目次
ブランド価値とは
まずは、ブランド価値の定義について知っておきましょう。
ブランド価値とは
ブランド価値とは、他人から見たブランドの魅力です。
ギターを弾くのが好きな人で考えてみましょう。この人は、ソロのギタリストとして活躍したいと考えており、売り込みもしていますが、なかなか芽が出ません。一方で、生活のためにやっているギター教室の講師としては、教え方が分かりやすいと評判で、予約が取れないほどの人気です。
この場合、ブランド価値があるのは「ギター教室の講師」といえます。いくら本人がソロのギタリストを目指しても、他人が魅力を見出せなければ、収入にはなりません。
このように、企業の主観ではなく、他人(顧客)が魅力に感じてこそ、ブランド価値は初めて確立されるといえます。
企業におけるブランド価値とは
企業が扱っている製品(サービス)の中で、一定の顧客がいて評判も良いものは、その企業にとってブランドの候補になるものです。
さらに価値を高めるには、「この製品(サービス)でなければいけない」という動機付けをしなければいけません。最も分かりやすいのは、差別化や独自性です。
アメリカのインターブランド社が毎年公表している「Best Global Brands」の2020年版によると、1位は8年連続でアップル社でした。
アップル社が同業他社と圧倒的に異なるのは、デザインと操作性です。同社の製品のデザインは、機械よりもインテリアやアクセサリーに近い雰囲気があります。直感的に操作できるのが魅力です。
性能や自由度を考えると、絶対的に優れているわけではありませんが、デザインと操作性に惹かれる顧客によって根強い人気が保たれています。
アップル社の魅力はパッケージや広告にも反映されており、新たな顧客を惹きつける要素のひとつとなっています。
企業がブランド価値を高めるときも、商品やサービスの魅力をパッケージや広告に反映し、顧客に分かりやすく提示する姿勢が求められます。
なぜなら、見た目が入口になるケースが多々あるからです。例えば、見映えが良いけど中身が劣るものと、見映えは良くないけど中身は良いものとでは、ほとんどの人が前者を選ぶでしょう。魅力が分かりやすいからです。
だからといって、やみくもに広告を打ったり、パッケージに力を入れたりすれば良いわけでもありません。一時的に知名度は上がるかもしれませんが、ブランド価値が高まるとは限らないからです。逆に、製品(サービス)とのギャップが大きいと、悪い印象を定着させる原因となります。
むしろ、ターゲットを明確にして、そこに受け入れられるアプローチが必要です。地道にファンを満足させてこそ、初めてブランド価値は高まります。
ブランド価値があるとどんな良さがある?
では、ブランド価値があると、どのようなメリットがあるのか見てみましょう。
企業にもたらすメリット
ブランド価値がある製品(サービス)は、価格がどうあれ、優先的に選ばれやすくなるため、高値での提供が可能になります。価格競争で疲弊する心配はありません。
新商品を発売するときも有利です。「同じブランドだから」という理由で、購入してくれるきっかけになります。販売店では目立つところに展示してくれますし、大々的にプロモーションを行う必要はないでしょう。
いくらブランド価値が高くても、ひとつの製品(サービス)だけでは心もとないですが、複数でマルチに展開できれば、確固たるものになります。サブブランドの展開や普及モデルの提供もそのひとつです。
アップル社もパソコンから始まり、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどのサブブランドが加わって盤石になりました。いずれもエントリーモデルからプレミアムモデルまで幅広くラインアップされており、多くの顧客のニーズを満たしています。
顧客へのメリットもある
ブランド価値の高い製品やサービスは、顧客にとってもメリットがいっぱいです。
常に自分のニーズを満たしてくれるので、安心して購入できます。所有・使用するだけでステータスになったり、自慢できたりするなど情緒面を満たせるのも強みです。他人から「このように見られたい」という思いを実現するためのアイテムにもなります。
また、数ある製品やサービスの中から、ひとつを選ぶのは意外と大変です。比較や検討の手間が発生します。その点、自分にとってブランド価値の高いものを選べば、こうした手間はかかりませんし、失敗もありません。すでに自分が経験を通して、その魅力を知っているからです。
ブランド価値をどうやってコントロールするのか
ブランド価値は、顧客側が判断するものですが、企業側でもある程度コントロールはできます。そのために何をすれば良いのでしょうか。
カスタマージャーニーマップを作ろう
顧客が製品やサービスを選択するまでには、いくつかのプロセスがあります。それを可視化して分析するのが「カスタマージャーニーマップ」です。
もし、広告を見て購入しようと思った顧客が多いのであれば、プロモーションに力を入れるべきでしょう。ターゲットの年齢層によっては、それがテレビだったり、雑誌だったり、インターネットだったりするかもしれません。
すでに自社の製品やサービスを利用しているのが動機になっているなら、一緒に陳列したり、Webサイトで一緒に紹介したりする手法があります。
このように、顧客がどのような思考を経て、自社の製品やサービスと接点を持ち、どの点に惹かれて選択したか分かれば、何に力を入れれば良いか明確になります。
カスタマージャーニーマップを作成するには、顧客からアンケートを取って分析するのがおすすめです。そこまでの手間をかけられなければ、ペルソナ(顧客像)を元に構築するのも、力の入れどころが明確になります。年齢や職業、家族構成などによって、行動や思考のパターンがある程度想定できるからです。
カスタマージャーニーマップをもとにブランド価値を高めよう
認知されていない商品や商材は、放っておいてもブランド価値がつくものではありません。先程解説したカスタマージャーニーマップを元に認知を獲得していきましょう。求められているもの、その顧客像が明らかになっているので、需要に合わせたアプローチをしていくことで、ブランドの認知は獲得できます。
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まとめ
ブランド価値は、他人による客観的な視点によって確立されます。ブランド価値を高めておけば、価格競争をしなくても安定した売り上げが見込まれ、顧客も満足してくれるのがメリットです。企業側でブランド価値をコントロールするには、カスタマージャーニーマップを作成したり、ペルソナを定めたりする方法があります。