ブランドポジショニングとは
ブランドポジショニングとは、マーケティング戦略の1つです。会社の名前や製品のシリーズ、提供しているブランドに対して消費者にイメージを持たせるような戦略をとっていくことです。
ポジショニングに関しては、ジャック・トラウト氏とアル・ライズ氏が出版した「ポジショニング戦略」の中で語られていたことでも知られています。ブランドポジショニングを実際に活用する際は、自社のブランドが世間でどのように評価されているのかを確認する必要があります。
そのためには、自社ブランドを解析し、適切な経営戦略を行うことが大切です。
企業の広報を担当している場合は、ブランドポジショニングについての正しい知識を身につけて活用していくように努めましょう。ブランドポジショニングの用語を聞いたことがある程度という人は、ブランドポジショニングについて学ぶことをおすすめします。
今回の記事では、ブランドポジショニングの基礎を詳しく紹介していきます。
ブランドとは
ブランドとは家畜に焼き印を押すという意味のbrandが語源になっています。家畜に焼き印を押すということは、ほかの個体と区別するという目的で実施されていました。
そのためブランドは、商品やサービスの違いを消費者に分かりやすくアピールすることに役立つと考えられます。
アメリカ・マーケティング協会では、ある特定の商品やサービスの違いを消費者に明らかにさせることで、競合他社の商品やサービスと区別するものと定義づけられています。
ブランドは名称だけでなく、言葉や記号、シンボル、デザイン、またはそれらをすべて掛け合わせたものも含まれます。なおプライベートブランドもブランドの1つと言われています。自社と他社のサービスを消費者に区別させることは、マーケティングにとってとても大切なことです。
サービスや商品の違いを意識づけられれば、ブランドポジショニングに成功したといえるでしょう。
ポジショニングとは
ポジショニングとは、市場において自社の製品やサービスの立ち位置を確固たるものにすることと言えます。自社のイメージが確固たるものになれば、他社と差別化されて顧客から選んでもらえるようになるでしょう。
ポジショニングを考える際は、他社のサービスとの違いよりも消費者が魅力的なブランドかどうか認識しているかどうかを大切にする必要があります。
またポジショニングは、その後のマーケティングを大きく左右する大切なものです。社内で具体的に話し合いブランドポジショニングを行うといいでしょう。
ブランドポジショニングの事例
今回は、ブランドポジショニングの具体的な事例を紹介していきます。ブランドポジショニングのイメージがわかないという場合は、ぜひ参考にしてみてください。
ブランドポジショニングは、1度決めたものが成功している事例もありますが、売り上げがいまいちという商品のブランドポジショニングを見直して成功している事例も少なくありません。
ブランドポジショニングの成功例を上げればきりがありませんが、特に日本で有名な会社や製品を中心にまとめていますので、イメージも付きやすいでしょう。
今から自社製品やサービスのブランドをポジショニングする予定の場合は、成功例を参考にしてみることもおすすめです。顧客が強く意識するようなブランドポジションを作成していきましょう。
資生堂
資生堂のシーブリーズは、ブランドポジショニングを変えて成功した一例です。シーブリーズはもともと海に行く30代の男性をターゲットにしていました。
しかし、海に行く人が減ったことや需要が見込まれず売り上げが期待通りとは言えませんでした。そこで、ポジショニングし直し、「青春」「中高生」などをテーマにしてマーケティングを行っていきます。
10代の学生向けとブランドポジショニングをしたことで、売り上げが8倍に伸びました。もしブランドポジショニングを見直さなければ、シーブリーズシリーズは低迷し続けていた可能性があります。
資生堂の例は、ブランドが高齢化してターゲットに想定している層が減ってきたと感じる場合は、思い切ってターゲットを変更しポジショニングを見直してみることの大切さを教えてくれます。
打ち切りを考えているブランドがあれば、ポジショニングを変えることでテコ入れができる可能性があるでしょう。
大塚製薬
大塚製薬のポカリスエットは、ポジショニングの見直しを迫られた人気商品です。ライバルとなるアクエリアスが発売されたことで、差別化を図る必要が出てきました。
ポカリスエットが発売された当時は、スポーツ飲料としてポジショニングが行われて人気でした。しかしスポーツ印象というブランドポジションは、アクエリアスと重なってしまうことが危惧されていました。
そこでポカリスエットは、健康飲料としてポジショニングを行うことに成功します。今まではスポーツのあとに飲むイメージを持っていた人が多かったですが、健康飲料として再度ポジショニングが行われ話題になりました。
大塚製薬の例は、強力なライバルが現れたときにポジショニングを見直すことで売り上げが落ちずむしろさらにアップするという一例です。ライバルが登場して悩んでいるブランドがある場合は、参考にしてみてください。
スターバックス
スターバックスは、ブランドポジショニングに成功したお店です。スターバックスは同業他社に比べて、高い値段設定であるが人気は高く成功しています。
それでは、スターバックスでのくつろげる時間や、洗礼された雰囲気を売りにしているからです。スターバックスで過ごすこと自体がブランドになっているといえるでしょう。
ブランドポジションに成功しているスターバックスは、価格競争で勝負しなくても採算が期待できます。その結果よりよいサービスが提供できるため、リピーターも多くなっています。
またスターバックスは、ブランドポジショニングに成功することで他社にはない独自のポジションを確立することにも成功しました。
唯一無二の存在になれば、高い利益も期待できます。ブランドポジショニングは、収益にも大きな影響を与えます。
ブランドポジショニングマップの作り方
ここからは、ブランドポジショニングマップの作り方を紹介していきます。ポジショニングの軸の組み合わせは、無限大にあります。
定義縦軸・横軸の設定は、ルールは特に定義されていません。自社とライバル関係にある強豪の状況をマップにしていきましょう。ポイントとしては、軸同士は独立して、相関性の薄いものを設定すると良いです。需要のあるものを軸にしていくことがおすすめです。
具体的には、高い・安い、くつろげる・にぎやか、カジュアル・フォーマルなどです。自社の製品やサービスに沿ったものしてみてください。
そして他社との差別化ばかりを気にして需要から離れてしまうのは避けましょう。顧客が利害できるポジション選択をすることが、何よりも大切です。
決まった定義はありませんので、まずは作ってみるといいでしょう。