ブランド連想とは?ブランドイメージとは違う!

マーケティングにおける手法のひとつに「ブランド連想」があります。ブランド連想が強力であれば、その企業、あるいは商品・サービスは選ばれやすくなり、売上にもつながるでしょう。ブランド連想を強化するには何をすれば良いのか紹介します

ブランド連想って何?

まずは、ブランド連想の定義やメリットについて知っておきましょう。

ブランド連想とブランドイメージは異なる

ブランド連想とは、消費者が、ある商品を購入したりや、企業や店舗、サービスを利用したりするとき、候補として思い浮かんでいる状態を指します。

例えば、缶コーヒーを購入しようとするとき、BOSS(サントリー)が思い浮かんだのであれば、その消費者にとって「BOSSのブランド連想が強力である」といえるでしょう。

「ブランドイメージ」は、消費者がそのブランドに対して抱くイメージであり、ブランド連想とは別物です。例えば、同じ消費者が先ほどのBOSSに対して、「美味しい」とか「CMが印象に残る」などと思うのであれば、それがブランドイメージとなります。

購入の動機付けになるのは、ブランド連想もブランドイメージも同じですが、ブランド連想のほうが「候補に残る」点で重要です。ブランド連想が強力で、消費者の候補に残れば、購入や利用に至る可能性は高くなります。

ブランド連想のメリット

何か商品を購入したり、企業や店舗、サービスを利用するときの候補は、ほとんどの消費者にとって、それほど多くはありません。どんなに多くても5つ以上選択肢があるケースは滅多に無いでしょう。多くなるほど比較するのが面倒になるからです。

むしろ、お気に入りのブランドがあって、簡単にひとつかふたつくらいに絞れるのが一般的かもしれません。

どの商品や企業、店舗、サービスにも競合が存在します。ブランド連想が強力であれば、その中から消費者の候補に残りやすくなるわけです。

第一候補になるほど、購入や利用に至る確率は高くなりますが、まずは候補に残ることを目標にすると良いでしょう。

目次へ

ブランド連想を狙うにあたって

続いて、ブランド連想を強化するために、何をすれば良いのか見てみましょう。

まずはブランド連想のステップを知ろう

消費者のブランド連想は、そのブランドの認知から始まります。つまり、企業側は認知するきっかけを作らなければいけません。集中して広告を打つのも、そのひとつです。

ただし、認知してもらうだけでは不十分で、それが消費者の中に定着しなければいけません。

例えば、CMで商品に興味を持った消費者が、実際にその商品を購入し、良い印象が残れば、次回購入するときの候補になるでしょう。逆にネガティブな印象を持たれると、二度と候補には残りません。初回が肝心です。

定着したら、次は何度も再生してもらえるように働きかけます。広告を打ち続けて忘れられないようにするだけでなく、商品やサービスが常に提供されている状態にしておくのも大事です。必要なとき手に入らなかったり、利用できなかったりすれば、やはりネガティブな印象を持たれて、候補には残らなくなってしまいます。

より多く再生してもらうには、消費者にとってメリットのある情報提供が欠かせません。好ましいブランドイメージや問題を解決する手段などです。例えば、食器洗い洗剤を選ぶとき、「手荒れしない」というのは、好ましいブランドイメージですし、消費者の問題を解決する手段でもあります。

独自性も必要です。どんなに魅力的な要素があっても、競合するものが持ち合わせていると、そちらで代用される恐れがあります。汎用性の高い商品やサービスほど、独自性を出すのは難しいですが、何も方法が無いわけではありません。

缶やペットボトルのお茶で考えてみましょう。それまで急須で淹れるものだったお茶を、缶やペットボトルで販売し、定着させたのが伊藤園の「おーいお茶」です。その後、サントリーの伊右衛門は、個性的なCMで認知度を高め、ブランド連想のきっかけをつかみました。キリンの「生茶」は、お茶の甘みに特化して競合との差別化を図っています。

他社より先行した伊藤園、CMでブランドイメージを高めたサントリー、味で個性を出したキリンといった具合に、独自性を持つきっかけはさまざまです。

独自性があれば、「この商品・サービスでなければいけない=ほかでは代用できない」というブランド連想に発展し、購入や利用時の強い動機付けになるでしょう。

ブランド連想に求められること

ブランド連想を強化するには、一貫性や持続性が大事です。

商品にしてもサービスにしても、定着したらどんなに良かれと思っても、簡単に内容やパッケージ、基本方針などを変えてはいけません。また、これらにそぐわないものは切り捨てる勇気も必要です。

人間と同じく、ブランドに一貫性が無いと不信感を持たれてしまいます。消費者は定着したブランドのイメージを期待して商品を購入したり、サービスを利用したりするからです。そこから外れると、裏切られたと感じて、そっぽを向いてしまうでしょう。

実際に大胆なイメージチェンジや改良(改悪)をして、人気を落とした商品やサービス、店舗、企業は少なくありません。

だからといって、まったく変わらないのも考えものです。それでは消費者に飽きられてしまいます。変化を拒む一方で、新しいものに目移りしやすいのが消費者です。

実際にロングセラーとなっている商品やサービスは、消費者のニーズから外れない範囲で改良を重ねています。例えば、カゴメケチャップは、パッケージを一新したり、ガゴメケチャップハーフという、カロリー、塩分、糖質を50%抑えつつ、満足した味を維持したケチャップを発売するなど、改良を続けています。

消費者が持つイメージや期待を守りつつ、ニーズに応える改良を重ねていけば、持続性のあるブランドになり、その間にブランド連想も強化されるでしょう。

目次へ

ブランド連想の事例

最後に、ブランド連想が強力な商品やサービス、店舗、企業の事例を見てみましょう。

ブランド連想の事例

スマートフォンでブランド連想が強力なのは、アップルの「iPhone」です。それほどスマートフォンに詳しくない人にも、iPhoneは認知されています。普段は他社のスマートフォンを使っていても、機種変更の際にiPhoneを候補に入れる人は少なくないでしょう。

iPhoneの魅力は、その独自性があるデザインです。さらに直感的に使えて反応も良いメリットがあります。他社のスマートフォンもブランド連想を強化しようと努力していますが、iPhoneほど定着や再生はしていません。

コーヒーショップならスターバックスを思い浮かべるでしょう。コーヒーをメインに提供する店舗は、ほかにもありますが、スターバックスほどの強力な印象はありません。先行してコーヒーショップを展開した強みがありますし、商品にも独自性があります。

来店者にとっては、従業員が個性的なサービスを提供するところも、印象に残りやすく、リピーターを増やす一因となっています。

ブランド連想を狙うなら

このように、ブランド連想を強化するなら、以下の5つが大事です。

  • ・ほかよりも早く商品やサービスを投入して、先行者利益を狙う。
  • ・コンテンツマーケティングで、幅広い層の認知度を高める。
  • ・独自性を持たせて、競合するものと差別化を図る。
  • ・ブランドに一貫性を持たせて、消費者のイメージや期待を裏切らない。
  • ・気づかれない程度に改良してブランドを持続させる。

このうち、コンテンツマーケティングについては、消費者にとって価値があるものを作るのが課題です。従来の一方的に売り込む広告とは、手法が大きく異なります。いざ取り組むとなれば、あまりの違いに戸惑うかもしれません。

未知株式会社では、メディアを活用したコンテンツマーケティングによって、ブランド連想の強化をお手伝いします。ぜひお気軽にこちら(https://www.mchs.co.jp/contact/)からお問い合わせください。

目次へ

まとめ

ブランド連想を強化する方法はさまざまですが、まずは消費者に存在を知ってもらわなければいけません。存在を知ってもらい認知度が高まれば、次のステップに進めます。良い商品やサービスを提供するのはもちろん、目に触れる機会も増やしたいところです。