採用市場に大きな変化が起きている昨今、求人採用サイトで募集をかけても、企業とマッチする求職者が来る機会が減りました。せっかく採用してもすぐ辞めてしまう事も多いのではないでしょうか。このような状況が続くなか、例年どおりエージェントへ依頼しても良いのか迷っている採用担当者も多いはずです。
実は、採用に成功している企業は「採用オウンドメディア」を活用しています。今までのように、求職者が採用情報にアクセスしてくるのを待っているだけではなく、求職者が知りたい情報を積極的に発信することが求められています。
そこで今回は、採用オウンドメディアの基本や立ち上げ方を解説します。また、採用オウンドメディアを活用する際のメリット・デメリットも紹介しますので、自社メディア立ち上げの参考にしてみてください。
採用オウンドメディアとは!? 何のために始めるのか
少子高齢化が進む昨今、就職活動は売り手市場が続いています。求職者の母数が変化していることに加え、採用市場にも大きな変化が起こっています。
そのひとつが「採用オウンドメディア」の流行です。そこでまずは、採用オウンドメディアについて分かりやすく解説します。
1まずはオウンドメディアについて
オウンドメディアとは、情報を発信するコンテンツのことを指します。企業や組織が活用するWebサイトやブログなどのことです。最近では、InstagramやTwitter、Facebookなどのアーンドメディアと呼ばれるSNSアカウントも情報発信に活用できるため、企業のオウンドメディアとして活用するケースが増加しています。採用オウンドメディアはその中の採用をメインにして作ったサイトとなっています。
採用オウンドメディアとは
近年では、オウンドメディアを利用して企業のアピールを行っている企業が増加傾向にあります。オウンドメディアのなかでも、企業に興味を持ち採用者につながりそうな人材に向けた発信をメインとするサイトを「採用オウンドメディア」といいます。
発信する内容は主に、企業のリアルな情報や求職者に向けてのメッセージです。採用オウンドメディアを見てもらうことで、企業の特徴をより詳しく知ってもらえる特徴があります。また、求人サイトなどの外注費がかからず、自社の運営で企業の雰囲気を大切にできるのがポイントです。
採用オウンドメディアと従来の採用サイトの違い
採用オウンドメディアと従来の採用サイトには「採用情報の出し方」に違いがあります。採用サイトは、求人の詳細や応募方法、求職者への案内が大きく打ち出されており。まさに採用のためのサイトという位置づけでした。
しかし、採用オウンドメディアは求職者を集める前の段階である「興味を持ってもらう」ことにも注力しています。企業が欲しいと考える人材に向けて「もっと企業の特徴を知ってほしい」と戦略的な発信を行います。このように、応募してほしい人材にダイレクトにメッセージを伝え、企業のファンとなる潜在候補者との距離を縮める狙いがあります。
また、採用オウンドメディアには決まった形がありません。そのため、企業がオリジナルの自由な形式でメッセージを発信できるのです。例えば、実際に働く社員のインタビューや社内の動画、企画しているイベントのレポートなど、その打ち出し方はさまざまです。
求職者としても、求人内容がびっしり掲載された採用サイトより、企業内部の写真や働く人の声などリアリティのある情報を得られるメリットがあります。求職者が求めているのは「その場所で働いている姿が想像できるようなリアルな感覚」です。
このように「企業の雰囲気が伝わる心地よい空間」を自由に作り上げられるのが採用オウンドメディアなのです。
採用オウンドメディアがなぜ必要か
企業の潜在候補者に対して、最適なアプローチができる採用オウンドメディアですが、なぜ必要とされ始めたのでしょうか。ここでは、採用市場尾で採用オウンドメディアが主流と鳴り始めた理由を解説します。
1求職者の意識の変化
昔と比べ、求職者が置かれる環境も大きく変化しています。インターネットの性能が急速に上がる近年、求職者はインターネット上で膨大な数の情報を得られるようになりました。求人情報サイトや大学から提示される求人情報を頼りに応募していた時代とは違い、今の求職者は自ら情報を収集する力を持っています。
情報収集力に長けている人材が増えたことから考えると、今までのように決められたカテゴリの中から選ぶ就活は終わったといえるでしょう。そのため採用市場は、求職者の意識の変化に合わせて戦略を変更し続けなければならないのです。
現在の求職者は、SNSで独自のキーワードで検索し仕事を選ぶといったスタイルに変化しています。求職者のキーワード検索にヒットするようなオウンドメディアを持っていなければ、企業の特徴を知ってもらうチャンスを逃すことにつながります。
2転職潜在層にもアプローチが必要だから
労働人口が減少している昨今、どの企業も優秀な人材の獲得は容易ではありません。それどころか、企業を運営するうえで最低限必要な応募数の確保ですら危ういのが現状です。
今まで活用していた採用サイトや求人媒体への掲載だけでは、求職者がその媒体へアクセスしなければ情報を提供できない「待ち」の姿勢でした。それでは、潜在的な求職ニーズに合わせたアプローチができません。
そこで、採用オウンドメディアを活用した転職潜在層へのアプローチが必要となります。転職潜在層とは、転職へ興味はあるものの転職活動を行っていない人のことを指します。「今の企業に大きな不満はないものの、いい転職先があれば考えなくはない」といった人へアプローチで、即戦力の優秀な人材を獲得する狙いがあります。
採用オウンドメディアで企業の特徴を積極的に発信しておくことで、転職潜在層の興味を引きファンを作っておきます。すると、転職潜在層が本格的に転職活動を始める際に、その企業の存在が真っ先に思い浮かぶといえるでしょう。そのような転職潜在層へのアプローチの機会を逃さないためにも、採用オウンドメディアが必要なのです。
3仕事観の変化
現在の求職者は、昔と異なり働く意義や価値が問われる機会が多くあります。そのなかで、「終身雇用」の考え方や、新しい仕事は「とりあえず3年」働くといった働き方が重視される時代は終わりを迎えています。副業やテレワークなど、多様な働き方が認められる時代へと変化した社会の流れに合わせ、求職者の仕事観が変化しているのです。
ワークバランスは働く上で大変重要なポイントだと考える求職者も多く、在宅勤務やテレワークができる企業や有給消化の有無、残業がないことなどを重視している求職者が多い風潮があります。また、その企業は「なんのためにその業務を行っているのか」「自分は何のためにその仕事に就くのか」などの労働意義にも焦点をあてています。
例えば、働き方を自由に選びたいと考える求職者がヒットした企業のオウンドメディアに目を通すとします。そこで、実際に働く従業員が自由に働き方を選択する姿が掲載されていると企業への興味関心が増すことでしょう。求職者は、そこで働くことで得られる経験を重視しているのです。
このように、求職者は自分のライフスタイルに合った働き方ができる企業を探すため、うまくキーワード検索しながら情報収集を行っているのです。その仕事観の変化から、求職者の仕事の情報収集力と選別能力が高まっているといえるでしょう。企業は求職者が求める情報を予測し、より効果的に情報発信を行う必要があるのです。
4人材のミスマッチを減らせる
従来の採用サイトでは、応募者の素性は未知数で入職後のミスマッチが多い傾向にありました。問題点としては、採用サイトに掲載されている情報は一部分のみであり、求職者が入職後の働き方をイメージできなかったことが挙げられます。
人材のミスマッチがあれば、企業側に採用コストがかかってしまいます。即戦力が欲しいにも関わらず、入職後に短期間で退職されてしまうと時間的なコストもかかります。
そのため採用オウンドメディアのような、求職者にとって分かりやすい形での情報発信が求められます。求職者が情報収集しているなかで、企業の社風や環境を深く理解できる機会があれば、企業とのミスマッチを減らすことができます。
採用オウンドメディアの活用は、企業の採用コスト削減だけでなく、求職者の早期離職がなくなるといえるでしょう。
採用オウンドメディア実例
採用オウンドメディアは、求職者に企業の具体的な社風や環境を伝えることができる画期的な手段です。しかし、一言で採用オウンドメディアといっても、その活用方法は企業によってさまざまです。
採用オウンドメディアでは、ターゲットとなる求職者層や転職潜在層のニーズに合わせた発信が求められます。また「知らない人に知ってもらう機会」「知っている人に好きになってもらう機会」を与える目的があります。
そこでここからは、採用オウンドメディアを活用した実例を紹介します。
1Netflix × Instagram
配信登録型のストリーミングサービスのNetflix(ネットフリックス)は、採用オウンドメディアとしてInstagram(インスタグラム)を活用しています。Instagramのアクティブユーザーは世界で10億人、国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破しているコンテンツです。「インスタ」と呼ばれ、写真や動画を投稿したり、多くの人とリアルタイムで繋がったりできます。
フォロワー数4.6万人を獲得するNetflix(wearenetflix)は、Instagram上で動画コンテンツを中心に配信しています。主な内容は、従業員がNetflixで働く魅力を語る動画となっています。「Where you come to do the best work of your life」のメッセージを掲げ、最高の仕事探しのお手伝いをしています。また、Netflixが運営するInstagramのトップからは、Netflixの公式サイトへとアクセスできるようにもなっています。
「自由と責任」をコンセプトに採用活動をおこなうNetflixは、勤務時間や休日に決まりがありません。自らの仕事を成し遂げることができるならば、出社や休日は本人の自由であるスタイルを確立しています。
そのような組織カルチャーを求職者に共有すれば、採用時のミスマッチを防ぐことができるのです。
2HubSpot
HubSpot(ハブスポット)とは、導入実績113.000社以上のインバウンドマーケティングのプラットフォームです。インターネットでの事業に際し、顧客管理やマーケティング、セールスやカスタマーサービスなど、さまざまな業務に欠かせないツールや連携機能を備えています。
そんなHubSpotのサービスを運営するHubSpot社では、SlideShare上で採用目的のスライドを発信しています。そのなかでは、会社として大事にしている文化を紹介し、必要な情報を求職者に分かりやすくスライドにまとめています。
また、HubSpotTokyoでも同じく「企業の文化を反映した行動指針」について紹介されています。従業員が共有すべきコアバリューや求められる素質、ワークバランスを重視した働き方に関する理念が定められ、日本語版で公開されているため日本人でも分かりやすい発信内容です。
そのほか、従業員の紹介やオフィスでの1日がリアルに公開されており、求職者にとって親しみやすいプラットフォームが構築されています。
3Facebook
Facebook(フェイスブック)とは、多くの企業が活用するSNSのひとつです。Facebook社は、自社開発のFacebookタイムラインを採用オウンドメディアとして、従業員のインタビュー動画を発信しています。
Facebook Careersは、約82万人のフォロワーを獲得し、約78万のいいね!数を誇っています。動画では、どんな人を採用しているか、Facebookで働くために必要なポイントや応募条件が記載されています。
いつでも過去の動画を見返せる環境をつくることで、求職者に採用情報や企業の雰囲気を知ってもらえる機会を与えられるのです。
事例から分かるメリット・デメリット
先述した採用オウンドメディアを活用した事例には、さまざまなメリットとデメリットがあります。
ここからは、採用広報として知っておくべき事例のメリット・デメリットを紹介します。
1実例から分かるメリット・デメリット
事例から得られる最大のメリットは、企業の情報発信を得られた求職者の不安が解消されることにあります。企業で働く社員のリアルな声を発信することで、求職者が知りたかったことを提供し、求人応募への漠然とした不安が解消されるのです。
例えば、実際に働く社員に対するインタビュー記事や、仕事の体験談、社内イベントの風景を分かりやすい形で公開すれば、企業の魅力を的確に求職者へ届けることが可能です。
また、企業内で行われる行事やランチミーティングなど、まさに就職後でなければ知り得なかった情報の公開により、企業と求職者の距離を縮めることができるのです。情報を正確に共有することで、採用後のミスマッチを防ぐことも可能です。
一方、デメリットには採用オウンドメディアの周知に時間がかかることが挙げられます。オウンドメディアを立ち上げても、すぐに成果がでないことや、継続して運用する難しさが問題となります。
求職者のキーワード検索に、立ち上げたオウンドメディアが上位表示されるまでには数か月の期間がかかります。そのため、ターゲット層に周知されるまでには、充実したコンテンツを作成する知識や時間を必要です。また、企業全体で長期的な目標として共通理解しておくことも大切です。結果がでないからといって、早期撤退に踏み切れば、立ち上げにかかったコストの回収ができません。
後にかかる採用コストを考えれば、採用オウンドメディアは初期投資ともいえます。採用オウンドメディアの運用が難しいというデメリットを乗り越える知識と覚悟が必要となるでしょう。
採用オウンドメディアの始め方
じっくり時間をかけて作り上げることができれば、求職者層に適切な発信を届けられるオウンドメディアですが、具体的にはどのように始めればよいのでしょうか。ここからは、採用オウンドメディアを始める前の注意点や、成功させるポイントを解説します。
1採用オウンドメディアを始めるにあたって
オウンドメディアを始めるにあたり、初めに決めておくべきことが3つあります。まずは以下のポイントを、企業内で検討してみましょう。
ペルソナを設定する
採用オウンドメディアの運営には、ペルソナの設定が必要不可欠です。ペルソナとは、サービスや発信をどのような人物に向けているのかを表現する「具体的なユーザー像」のことで、主にマーケティング業界で活用される概念です。
万が一、企業が届けたいと思っている人物像と、発信内容に差がでてしまうと思っている効果が得られない可能性があります。ペルソナの設定で、当てはまるユーザー層により深く情報を読み込ませることが可能です。また、発信内容に具体性を確立したり、投稿内容に統一感がでたりする効果が得られます。
ペルソナの設定は、ターゲット層を決めるよりも入念に、より具体的に設定するのがポイントです。性別や年齢、職業、趣味、ライフスタイル、悩んでいることなど、まるで実在するひとりの人物のように設定します。
何を発信するか決める
ペルソナを設定したら、自社のオウンドメディアで発信する内容を決めます。内容に統一感がなければ、せっかく設定したペルソナにうまく情報が届かない可能性があります。
そのため、自社がどのような採用オウンドメディアを作り上げていくか、コンセプトをを明確にしておく必要があります。コンテンツの作り方として、決まった形はありません。企業がおこなっている業務内容を知ってもらうのか、従業員の働き方を知ってもらうのか、サイトの軸となる構築を行います。
また、伝えたい内容が「自社自慢のスタイリッシュなオフィス」なら画像で、「心を動かすプロジェクトの説明」なら文章で、「従業員のリアル」を伝えるならば動画を使用するなど、発信したい内容によって活用するプラットフォームを変更しても良いでしょう。
継続的な運用ができる環境作り
採用オウンドメディアの活用には、継続的な運用が求められます。メディアを構築しても、すぐにキーワード検索にヒットするわけではないからです。
見てもらいたい人に発信を届けるには、立ち上げたコンテンツがキーワード検索で上位に表示される必要があります。しかし、そのためには数か月の運用が必要です。また、検索エンジンに最適に表示されるようSEOの正しい知識を踏まえた運用が求められます。
そのため、採用オウンドメディアの運用が継続できる環境作りが大切になります。これは、作成者ひとりでの継続は困難とされています。広報担当者がひとりで立ち上げたとしても、初期費用がかかることや結果がでない苦しみから早期に撤退する結果になりまねません。
そのため、採用オウンドメディアの構築や運用は社内全体の共通課題として取り組む必要があります。まずは、立ち上げの責任者を立て、協力者を募りましょう。チーム全体が同じ目標に向かい、長期的スパンでの継続が重要です。
2採用オウンドメディアで成功するポイント
採用オウンドメディアを立ち上げるからには、誰もが企業の周知や良い人材の採用へと、目に見える結果を出したいと考えるでしょう。そのためには、以下のような成功ポイントを意識する必要があります。
企業の情報をオープンにする
仕事観が変化している昨今、今の求職者は仕事内容や待遇だけでなく、働く環境や目的を重視する傾向があります。
しかし、採用媒体によっては勤務地や勤務時間、給料などの最低限の情報しか記載されていません。そのような定型の募集要項では、企業の本当の魅力は伝わりません。採用オウンドメディアを活用すれば、求職者が求める情報を自由な形での発信が可能です。
とはいえ、採用オウンドメディアで企業の情報をオープンにすることは、企業の透明性や風通しの良さが求められます。求職者が求めているのは、働く社員のリアルな声や、実際に自分が働いたときのイメージができる情報です。万が一、情報をオープンすることに抵抗があるならば、情報性の薄い採用サイトと何ら変わらないメディアが仕上がってしまいます。
企業の強みも弱みも、従業員が感じるやりがいや不満も、すべて開示すれば求職者からの信頼を得られるといえるでしょう。
共感を得られる感情にフォーカスする
採用オウンドメディアの事例でも紹介したように、メディアには、社員のインタビューが掲載されています。インタビューは、本人の体験談や仕事への思いなどに焦点を当てて行われるため、現場でしか感じ取れないリアリティを生み出すことができます。成功を遂げる運営には「感情が伝わるコンテンツ」が必要不可欠といえるでしょう。
そのリアルな声を聞くことで、求職者は企業の取り組みや「なんのためにするのか」といった目的に共感を示します。その感情の移り変わりがファン化へとつながり、企業への採用応募へとつながります。
しかし、共感を得られる感情にフォーカスするには、社員の本音が語られなければ意味がありません。ありきたりな社風や意気込みを語っても、求職者の共感を得ることができません。そのためには、先述した情報をオープンにするマインドが必要となります。
メディアの更新頻度が高い
採用オウンドメディアの醍醐味は、コンテンツの多さにあります。成功しているどのメディアでも更新頻度が高く、コンテンツを充実させるための体勢が整っていると考えられます。
更新頻度の高さは、ターゲット層の満足度にも直結します。更には、目に触れる回数が増え「企業を知らなかった人に知ってもらう」機会を作り上げることができます。
また、充実したコンテンツを意識して更新することで、過去の投稿に遡って情報収集したり、最新情報をキャッチしたりできます。そうなると、採用オウンドメディアへのアクセス増加にも繋がるでしょう。
メディアの更新は、運用環境が整っていなければ頻度を上げることができません。そのため、継続的な運営ができる環境作りが大切です。
3自社の特色を活かしたオウンドメディアとは?
採用オウンドメディアを立ち上げる際に、成功している企業の例をなぞるだけでは失敗してしまう可能性があります。企業のジャンルや強み、伝えたいことやターゲット層が異なるため、必ずしも成功例が自社に当てはまるわけではないのです。
自社の特色を活かした採用オウンドメディアを構築するためには、以下のような内容がポイントとなります。
メディアを立ち上げる目的
採用オウンドメディアを立ち上げる理由は明確にされているでしょうか。「競合他社が作っているから必要だと思って」という動機だけで、明確な目的がないのであれば継続が困難になるかもしれません。自社の特色を活かしたオウンドメディアを立ち上げるためには、その具体的な目的を明らかにする必要があります。
例えば「長年頼んでいた転職エージェントからの採用が思わしくない」と感じるのであれば、採用を目的としたコンテンツを目的とします。また、「企業名は聞いたことがあるけど何をしている会社なのか知らない」といった業務内容の認知度の低さに問題があるのであれば、企業を知ってもらうためのコンテンツとして育てていきます。
採用オウンドメディアの差別化を図るためには、まず企業の目的を再確認する必要があります。このベースの考え方が、コンテンツの作成に大きな影響を与えます。
自社のアイデンティティを反映したコンセプト
自社は何を強みとして、なんのためにこの業務を行っているのか、アイデンティティの定義を明確にすることは大変重要なポイントです。このアイデンティティは企業によってさまざまであることから、競合他社の戦略を真似するだけでは自社の特色を活かしたメディアを作成できません。
例えば、中年男性向けの商品を販売開発していて40~50代の即戦力となる人材が欲しいと考えているにも関わらず、その宣伝を若者向けのInstagramで発信しても意味がありません。「中高年に響く媒体はどこか?」と考えたときに、使用年齢層が比較的高いFacebookを拠点にするなどの工夫が必要となります。
その人材を採用するには、どのようなポイントに注意して情報提供するべきか、訴求したい内容を明確にします。このように、自社のアイデンティティと、情報提供のコンセプトが異なる場合は、ターゲットにうまく訴求できないのです。
競合他社と被らないコンテンツの検討
各企業、思うように採用者が集まらない現状から、採用オウンドメディアは日々増加しています。そのため、競合他社と被らないコンテンツの検討が求められます。
例えば、福利厚生や柔軟な働き方が強みとなる企業であれば、その働き方の例を分かりやすくコンテンツに落とし込みます。新卒社員、独身社員、妊娠中の社員、育休明けの社員、時短勤務中の社員、子育て中の社員など、さまざまな立場からの意見をインタビューとして反映させます。そうすると「自分が働いたらこんなワークスタイルが可能なのか」と、立場に合わせた訴求が可能になります。
また、独創的な社風を売り出している企業であれば、興味を引くユニークなコンテンツを作成しても良いでしょう。思わず笑ってしまうようなTwitter運用や、企業の雰囲気を大切にした発信も最適です。
しかし、知識がないまま採用オウンドメディアを立ち上げ、運用し続けることは、根気のいる作業です。「本当に自社に必要なコンテンツなのか」「自社の強みを活かせる方法は何か」といった基本から考えてみましょう。
FunMarketingCloud for HR
未知の提供する採用オウンドメディア、FunMarketingCloud for HRとは
昨今の求職者が知りたいのは給与や福利厚生といった待遇面だけではなく、企業の具体的なストーリーです。優秀な人財ほど失敗を恐れるため勤務のイメージできない企業は対象とされません。そのため、具体的なストーリーを発信していかないと優秀な人財の採用は困難です。具体的なストーリーを定期的に発信することで、求職者が貴社を具体的にイメージすることができ、優秀な人財の採用成功度を増すことが可能です。未知の提供する採用オウンドメディア、FunMarketingCloud for HRは、その情報発信ツールとして最適です。
コンテンツマーケティングの企業が採用オウンドメディアをする理由
採用オウンドメディアとコンテンツマーケティングの相性は非常に良く、求職者が欲しい情報を検索することから企業の認知を広げることも可能です。
また、採用オウンドメディアは社内インタビューを通して社員の考えや自社の求める人材像を知ってもらう機会にもなるので、定期的な情報発信は欠かせません。マーケティングの手法や戦略を熟知し、ユーザーに読まれるための記事を書いてきた経験が物を言う場といえるでしょう。
FunMarketingCloud for HRの強み
未知株式会社では2010年から約10年間コンテンツマーケティングを経験した人間が多く在籍しています。そのため、そこで培った必勝メソッドを利用し、一般的な制作会社では打ち出せない企画やコンテンツをご提供いたします。
コンテンツマーケティングでの経験を基にデータに基づいた傾向分析と改善提案まで行います。実施している施策がどういう結果がでているのかデータを元に可視化し、次の打ち手をご提案させて頂きます。また、貴社で実施して頂ける施策の提案も行います。
さらに、社内でできることと社外に任せるべきことを整理し、社内外の業務バランスをうまくとった運用体制を整えることで、圧倒的な情報量を持ちつつ、コンテンツは常に最新の内容へとアップデートし、情報の新鮮さを保つ運用を行います。また、1記事ずつどういったパフォーマンスが出ているかをしっかり把握し、ただ書いて終わりでなく、その後もしっかりフォローします。コンテンツ内容もただの読み物としてのコンテンツに留まらず、集客へ展開させます。
SERVICE
サービス内容
具体的なサービス内容をご紹介いたします。
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メディア構築
ペルソナ及びメディアを明確化させるために貴社の特徴を詳細に読み解き、メディアを構築いたします。自社の強みや良さが伝わるコンテンツを提案いたします。
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企画作成・記事作成を行います
1キーワード毎にユーザーのインサイトを掘り下げます。そのワードで検索してくるユーザーの悩みや きっかけなどのストーリーを掘り下げる事で、ユーザーを明確に捉えた記事を作成することが可能です。また、記事執筆後の齟齬をなくすことができます。
キーワードだけでなく、見出し毎にどのような内容を書くのかライターに指示することにより、 完成後の記事内容の齟齬をなくします。さらに、参考URLを掲載する事で誤った記事内容や意図と齟齬のある記事内容になる事を事前に防ぎます。ライターは固定性なので御社の特性を活かした記事を書くことが可能となります。 -
インタビュー記事
また、採用オウンドメディアでメンバーが定期的に社内の魅力をインタビューなどで話すことをコンテンツ化することで会社情報をシェアしやすくなるため、リファラル採用の促進に繋げます。未知株式会社では事前すり合わせ、事前インタビューを徹底することで、想定通りの内容をインタビュイーから引き出すことが可能です。
WHITEPAPER
我々が自信を持ってお届けする
Fun Marketing Cloud for HRの一部をお見せします。
FLOWフロー
STEP01
初回ヒアリング
ヒアリングによりペルソナの明確化やサービスの内容を事細かにお伺いします。それにそって記事をどのような方向性で作成するか戦略を立てます。さらに、その戦略に沿って記事ごとのペルソナを作成し、記事制作を行います。
STEP02
企画案の作成・インタビュー社員決定
企画一つ一つにユーザーのストーリーを作成しSEOとユーザーを意識した企画案を作成します。1キーワード毎にユーザーのインサイトを掘り下げます。そのワードで検索してくるユーザーの悩みや きっかけなどのストーリーを掘り下げる事で、ユーザーを明確に捉えた記事を作成することが可能です。ま た、記事執筆後のズレをなくすことができます。
STEP03
記事の執筆・インタビュー
おおよそ80名に1名の合格率というテストライティングを合格したライターが記事を執筆いたします。専門家ライターという対象カテゴリに関連する有資格者、または勤務経験等があり必要な知識を 身に付けたライターをアサインしています。より専門知識が必要なカテゴリ等でご依頼 をご検討されている方に最適です。
STEP04
記事のアップ
記事が完成したら、記事をアップいたします。細かな変更や修正にも対応いたします。
STEP05
効果測定・分析
アップ後レポートを作成し効果を測定いたします。分析を行い最適なコンテンツを提案いたします。
まとめ
求職者の情報収集能力が長けている昨今、採用サイトに登録してアクセスを待っているだけでは応募者を獲得できない時代になりました。求職者は、自らが欲しいと感じる情報のみを効率よく収集する能力を持ち合わせています。
そのため、広告ばかり入る採用媒体や企業の情報が少ないメディアへのアクセスは、これからも減少し続けるといえるでしょう。求職者が求めているのは、信頼性の高いリアルな情報です。企業のミッションやビジョンに共感し、自身のワークバランスを大切にできる居場所を探しているのです。
そのような求職者にヒットする採用オウンドメディアは、短期間では構築できません。ペルソナを設定し、ブレないコンセプトやチームでの協力体制を整えて継続することで、初めてヒットするのです。
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