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そもそもブランディングが企業にあたえる効果って?
では、そもそもブランディングは企業においてどうして重要視されているのでしょうか?
市場競争力が高められる
ブランディングの一番大きな効果はやはり、市場競争力が高められることでしょう。
グローバル化の進行やIT技術の標準化により、市場にサービスやモノが溢れかえり、価格や機能だけではなかなか他社との差をつけづらい状況にあります。
そこで、「ディズニーランド=夢の国」のような、特定のイメージと会社・商材を紐付けた認知を獲得すると、価格・機能以外の差別化をはかることができ、顧客に選んでもらえるブランドの構築・市場競争力の向上に繋がります。
また、ブランド価値が高ければ、価格が少々高く設定しても、十分買ってもらえるようになります。
ブランディングの効果はBtoCにもBtoBでも発揮される
ブランディングによる市場競争力の向上は、BtoB企業でも実現可能です。
BtoCでもBtoBの市場でも、自社のサービスを選んでもらうには、他にはない強みを知ってもらわないといけません。
その企業にしか出せない価値(優位性・差異性)の認識が顧客に広まれば、自社を選んでもらう確率が格段に増えます。
BtoB企業にこそブランディングが必要な理由
BtoBマーケティングのデジタルシフト
今では、BtoBマーケティングにおいてもデジタル化が進み、WEB広告やSNS、営業ツールなどの導入が進んでいます。
これによって、営業担当がオフラインで顧客に接触する前に、サービス購入までの意思決定をオンライン上で固めてしまう、というケースが多発することになります。
オンライン上でも、自社のブランディングをしっかりと実施して会社の知名度を上げておけば、多くの人が知っているという安心できるポイントから自社が優先的に選ばれることが考えられます。
また、競合他社と自社の知名度に大きな差があれば、他社との比較検討をすることなく自社を選好してくれる可能性も高まります。
人材確保の難しさ
BtoB企業の場合は、企業が法人に向けて商品やサービスを提供しているため、一般消費者や学生とは接点がないでしょう。社会人であっても学校を卒業したての新卒の場合は、まだ企業と接することや企業同士のつながりを知らない場合が多いです。
BtoC企業では、企業が一般消費者に向けて商品やサービスを提供・宣伝を行っているため、企業に直接関わったことのない人や学生であってもその会社のことをよく知っている可能性があります。
しかし、BtoB企業は、知名度が低く求人募集をだしても応募が来ず、採用活動が難航することも多いと考えられます。ブランディングをしっかりと行い知名度を上げることができれば、採用活動を有利に進められるでしょう。
どこからしたらいい?BtoBブランディングの戦略とは
BtoB企業においてもブランディングが非常に重要かつ効果的であると、これまで説明してきましたが、予算が青天井なわけじゃないし、BtoB企業におけるブランディングはどこからしたらいいの?と思うかもしれません。ここからは、BtoBブランディングの基本的な考え方と戦略を紹介します。
会社の魅力の可視化と共有
根本的なことですが、製品やサービスそのものの魅力、会社の魅力を改めて洗い出す必要があります。
自分の頭で考えるだけでなく、会社の成り立ちや立ち上げの経緯を掘り起こしたり、営業担当の方の話しを聞くなど、実際の声を反映し、会社の魅力を改めて把握し、会社全体で共有しましょう。
ユーザーフェーズの細分化
魅力を可視化させたら、製品/サービスを購買するまでにユーザーがたどる過程を以下の3段階にわけて考えてみましょう。
顕在層:製品の購入動機はあるが、機会がない。
準顕在層:製品を知っている・興味はあるが、購入動機がない。
潜在層:製品のことを知らない。
こうして段階を分けることにより、適切な情報・手段でアプローチすることが可能になります。
このとき、一番大切なのは、顧客に与えるイメージに一貫性をもたせることです。顧客に異なるイメージを与えてしまうと、混乱させてしまいますし、認知しづらくなってしまいます。
段階に分けて広告やオウンドメディアなどアプローチ手法を変えたとしても、魅力を伝えるための文言やデザインは、統一させるようにしましょう。
BtoBブランディングの具体的な手法
BtoBブランディングの戦略を立てたら、具体的な各手法を検討してみましょう。ここでは各手法を解説していきます。
広告
広告を出すことはBtoB企業にとって重要なブランディング手法になると言えます。
BtoB企業の場合は顧客ターゲット層が限定されているので、マスメディアなどを利用した広告にはあまり効果はないと思われがちですが、広告を出すと地名度があがりブランディングの一因になりえます。
またテレビCMなどは製作コストが高く、高い費用に見合った効果があるのか、懐疑的なBtoB企業も少なくはないようです。しかし、テレビCMを提供しているテレビ番組の種類や斬新かつ親しみやすいテレビCMの放映などにより、顧客企業に勤務する幹部職がそのCMを目にする機会も増えるでしょう。
現在ではテレビを含めた雑誌やSNSなど複数のメディアへの露出(メディア・ミックス、と呼ばれています)を増やすことで、BtoB企業であってもブランディングに大きく貢献することが可能になっており、広告戦略はブランディングにとって重要な武器となっています。
TV出演など
また、単純に自社の製品をCMで世間に発信するのみならず、商品開発者や広報担当者がテレビ番組に出演して、開発秘話や自社製品の上手な使用方法、などについて話すこともBtoB企業のブランディングには効果があるでしょう。
CMと同様に、多くの人々に自社並びに自社製品のことを知ってもらうことが可能で、場合によってはCM以上に訴求効果が高いかもしれません。
この場合で大切なことは、自社並びに自社製品のPRに効果がある番組かどうか、番組の内容が自社や自社製品のコンセプトに沿っているか、などを出演前にしっかりと確認しておく必要がある点です。
テレビ番組の出演は確かに多くの人々に知ってもらうためにはとても効率の良い方法ではありますが、生放送の番組内で失言してしまったり、表情に出してしまったりすると、取り返しがつかない事態になってしまうこともあり得ます。
したがって、入念なリハーサルを積み重ねたうえで、専門家としてのテレビ出演が望ましいと言えます。
ランキングなどに応募
〇〇ランキング第一位獲得や〇〇賞を受賞、といった企業や製品であればブランディングには大いに強みになります。このような受賞歴や経歴は多くの人にとってわかりやすく、訴求効果も強いと考えられるからです。
もしそのような受賞経験などがなければ、積極的にそのようなアワードやコンペティションに参加してみましょう。多くの団体で大会が開催されており、主催者側も新たな企業の参加を望んでいると考えられます。
もし何らかの賞を受賞したり、ランキング上位を獲得したりすると、マスコミからの注目度もあがることになるので、BtoB企業のブランディングにおいては強力なツールになることは間違いないでしょう。
健康経営優良法人やPマークなどを取得
前述したランキングや賞の受賞などに加えて、公的な権威付けにもブランディングの効果は高いと考えられます。例えば、優良な健康経営をしていると経産省に認定される健康経営優良法人認定制度や日本産業規格(JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項)に適合しているとされるPマークの取得などが例として挙げられます。
このような公的な資格を認定されるためには社内体制の整備など事前の準備が必要にはなりますが、その取得効果には大きなものがあり、BtoB企業のブランディングにおいて重要かつ得ることが困難な「信用」という評価を得ることができます。
したがって、現時点で取得ができそうな公的な資格をリストアップして準備を進めることが大切です。
リンク-JISC 日本産業標準調査会, https://www.jisc.go.jp/
リンク-健康経営優良法人認定制度(METI/経済産業省), https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html
定期的な情報発信
BtoB企業のブランディング手法の重要なツールとしては、SNSや自社サイトによる情報発信を挙げることができます。
SNSやオウンドメディアを通じて、自社の特長や自社製品のメリットなどを定期的に情報を発信し続けることはとても重要なブランディング活動です。
最近では会社で開設したオウンドメディアも増えています。オウンドメディアの場合は、自社製品の紹介やイベントの告知などの際には集客へと繋げることも可能です。
オウンドメディアを活用したブランディングについて、より詳細に知りたいという方は、下記の記事も併せて読んでみてはいかがでしょうか。
https://www.mchs.co.jp/dm_column/branding_own_media/