもブランドの語源とは?

ブランディング(英語のBranding)は、ブランド化を意味する一方で「焼き付ける」ことをさす言葉でもあります。ブランドの語源は北欧の古い言葉で焼き付けること、すなわち焼印からきています。

日本でも銘柄・商標としての意味でブランドと呼ぶことがありますが、いずれも語源は同様です。もともとは商品やサービスの名前ではなく、家畜に押す焼印をさしていました。

現代でも家畜の飼育が盛んな国や地域で、家畜は重要な資産のひとつと考えられています。のびのびと健康的に育てるためにはエサが豊富で広大な土地に放す必要がある一方で、他の家が飼育する家畜に紛れてしまわないよう、対策をしなくてはなりません。

自身が所有する家畜であることを証明し、他の家の家畜とは区別する目的で古代に誕生した方法が、ブランドの語源となった「焼印」です。

更に中世には焼印が所有者を証明すると同時に、生産者を表す印としても活用されるようになりました。商品の品質を保証する意味で焼印が押されるようになり、やがて焼印そのものが他者との差別化につながる「生産者」というブランドを表すものへと発展しました。

ブランディングを日本語で表現すると何になる?

前述のとおり、ブランドが所有者を証明するものから、他者との差別化をはかる生産者を証明するものへ変化しています。

現代におけるブランディングも、単純に企業名や商品、サービス名を定義するものではありません。他社との差別化をはかるための活動であり、消費者や顧客にとって企業・商品・サービスなどの価値を高めるプロセスをさす言葉となっています。

ブランディングを理解するために、マーケティングを正しく理解することも重要です。ブランディングとマーケティングはどちらも曖昧な印象のまま使用している方が多く、人によっては混同することもあります。

厳密には、ブランディングとマーケティングは以下のように異なるものをさす言葉です。

  • ・ブランディング…他社と差別化することで価値を高めるプロセス
  • ・マーケティング…商品を流通させ、顧客に届ける(購入してもらう)までのプロセス

ブランディングによって商品・サービスの価値を高めた結果、購入あるいは契約につながることがあります。つまりブランディングとは、マーケティングの一環として行われる手法のひとつです。

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ブランディングの必要性や効果

ブランディングは、すべての企業や団体が行っているわけではありません。ではなぜ一部の企業ではブランディングに力を入れているのか、この項目ではブランディングの必要性や効果について解説します。

なぜブランディングが必要なのか

ブランディングとは、自社の商品・サービスが他社と比べてどのような特長を持っているのかを明確にすることです。ブランディングに成功すると、集客・販促・PRなどマーケティングにおけるさまざまな局面において他社との差別化をはかることができます。

たとえば、以下のような効果が期待できます。

  • ・特定の商品・サービスのイメージを作ることができる
  • ・広告・宣伝にあてる費用の削減につながる
  • ・価格以外の強みを持てる(価格競争から脱却できる)
  • ・商談時に採用してもらいやすい
  • ・採用活動で求職者・学生の目につきやすい

冒頭で触れた日本でも有名なスターバックスコーヒーの例をあげると、「コーヒーはスターバックスコーヒーじゃないと」「スターバックスコーヒーの新商品買ってきた」と、社名やショップ名で認識されています。ブランディングによって、単純にコーヒーを求めて入店するのではなく、スターバックスコーヒーの商品であることを重要視する顧客が増えた結果です。

コーヒーといえばスターバックスコーヒーのイメージを確立できれば、必要以上に広告・宣伝を行う必要はありません。浮いた費用を季節商品の開発にあてたり、人材育成にあてたりできます。ブランディングに成功すれば価格以外の部分、おしゃれさ・美味しさなどで勝負できるため、価格競争の枠から外れることができ、商談時にも他社より選ばれやすくなります。

ブランディングは、採用活動においても効果的です。聞いたこともない企業名よりも、耳や目にしたことのある企業名や商品・サービスのほうが、求職者や学生の目にとまりやすく、応募数増加につながります。

顧客にとってのメリット

ブランディングによって集客や求人への応募などが増加する理由は、顧客にとってもメリットがあるためです。特定の商品・サービスに対するブランドイメージが確立すると、顧客にとっても以下のメリットが期待できます。

  • ・探索効率アップで時間的コストを軽減できる
  • ・情緒的価値の獲得による満足度アップ
  • ・購入・契約の失敗リスクを回避できる

ブランディングによって「この商品といえば、あのメーカー」とイメージが固定されることで、探索にかける時間的コストを軽減でき、選択肢で迷うこともありません。

特定の商品・サービスをブランドイメージも加味して購入することで、情緒的価値(かっこいい・自慢できる・可愛いなど)も獲得できるでしょう。満足する結果が得られれば、ブランドイメージに対する好感度や満足度がアップします。

ある程度の信頼性があることから、新しい商品・サービスの購入・契約で失敗するリスクを軽減できる点も大きなメリットです。

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ブランディングの進め方

上司や経営者からブランディング強化を指示されたとき、具体的に何から始めれば良いものか迷う方は少なくありません。自社をPRするにしろ、商品・サービスの認知度を上げるにしろ、まずは行動することが重要です。

最後に、ブランディングの進め方を紹介します。

ブランディングにおいて特殊なアクションは無い

ブランディングは、あくまでさまざまなマーケティングアクションの根底にある要素に過ぎません。明確なブランド像を作り、それを軸にさまざまなアクション(集客・販促など)につなげましょう。

ブランド像を作るために、自社のあるべき姿を策定する必要があります。

  • ・何をブランディングしたいのか
  • ・ターゲットは誰か
  • ・ブランディングする目的は何か
  • ・ターゲットにどのようなイメージを持ってもらいたいのか

たとえばドラッグストアで販売する化粧品と、デパートで販売する化粧品では、アプローチ方法も定着させるべきイメージも異なります。どんな商品・サービスを誰に向けて宣伝したいのか、何故ブランディングするのかを明確にしましょう。

ドラッグストアで販売する場合は、手に取りやすい価格や使い勝手の良さを、デパートで販売する場合は高級感や洗練されたイメージをターゲットに伝える必要があります。

ブランディングをするために特殊なアクションを起こすのではなく、マーケティングアクションにつなげるための行動がブランディングです。

ブランドを浸透させていくのは大変

策定したブランド像を浸透させることは、一朝一夕でできることではありません。競合他社の中で自社のみが持つ強みを中心にブランディングを進め、「この商品・サービスといえばあの会社」と認識してもらえる段階を目指しましょう。

注意点は、一方的にアプローチしても顧客の心に響くとは限らないことです。ユーザー視点を取り入れて、どのような悩みを抱えているのか、どのような要望を持っているのかを意識することがブランディングの成功につながります。

自社のブランディングでお悩みの方は、ぜひ未知株式会社へお任せくださいませ。ユーザーへ届けたい魅力を最大限引き出して発信できるよう、徹底したヒアリングとご提案でサポートいたします。

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まとめ

ブランディングについて漠然としたイメージはあっても、明確に日本語で説明することが難しいという方は多いでしょう。高級ブランドの宣伝に限らず、さまざまな業界で行われているマーケティングアクションのひとつです。

日常生活の中で誰もが無意識に行っている商品・サービスの選択には、ブランディングが影響しています。認知度アップや販路拡大など、マーケティングアクションにつなげるために自社のブランディングを検討されている方は、ぜひ一度未知株式会社へご相談くださいませ。